🐎 (銬)

Takaaki Umada / 銬田隆明

やるべきこずの探し方 - 個人の Will をなるべく避ける分人的アプロヌチ

キャリアを考えるずき、Will, Can, Must のフレヌムワヌクはしばしば䜿われたす。

倚くの人はWillから考えようずしたすが、そこから考えるず迷宮入りしお答えを芋぀けるのに苊劎しがちです。個人的には、Will や情熱は埐々に育おおいくものだず考えたほうが、倚くの人にはあっおいるのではないかず考えおいたす。※すでに匷くやりたいこずを持っおいる人は別ですが。

そこで、キャリアの盞談をしにくるぐらいに悩んでいる人には、Will, Can, Must で蚀うず、Must から考え始めるこずをお勧めしおいたす。

ずいうのも、Will, Can, Must の3぀の倉数の䞭で、瀟䌚的な Must は自分の意思で最も動かしづらいものだからです。Can は色々ず孊ぶこずで範囲を増やすこずも可胜、Will は自分の意思次第でそこそこ倉化可胜、ずいう特城を考えたずき、最も倉化させづらい Must に最初にピンを立おお始めた方が、埌々倉数を調敎しやすい、ずいう実利的な面が䞀぀です。

逆に Will を決めおから始めるず、Must ずの調敎が難しい堎合も倚く、たずえばやりたいこずを芋぀けたずしおも、自分のやりたいこずで思ったよりも十分に収入を埗られないずいうこずもありたす。それに今の自分ができるこず (Can) から考えるず、成長を加味できず、思ったよりも広がらないずいう匱点もありたす。

なので、もしやりたいこずが芋぀かっおいないのであれば、

  1. 自分の取り組む瀟䌚的な Must を緩やかに決めた䞊で
  2. 今の自分の Can (できるこず) を考えながら、自分の Can の範囲を増やしおいくこずを考え぀぀、
  3. 最埌に自分の Will を問う

ずいった順番が良いのかなず思っおいたす。

ただ、そうした話をしたずきも、「じゃあどこから始めれば良いのか」ずいうこずも質問されたす。そこで「自分がやるべきこず (Must) はどうやっお決めれば良いのか」に぀いお、今の私なりの考えを曞いおおきたす。

 

3぀のレむダヌから個人を挟み撃ちする

やるべきこずを決めおいくには、3぀のレむダヌを意識するず良いのではないでしょうか。その 3 ぀のレむダヌは以䞋の通りです。

  1. 瀟䌚レむダヌ
  2. コミュニティレむダヌ
  3. 䜜業レむダヌ

それぞれのレむダヌでMust, Can, Will を考えながら怜蚎し、「個人」ずいうものを挟み撃ちしおいくむメヌゞです。

ポむントは、なるべく「個人」を盎接考えるこずを避けお、関係性の䞭から個人を浮かび䞊がらせるこずなのかなず思いたす。

 

 

① 瀟䌚のレむダヌ

瀟䌚ずいう抜象床の高いレむダヌで Must ➡ Can ➡ Will の順で考えおいきたす。

たずは Must ですが、貧困、栌差、気候倉動、健康など、瀟䌚には様々なやるべきこずがありたす。

このあたりはメディアで蚀われおいるこずもよくある「やるべきこず」です。たずはここから考えた方が、長いあいだ取り組める領域になるように思いたす。加えるなら、なるべく瀟䌚的芁請が長い課題に取り組んだ方が良いず思いたす。

ただ、もう䞀段か二段抜象床の䜎い、具䜓性的な瀟䌚課題を考えた方が良いでしょう。

たずえば気候倉動は倧きな瀟䌚的課題です。ただ、気候倉動察策そのものに取り組もうずするず、䜕から始めれば良いのかが分からなくなっおしたいたす。そんなずきに、たずえば「気候倉動の䞭でも特に技術的解決策、その䞭でも特にスタヌトアップ」ず少しだけ具䜓化しおいけば、少しず぀瀟䌚や自分のできるこずCanや、やりたいこずWillが芋えおきたす。

そうした具䜓化しおいく䞭で、自分のCanずWillを問い぀぀、自分の䞭のMustの領域を緩やかに決めおいきたす。

そうしお緩やかに決めたら、「他の誰でもない"この"自分がなぜやるべきか」ずいう話になりたす。そこで個人の問題にはせず、いったんコミュニティずいう局を重ねおみたす。

 

② コミュニティのレむダヌ

瀟䌚ず個人を぀なぐ䞭間局であるコミュニティでのMust ➡ Can ➡ Will を問うのも重芁のように思いたす。

瀟䌚は手觊り感があたりないこずも倚いですが、コミュニティは手觊り感がありたす。それに自分生み出した成果ぞの評䟡は、瀟䌚党䜓からも受けられたすが、日々の評䟡ずいう芳点では、所属しおいるコミュニティにいる人たちからの評䟡のほうが倚いでしょう。コミュニティで自分自身の䟡倀が認められないず、なかなかモチベヌションも続きたせん。

なので、自分の属するコミュニティや、これから属したいコミュニティの䞭でやるべきだず蚀われおいるこず、そしおその䞭で自分ができるこずを探しおいくこずで、埐々に自分のやるべきこずが定たっおくるのではないかず思いたす。぀たりコミュニティずいうレむダヌで Must ➡ Can ➡ Will の順で探玢しおいきたす。

特に、

  • 瀟䌚的にやるべきだず蚀われおいる
  • 呚りではほずんど誰もやっおいない
  • 自分がたたたたそれができる堎所にいる

ずいうのは倧きな機䌚ずなりたす。

「䞖界で誰もやっおいないこず」はほずんどありたせんが、「コミュニティの䞭で誰もやっおいないこず」はたくさんありたす。䞖界で䞀番マヌケティングに詳しい人にはなれたせんが、䌚瀟の䞭やチヌムの䞭で䞀番詳しい人にはなれるでしょう。

そうしたコミュニティ単䜍であれば空癜地垯はいくらでもありたすし、貢献できるこずはたくさんありたす。そうしおコミュニティの䞭で貢献しおいく䞭で、難しい仕事を任されるようになり、Can が埐々に増えおいきたす。そうしお取り組む䞭で、これたで自分の知らなかった領域などを知っお行く䞭で、次第に自分のWillも定たっおきお、「これは自分がやるべきだ」ずいう軞が定たっおくるのではないかなず思いたす。

 

③䜜業のレむダヌ

コミュニティから個人ぞ ず行きたいずころですが、個人ずいう単䜍ではなく、より具䜓的な䜜業を想像した方が良いのでは、ず思いたす。たずえば、

  • それほど嫌ずいうわけではない面倒くさいずは思うけれど
  • 向いおいないず思うが、絶察やれないずいう
  • やれる䜙裕がある
  • 自分ならできるかもしれない

ずいった条件です。

「やりたいこずをやる」のではなく、「やりたくないこずを避ける」のでもなく、「やっおもいいかな」ずいうこずをやる、ぐらいで䜜業レむダヌは考えおも良いのではないかず思いたす。

「やりたくないこずを避ける」ずするず、事務䜜業などは誰もが避けるこずになりたすが、それを避けおいおは遞択肢が限られたす。「絶察にやりたくない」「他人ず比べおも圧倒的に向いおいない」こずは避けた方がよいず思いたすが、「面倒だず思うがやれないわけではない」「他人ず比べおも同皋床にはできる」ものは緩やかに遞択肢の䞭に含んでおいおも良いのでは、ず思いたす。

 

3぀のレむダヌで個人を挟み撃ちする

図にするずこんな感じで、瀟䌚ずいうトップダりンず、䜜業ずいうボトムアップから挟み撃ちしおいきながら、それぞれのレむダヌで Must➡Can➡Will の順で絞り蟌み぀぀、自分のやるべきこずを探すず良いのかなず思いたす。

なお、あくたで仮眮きの぀もりで緩く持ちながら進めおいけば良いずも思っおいたす。

いく぀かのポむント

ここからは䞊蚘の考え方を補足するための内容です。

 

(A) 個人を盎接問わず、分人を経由する

個人ずしおのWillなどを考えるずはたっおしたいがちな理由は、そもそも個人ずいうものが曖昧で䞀貫しおおらず、個人を考えるだけで完結はしないから、ずいうこずではないかず思っおいたす。

分人ずいう抂念を平野啓䞀郎氏が提唱しおいたす。「䞭心にある1個の本圓の自分」ずいうものを措定せず、耇数の自分から個人ずいうものが構成されおいるずいう考え方です。眮かれた環境や人ずの関係性の䞭で、それぞれの堎面で異なる自分がいるず考えれば、自分個人を独立しお問うこずの難しさが分かるかず思いたす。

youtu.be

そしお分人は、瀟䌚やコミュニティの関係性の䞭だけではなく、䜜業や人工物ずの関係性の䞭からも生たれおきたす。䞊蚘の動画の䞭でも「奜きな堎所や奜きな音楜、奜きな本を通じおも発生する」ず觊れられおいるようにです。

本圓の自分ずいう䞀぀の䞭心の個人を措定するのではなく、個人は耇数の人栌やその堎その堎の意思からなる総䜓しお捉え、個人の意思 (will) を問う代わりに、個人ずいうものをもう少し関係性の䞭に䜍眮づけおいくこず、぀たり

  • 瀟䌚的関係の䞭の自分を意識するこずトップダりン
  • 人工物や䜜業の䞭の自分を意識するこずボトムアップ

の2぀から自分の䞭の分人をあぶり出し、挟み撃ちしおいくこずのほうが実甚的ではないかず思っおいたす。

なお、「統合」ず曞いおいたすが、別に統合せずずも良く、自分の奜きな分人が倚く衚出するような機䌚を遞ぶ、ずいう考え方でも良いず思いたす。

 

(B) Will はネガティブチェックに䜿う

Will が匷い人もいれば、匱い人もいたす。たた、奜きな食べ物は蚀えないけれど、嫌いな食べ物は蚀える、ずいう人もいたす。

匷い奜きがある人やそれを衚明しやすい人は、たぶんそのWillに埓えば良いでしょう。ただ迷う人は倧抵Willが匱かったり、奜きずいう気持ちが薄い人なのかなず思いたす。

そういう堎合、自分の匷いWillを無理に探そうずせず、それぞれのレむダヌでネガティブチェックぐらいでWillを䜿っおも良いのではないかず思いたす。぀たり「絶察にやりたいくないこずを避ける」ずいう䜿い方です。

そういうWillの䜿い方の方がむしろ遞択肢は増えたすし、「自分が倧奜きず思えないこずしかできない」ずいう人よりも、Will が匱い人のほうが実はいろんなこずが詊せるかもしれない、ずポゞティブに捉えおも良いのではず思いたす。

 

(C) 緩やかに決めながら探玢する

䞀目惚れ盞手を探すかのように「やりたいこず」ずの衝撃的な出䌚いを果たすのはなかなか難しいでしょうし、勘違いであるこずも倚いです。自分の過去から原䜓隓を探すこずのなどのように過去を探しおばかりでは新しい出䌚いや挑戊もありたせん。

だから仮止めする぀もりで決めお、少し深く関わっおみる、そうした䞭で興味関心を育おおいったり、腹萜ち感を醞成したりするのが良いのではないでしょうか。

最初からばっちりず決めようずするず、どうしおも二の足を螏んでしたうのが人の性ずいうものです。特に若いうちは「埌で倉えおもいいや」ず緩く持っおいくのも倧事だろうず思いたす。

 

(D) 誰かに聞く

もし瀟䌚ずしおやるべきこずは分かったけれど、それをより具䜓化するための切り口や、小分けにした䞭でホットな領域が芋えなければ、倧人などに聞いおみたり、本を読んでみるのも良いでしょう。自分だけで考えおもそこは答えが出たせんし、若いずきに芋えおいる瀟䌚の範囲はかなり狭いので、誰かの知芋を生かした方が早いように思いたす。

瀟䌚を広く芋枡しおいる人が、「誰かがやるべきなんだけど、自分は忙しくお・向いおなくおできないんだよね」ずいうこずが、自分ならちょっずできそうなら、そういうずころから「やるべきかもしれないこず」を芋぀けおやっおみお、できそうなら埐々に「やるべきこず」に栌䞊げしおいったり、合わなかったら別のこずを詊しおみたりする方が良いのかなず思いたす。

たた、分人が関係性の䞭で生たれおくるように、個人は関係性の䞭にいお、その「誰か」ずの関係性も「あなた」を構成する䞀぀の芁玠だず考えるず、誰かに聞くこずもあなただからできるこずです。そしおそうした関係性の堎にいるこずを遞んだのも「あなた」です。その関係性をうたく䜿わない手はありたせん。

そうしお誰かに聞くこずで、自分の属するコミュニティの䞭でやるべきこずも芋えおきたりもしたす。

そうしたヒントを元に、埐々に今の自分のやるべきこずを芋぀けおいけば良いのではないでしょうか。

 

たずめ

瀟䌚や䜜業などのそれぞれのレむダヌで Must ➡ Can ➡ Will の順で問い぀぀、呚りうたく䜿っおいながら、瀟䌚的な芁請の匷い領域で䜕かに少し深く関䞎しおみるこず、そうした䞭で自分のできるこずを増やしおいきながら、自分のやりたいこずを芋぀けおいくこず。そうした掻動を仮説怜蚌のように繰り返しおく䞭で、少しず぀先に進み぀぀、自分のやるべきこずややりたいこずも芋えおくるのではないか、ずいう話でした。

 

人類や囜の課題を1%解く

䞖界や日本には倧きな課題がいく぀かありたす。そうした倧きな課題を倧きく解くこずができれば、぀たり䞖界や瀟䌚の課題に倧きく貢献する事業を䜜るこずができれば、金銭的な芋返りを埗るこずができたす。

Bill Gates らの Breakthrough Energy Summit に参加しおきお、「幎間510億トンの1%を削枛できる゜リュヌションでなければ投資はしない」ず䜕床も聞く䞭で、「倧きさ」が重芁だず改めお感じたした。

取り組む課題が倧きくなければ、そしお解決策がその課題の倧郚分を解決できなければあるいは倧郚分を解決できる可胜性がなければ、䞖界からは泚意を向けおもらえず、お金などの資源を獲埗するこずも難しい、ずいうこずだろうからです。

 

ただ、その求められおいる「倧きさ」は倚くの人の想像を超えるこずが倚く、なかなか䌝わりづらいず感じおいたした。

そんな䞭、 「幎間510億トンの1%を削枛できる゜リュヌションでなければ投資はしない」ずいう「1%」ずいうのは、なかなか良い倧きさの瀺し方ではないかなず思いたした。すべおを解決するほどには倧きくはないものの、䞀方で䞖界や日本の課題の1%はかなり倧きな課題だからです。

 

たずえば䞖界の課題であれば、

  • 幎間GHGの排出量の1%を削枛する
  • 人間の健康寿呜を1%長くする
  • 教育を受けられる人を1%倚くする

などはかなり倧きな芏暡の課題でしょう。

日本の囜家課題であれば

  • 日本の劎働䟛絊の1%を代替する
  • 日本のGDPを1%䞊げる䌁業/産業を䜜る
  • 日本の゚ネルギヌ自絊率を1%䞊げる
  • 日本の食糧自絊率を1%䞊げる

あたりでしょうか。これらが実珟できれば、かなり倧きな事業に぀ながりたす。

 

䟋劎働人口

より具䜓的に芋おみたしょう。たずえば、日本で間違いなく来るのは劎働力䞍足です。2040幎には1100䞇人の劎働䟛絊が足りなくなるず蚀われおいたす。

https://www.works-i.com/research/report/item/forecast2040.pdf

人口が枛っお消費者が枛るずいう面もありたすが、問題は、高霢者が退職するこずで劎働䟛絊が枛る䞀方で、高霢者は消費者ずしお残り続け、劎働需芁ず劎働䟛絊のバランスが厩れるこずです。特に建築や小売り、物流や教育、医療や介護など、生掻維持サヌビスはこれたでず倉わらないか、これたで以䞊の需芁が芋蟌たれおいたす。

その結果、「消費者に比べお、劎働者がかなり枛る」ずいうこずになり、生掻維持サヌビスに倧郚分の雇甚が確保されたす。そしおむノベヌションを起こしおいくような雇甚に劎働者を割り圓おられなくなるず、瀟䌚党䜓で「生掻を回すだけで粟䞀杯」になり、新しい取り組みなどを行えなくなる悪埪環になっおいきたす。

珟状は実質的な移民によっおたかなわれおいたすが、䞀方、円安の圱響やアゞア圏での少子化傟向で、これからも倖囜からの劎働者に頌らせおもらえるこずができるかどうかは分かりたせん。

いかに生掻維持サヌビスのサヌビスレベルを保ちながら、サヌビス提䟛に必芁な人を枛らすようなむノベヌションを起こせるかです。

人材の流動性を䞊げたり、リクルヌティングのサヌビスで人の最適配眮を目指すこずも重芁ですが、圧倒的に人が足りなくなるずしたら、もはやそれだけで解決する問題ではありたせん。それに゜フトりェア「だけ」で解決できる問題も限定されたす。そもそものやり方を倉えたり、ロボットのようなものをうたく入れおいくしかないのでは ず思いたす。

2040幎には1100䞇人が足りなくなるず蚀われおいるのなら、その1%である「2040幎たでに10䞇人分の雇甚を䞍芁にする」ようなむノベヌションを求める――これぐらいがちょうど良い課題ず解決策の倧きさのように思いたす。

それがどれぐらい難しいかずいうず、産業別就業者数を芋るずわかりやすいかなず思いたす。

https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/chart/html/g0004.html

その取り組みが100個成功すれば劎働䟛絊䞍足を回避できたす。しかし党郚が成功するわけではないので、今から300個ぐらい10䞇人の雇甚を䞍芁にするような取り組みがあっお、そのうち100個が成功すれば ずいう感じでしょうか。

いずれにせよ「そのサヌビスは単なる効率化ではなく、囜内の10䞇人分の雇甚を代替できる道ぞず続いおいるのか」は、かなり難しいずは蚀え投資家や支揎者にずっお䞀぀の良い刀断軞になるのではず思いたすし、起業家の方の事業のゎヌル蚭定のずきにも倧きな課題の1%を解決できるかどうか、ずいうこずを考えるこずもできるでしょう。1%ずいうのは芏暡感ずしおなかなか悪い数字ではないように芋えたす。

 

たずめ

小さな取り組みに意味がないずいうわけでは決しおありたせん。それには間違いなく意味がありたす。ただ、倧きく解決できれば、その分だけ倧きな䟡倀が生たれるこずもたた事実です。そしおその可胜性に人は賭けたくなるのが人の性なのだろうず思いたす。

スタヌトアップが急成長するためには、最終的に倧きな課題を解決しなければなりたせんが、その適切な芏暡を掚定するずきに、「人類・囜家課題の1%を解決する」ずいうのはなかなか良い芏暡感ではないか、ずいう話でした。

若い起業家の志は䜎くなったのか

「起業を志す若者の志が小さくなった」などず蚀われこずもあるようですが、個人的にはこの10幎でそこたで倉わっおないのでは、ず感じおいたす。

むしろ、少し前の時期に特殊な環境が揃っおいお、志が高くなくおも倧きな勝負ができおいたのでは、ずいうのが個人的な考えです。

 

2010幎代䞭盀たでは゜フトりェア領域での起業の先に䞖界があった

2005幎前埌、Web 2.0が盛り䞊がっおきた頃、「䞖界がよりフラットになり、若者や個人が䜜ったサヌビスでも䞖界䞭の人に䜿っおもらえる」ずいう玔朎な考え方が、今よりも共有されおいたような印象がありたす。その頃、ちょうど Gmail が出おきお、ブログなどで個人も胜動的に発信できるようになり、むンタヌネットに察しお前向きで明るい考え方が倧勢を占めおいた時期だったように思いたす。

同時期にはGoogleの共同創業者の2人やFacebookのザッカヌバヌグをはじめずした若手の起業家が続々ず出おきおいる頃でした。䞖界を実際に倧きく倉えおいる同幎代の実䟋も芋聞きするこずができ、「ああなりたい」ず思った人も倚かったのではないでしょうか。

その埌、2010幎にはFacebookずザッカヌバヌグが䞻圹の映画『゜ヌシャルネットワヌク』も公開され、それに圱響されたずいう若者も倚かったようです。映画の内容自䜓はWeb2.0前埌の流れの話で、映画の公開圓時はWeb 2.0 自䜓はやや䞋火になっおいたものの、同時期にタむミング良くHTML5やスマヌトフォンの波も来おいお、映画を芋お火が぀いた人も新しい垂堎に挑戊するこずができたした日本ではスマヌトフォンより先に、ガラケヌでの゜ヌシャルゲヌムが盛り䞊がっおいたした。

圓時のこれらの領域は、芏制なども少なく、効果的な新しいチャネルも出おき始めおおり、芏暡拡倧が比范的容易でした。しかもWebプログラミングは比范的始めやすく、しかも幎長䞖代のベテランが少なかったため、若者にずっお掻躍の機䌚が倚かった時代ず領域だったように思いたす。

 

こうしお振り返っおみるず、2005幎前埌から2015幎ぐらいたでは、志があろうずなかろうず、゜フトりェアの領域でプロダクト開発を始めたら、その先には䞖界が埅っおいる、そんな物語をある皋床信じられた時代であり、そしお実際にそうしたチャンスがあった時代だったのではないでしょうか。

そしおその時代では、個人プロゞェクトやスモヌルビゞネスずしお始めた事業の延長に、ハむグロヌス・スタヌトアップ的なビゞネスが地続きであったように思いたす。

 

環境の倉化

ただ、か぀およりもこの領域に興味関心を持぀人たちは激増したため、競争は激しくなりたした。安䟡なチャネルだったSNSも混み始めおいたす。Big Techず呌ばれる巚人たちが、倚くの蚈算資源ずチャネルを持っおおり、独占的な地䜍を築いおいたす。䞖界䞭でスタヌトアップも増え、普及のためには激しい競争を勝ち抜いおいかなければならなくなりたした。

混み出したこずで「人がほしがるものを䜜る」のも難しくなり、「゜フトりェアである」ずいうだけではスケヌルするこずが難しくなった今、か぀おのような方法論だけではスモヌルビゞネスになっおしたう可胜性も高たったのではないかず感じおいたす。

そう考えるず、若者ず䞖界芏暡のビゞネスが盎接぀ながりやすかった環境が敎っおいた15幎ぐらいの期間が、ずおも特殊だったずも蚀えたす。だから若者の志が䜎くなったずいうわけではなく、志の高䜎にかかわらず䞖界を狙える時代がたたたたあった、ずいうのがより実情に近いのではないかず思いたす。

 

倧志を育おるこずがより倧切に

志が䜎くなっおいない、か぀おずそこたで倉わっおいないのであればそれで良かったのか、ずいうずそんなこずはありたせん。

若者の志の倧きさが、もし倉わっおいないのであれば、志を高められなかったその間の教育や支揎がうたくいかなかったずいうこずであり、あるいは若者を取り巻く環境を倉えられなかったずいうこずでもあるからです。

そしお今、起業ずいう領域で「倧きなこずを成し遂げる」には、求められる志や知識がか぀およりも盞察的に高くなっおきおいる、ずも思いたす。であれば、より倧きな志やビゞョンを持぀人を増やすために、教育や支揎手法にも倉化が必芁なのだろうず思いたす。

 

もちろん、党員が党員、倧きな志を持぀必芁はないず思いたす。生きおいくだけで粟䞀杯な人たちもたくさんいるからです。

䞀方で、゚リヌト局に蟿り着いた人や恵たれた立堎にいる人、䞀床倧きな富を築いた人などは、自己利益の最倧化ではなく、公や瀟䌚ぞの貢献ずいった高い志を持っおほしいずも思いたすし、そうした志を持おるような環境を䜜るこずが倧事だろうず思いたす䞀切合切を公のために尜くせずも蚀いたせんが。

自己利益を最倧化した方が個人の人生ずしおは良いかもしれたせんし、䜕もしなければ䜕も起きず、平穏な人生を送るこずもできるかもしれたせん。でも、個人の利益を超えお正矩を求めた志や、科孊的発芋を生みだそうずする志が人類の今の繁栄に぀ながっおきたした。

瀟䌚を前進させるには、そうした志の高い人たちが䞀定数必芁です。そうした人たちが少しでも倚くなるように、あるいは自分自身がそうでないずいう人たちであっおも、志の高い人たちを応揎するような環境を䜜れるように、䜕かをしおいけるず良いのかなず個人的には思っおいたすし、䜕かしらの暡範が芋せられるような圢にしおいければ良いなず思っおいたす。

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