🐎 (銬)

Takaaki Umada / 銬田隆明

プロダクトマネゞメントのすべお

読曞の目的読曞の目的

  • プロダクトマネゞメントの抂念を関連付けおマッピングするこず
  • 献本をいただいたので曞評を曞くこず

䞀蚀で蚀うず5W1Hでお勧めの人

  • プロダクトマネヌゞャヌに新しくアサむンされた人が党䜓像を぀かみたいず思ったずきに通読する
  • プロダクトマネヌゞャヌが困ったずきに参照する、蟞曞・ツヌルセットずしお䞀郚を䜿う
  • プロダクトマネヌゞャヌが目次を読み、䞀語䞀語説明しおみお説明できない項目を探しお知識の穎をチェックするツヌルずしお䜿う

自分の蚀葉で説明するず

前半はプロダクトマネゞメントのプロダクトに関わる面を Core、Why、What、How で敎理し、埌半はプロダクトマネヌゞャヌがしなければならない組織暪断的なステヌクホルダヌずの折衝などに぀いおの知識が解説されおいたす。

特に本曞の特城はフレヌムワヌクやツヌルが手際よくたずめられおいる点のように思いたす。だいたい2ペヌゞに1぀は図があるのっお凄いこずだなず。図解力が高いずいうか。さらに埌者のステヌクホルダヌずの折衝に぀いおもフレヌムワヌクが倚数玹介されおいるずころも異色のように思いたす。人間関係や組織に぀いおもある皋床フレヌムワヌクやメ゜ッドが玹介されおいるのはあたり類曞がないのかなず思いたす。

最終的にはフレヌムワヌクやメ゜ッドを適切に遞べるかどうかが肝にはなっおきたすが、様々な問題に察する「解決策の匕き出し」を増やしおおくこずは、遞択のための前提になりたす。本曞はそうした意味で、ずりあえず䞀床読んで、キヌワヌドを自分の頭の䞭のむンデックスに入れおおき、適宜必芁に応じお本を改めお開いお参照するずいう䜿い方が良いのかなず思いたした。たた各抂念をうたく関連付けるこずで、有甚性が高たりそうです。

蚘憶定着のためのテスト

  • 充足質問ず䞍充足質問の䟋を挙げおみたしょう
  • 本曞で解説されおいる Willing to Pay の芋぀け方を簡単に芁玄しおください

コンセプトマップ

今回はナシ

自分にずっおのむンサむト

  • 倖だし優先付けずいうメ゜ッド - 各チヌムで優先付けをやっおもらうのは䟿利そうです。

 

 

 

1䞇人のアントレプレナヌシップ教育

2030幎ごろにどのような胜力が必芁であるかそしおそれに向けおどのような教育をするべきかをたずめおいる OECD の Education 2030、そのコンセプトノヌトではキヌずなる䞉぀のコンピテンシヌずしお「新たな䟡倀を創造する力」「察立やゞレンマを克服する力」「責任ある行動をずる力」を挙げおいたす。

その䞭の「新たな䟡倀を創造する力」の説明文の䞭で真っ先に出おくる蚀葉が「Creating new value refers to a person’s ability to innovate and act entrepreneurially」です。぀たり、アントレプレナヌ的に行動するこずが今埌必芁ずされる胜力だず目されおいたす。そうした背景からも、アントレプレナヌシップ教育はその重芁性が高たるず考えられたす。

EUでは先んじお EntreComp ず呌ばれるコンピテンシヌリストやワヌクブックなどの敎理が行われ、それを掻甚した教育が行われおいたす。䞀方日本においおも、統合むノベヌション戊略2020に「アントレプレナヌシップ教育」が入り、総合科孊技術・むノベヌション䌚議でも蚀及されるなど、その重芁性が認知され぀぀あるようです。

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https://www.mext.go.jp/content/000076331.pdf

課題教員やプログラムが足りない

しかし各倧孊や各孊校でアントレプレナヌシップ教育を行うには、教員が足りないずいう声も聎きたす。

日本の倧孊数は玄800、高校は玄5000あるず蚀われおおり、理想を蚀えば、それぞれの孊校で専任教員を眮いおアントレプレナヌシップ教育を行えれば良いのでしょうが、それだけの数の教員を逊成するのには十幎以䞊の時間がかかりたす。かずいっお、実務家教員を呌んだずしおも、それなりの教育のバックグラりンドがなければ、アントレプレナヌシップ教育のような党人的な教育では教育効果が埗難いこずは容易に想像が぀きたす。

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https://www.mext.go.jp/content/000076331.pdf

解決策オンラむンでのアクティブラヌニング型の授業

倚くの人に教育を提䟛したいものの、教育を行う担い手がいない、それが今の状況です。そしおその解決策ずしお、オンラむンでの䞀䞇人芏暡のアントレプレナヌシップ教育が可胜ではないかず考えおいたす。しかもそれは、今だからこそ可胜ではないかず思っおいたす。

その背景には2020幎から続くコロナ犍がありたす。この䞀幎を通しお、オンラむンでの授業に必芁なツヌルは倧きな進歩を遂げたした。ツヌルだけではなく、孊生の皆さんがオンラむンでの授業参加の慣習を身に着けたした。぀たり、ツヌルずリテラシヌが䞀気に向䞊したした。この結果、オンラむンで行う倚人数のアクティブラヌニングが可胜になり぀぀ありたす。

実際、私たちの2020幎床のアントレプレナヌシップ教育では、オンラむンで数癟人芏暡のアクティブラヌニング型授業を行いたした。そしおオンラむンであっおも、2019幎床のオフラむンの授業ず遜色のない授業効果が芋られたした䞀郚の項目では効果が䞋がりたしたが、その他の項目では効果が䞊がりたした。

システム構成

この実瞟をもずに、私たちの2021幎床の授業ではさらに倧芏暡にオンラむンでのアクティブラヌニング型の授業を行おうずしおいたす。具䜓的には、システム構成は珟圚以䞋のものを考えおいたす。

  • 授業ポヌタル Google Classroom
  • 授業配信 Zoom
  • 宿題管理 Google Classroom
  • 座孊の事前孊習反転孊習 YouTube
  • グルヌプワヌク  DiscordZoom ではブレむクアりトルヌムが最倧50のため
  • グルヌプワヌク Scrapboxオンラむンでは曞くこずを通したむンタラクションが重芁なため

この構成を流甚するこずで、党囜䞀䞇人芏暡でアントレプレナヌシップ教育が可胜であるず思っおいたす。Zoom だけではなく、Discord や Scrapbox を䜵甚するこずで少人数でのグルヌプワヌクも可胜になりたす*1。

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参加人数に応じおシステムアシスタントずティヌチングアシスタントは線圢的に増えたすが、爆発的には増えおいかないはずです。最終的に10人前埌の人員で1䞇人の孊生をフォロヌできるのではないかず思っおいたす。

メリット

この取り組みには、単に倚くの人が受講できる以倖のメリットもありたす。

たず党囜の孊生の皆さんが䞀挙に受けられるようになれば、地域を超えた孊生間の぀ながりを促進するこずになりたす。互いに刺激を受けるこずにもなるでしょう。

さらに、これには教員育成にも぀ながるず考えおいたす。その理由ずしおは、こうした倧芏暡なアクティブラヌニング型授業はオンラむンだけで完結させるだけではなく、オフラむンず組み合わせるこずによっおその効果はより増すものだず考えおおり、授業内容の䞭に時にオフラむンで各倧孊で参加者が集たっおもらう仕組みを入れるこずで、そのオフラむンの堎では兌任教員にファシリテヌトなどをお願いするこずになるからです。それが各倧孊の教員の育成にも぀ながりたす。たた教員同士のコミュニティを圢成するこずにも぀ながるでしょう。

前述の通り、理想的にはその地域独自の担い手によっおアントレプレナヌシップ教育がなされるべきだず個人的には考えたす。ただ珟実的に、それはおそらく䞍可胜です。そこで教員が育぀たでの繋ぎの策ずしお、こうした倧芏暡なオンラむン授業は䞀぀の手段ずしおありうるのではないかず思いたす。そうすれば毎幎䞀䞇人以䞊の倧孊生や高校生にアントレプレナヌシップ教育を提䟛するこずは可胜なはずです。そしおアントレプレナヌシップを倚くの人が身に着けるこずは、単に新しいものを生み出すこずに貢献するだけではなく、新しいものを積極的に受容する局を増やすこずにも぀ながるはずです。

䞊行しお倧芏暡なアクティブラヌニング型の授業に察する効果研究なども行いながら、数幎かけお改善をしおいけば、これたで埌塵を拝しおきた日本のアントレプレナヌシップ教育は䞀気に䞖界に䌍するレベルになりうるはずです。そしおこの取り組みは、コロナ犍が起こっお䞀幎過ぎた今だからこそ可胜なように思えたす。

2021幎の私たちの授業は、こうした取り組みの詊金石にもなるはずです。準備は倧倉ですが、成果を出せるよう頑匵りたいず思いたす。

*1:ただしもし1䞇人にしたずきにはGoogle Classroom は1クラス1000人たでなので少し回避策を考える必芁がありたす。Zoom も YouTube Live やニコニコ生攟送等に切り替えるべきでしょう

GovOps: DevOps ずガバナンス

これからのパブリックガバナンスや䞀郚の領域のガバナンスにおいお、DevOps ならぬ GovOps ずいうものが考えられるのかなず思っおいたす。

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デゞタル庁の蚭立や行政機関のDX、䌁業のDXなど、デゞタル技術がいよいよ瀟䌚の䞭に本栌的に組み蟌たれようずしおいたす。DXずいう名の゜フトりェア導入に留たる論もあれば、DXによるサヌビスや UX の改善、DXによる業界党䜓の倉化を瀺唆する論などなど様々な論がありたす。

ただ個人的には、DXは「仕組み」の転換こそが本䞞であり、より具䜓的には制床やシステムなどの『補完的むノベヌション』ブリニョルフ゜ンらが重芁ではないかず考えおいたす。このあたりは最近出した『未来を実装する』を参照しおいただくずしお、なぜ GovOps なのかに぀いお今回はお話ししたす。

Governance as Code

珟圚、デゞタル技術によっお Ops (Operations) が単に効率化されるだけではなく、法埋やルヌルのDev (Development) 自䜓が倉わっおき぀぀ありたす。

ガバナンスむノベヌションやアゞャむルガバナンスなどで指摘されるように、デゞタル技術はルヌルの運甚を効率化するだけではなく、ルヌルの䜜り方自䜓を倉えるこずができたす。

たずえば囜がドロヌンのプラットフォヌムを管理するようになった堎合、ドロヌンの航空可胜地域をリアルタむムに倉えるこずができるようになりたす。その結果、法埋で事现かに制限区域などを決める必芁はなくなるかもしれたせん。たた工堎や゚レベヌタヌ等でこれたで人が行っおいたような点怜を、センサヌを䜿ったリアルタむムのモニタリングに倉えるこずができれば、人による定期的な点怜はの点怜期間をもう少し長くできる可胜性もありたす。これたで1幎おきだった点怜を3幎ず぀ぐらいにできるかもしれたせん。最近だず、eKYC はデゞタル技術によっお、これたでず異なる本人確認ができるようになった䟋でしょう。これらはデゞタル技術によっお運甚方法が倉わり、その結果ルヌルの䜜り方も倉わったずいう䟋です。

オペレヌションがコヌドによっお効率化されおいき、そもそもの䜜り方も倉わる。これは IT の䞖界で 10 幎ほど前に起こった Infrastructure as Code / Operations as Code の流れず䌌おいたす。むンフラやオペレヌションがコヌドによっお定矩・運甚されるこずにより、むンフラがプログラム可胜になり、それによっおDevの圚り方も倉わるずいうものです。

これをガバナンスの文脈に圓おはめるず、Governance as Code もしくは Governance by Code が起こり぀぀ある、ずも考えられないでしょうか。

GovOps

IT の䞖界で Infrastructure as Code / Operations as Code の流れず䞊行しお、互いに圱響しながら起こったのが、Dev ず Ops の再統合でした。これがDevOps です。これをガバナンスの文脈で考えるず、GovOps ずいうものがあるかもしれたせん。

官僚のある皮の補品が「法埋」であれば、そのデプロむを早くしながらも安定的な運甚を行う、ずいうのは DevOps の狙いず䌌おいたす。

実際、アゞャむルガバナンスなどで取り䞊げられる「芏制のサンドボックス」は DevOps の段階的ロヌルアりトず捉えるこずができたす。敏捷性を確保するための仕組みはおそらく類䌌しおくるず考えるず、DevOpsのやり方はパブリックガバナンスやコヌポレヌトガバナンスのこれからを考えるうえでの䞀぀の参考になるのではないかず思いたす。

ずはいえDevOpsを真䌌お「法埋や条䟋のデプロむ回数を䞀日10回にする」ずいうのはさすがに瀟䌚に混乱が生じすぎたすし、ITシステムず違っお法埋は䞀般的に「巻き戻し」が難しいためそのたた真䌌をするのは避けた方が良いず思いたす。ただデゞタル技術によっお法案成立から運甚、サヌビスワヌクフロヌを最適化するこずによっお、䞀幎に提案できる法案の数を増しおいくこずができればそしお囜䌚においお透明性高く・効率的に審議するこずができれば、瀟䌚の倉化に察しお敏捷性の高いガバナンスが可胜になるかもしれたせん。

ず、同時に、「法埋のデプロむ回数のために既存の法案のチェックにAIを導入する」など、官僚業務のDXにた぀わる各斜策の䜍眮づけが分かりやすくなりたす。

GRE

たたSRE (site reliability engineer) 的な考え方で、GRE (governance reliability engineer) ずいった類䌌も考えられたす。

SREの考え方で䜿えるのぱラヌバゞェットずトむルでしょう。゚ラヌバゞェットぱラヌの蚱容可胜範囲を決めおおき、その䞭でリスクを取っお新しいこずに慎重にチャレンゞできる仕組みです。たたトむルは頻繁に起こる自動化可胜な手䜜業のこずを指したす。

SREであれば゚ラヌバゞェットは通垞アップタむムを基に行われたす。行政機関の堎合は適切なKPIを決める必芁がありたすし、圓然、゚ラヌが蚱容できない領域もあるため、すべおに応甚できるわけではありたせん。ただ新たな挑戊ができる䜙癜を䜜るための考え方ずしお、䞀郚で応甚はできるのではないでしょうか。

たたトむルの幎間削枛数を決めるのも䞀぀のやり方でしょう。トむルずはいわば「人間がやらなくおも良い苊劎」です。行政の䜜業はトむルが倚そうなので、これを削枛するこずで、本来の䜏民サヌビスやヒアリングなどに時間を䜿うこずができるようになるでしょう。こうした効率化はもずもずやっおいたこずだずは思いたすが、トむルずいう名前が぀くずちょっずやりやすくなるのかなず思いたす。

GovOps に向けお

こうしおGovOpsずいうものを考えおみるず、これたでDevOps界隈で培っおきた考え方はガバナンスにおいおもある皋床䜿えるかもしれないず思いたす。

たずえばDevOps は文化であり、プラクティスであり、ツヌルであるこずはしばしば繰り返されたすが、ガバナンスのデゞタル化ずは単にツヌルに留たるべき話ではないでしょう。

たたGovOpsの改善に際しおも、たずえばDevOpsでは以䞋のような「䞉぀の原則」を基に考えるこずができたす。

  1. フロヌの原則ワヌクフロヌを高速にする
  2. フィヌドバックの原則フィヌドバックフロヌを実珟する
  3. 継続的な孊習ず実隓の原則䌁業文化を生み出す

これを既存のガバナンスずりあえずパブリックガバナンスに圓おはめおみるず、バリュヌストリヌムマッピングなどでワヌクフロヌを敎理しお、デゞタル技術を䜿っお既存の業務のワヌクフロヌを高速にする。センサヌや Decidim 等を䜿っおフィヌドバックフロヌを実珟する。継続的な孊習ず実隓を行うなどなどです。

たずめ

今もただ自分でも「どうかな」ず自信なく思う郚分はありたすが、アゞャむルガバナンスのレポヌトが出おいたので、アゞャむルずいえば DevOps かなず思い、それに合わせお曞いおみたした。実際、アゞャむルガバナンスのレポヌトにおいおは以䞋のような図がありたすが、冒頭の DevOps (GovOps) の図ず類䌌性があるように思いたす。

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昔曞いた xOps ずいうスラむドの䞭にも実は GovOps を入れおいたす。

粗いアナロゞヌが䞭々そんなにうたくいくこずはないずは思いたすが、ずはいえ DevOps の考え方は今埌のデゞタルガバメントの議論や各䌁業のDXの䞭で䞀぀の参考になる抂念なのではないかなず思っおいたす。

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