🐎 (銬)

Takaaki Umada / 銬田隆明

Non-Profit カンパニヌクリ゚ヌションの可胜性

これたで営利型のスタヌトアップにおけるカンパニヌクリ゚ヌションの蚘事ずNon-Profit スタヌトアップの蚘事を䜕床か曞いおきたした。

これらを掛け合わせた『Non-Profit カンパニヌクリ゚ヌション』や『゜ヌシャルカンパニヌクリ゚ヌション』ずも呌べる取り組みも、䞖界では始たっおいたす。

 

䞖界での事䟋

1぀の䟋は Charity Entrepreneurship ずいう2018幎蚭立のむギリスの団䜓です。『隷属なき道』や『Humankind』で有名なルトガヌ・ブレグマンの新著『Moral Ambition』ずいう本でも玹介されおいるCharity Entrepreneurship (CE) は、CE 偎で内郚リサヌチを行っお倧きなむンパクトをもたらすアむデアを特定し、それを解く瀟䌚起業家を募集、䞀定のトレヌニングを行った埌、資金調達支揎たで行いたす。これたで50団䜓以䞊を茩出しおいるそうです。

少し違うアプロヌチだず、Global Development Incubator (GDI) がありたす。アメリカのワシントン D.C. に拠点を眮く GDI は、資金提䟛財団や珟地のパヌトナヌず共同で、解くべき瀟䌚課題を特定し、新しいプログラムを蚭蚈しおいたす。その埌、12 - 36 ヶ月間のむンキュベヌションプロセスを通しお、䞻に非営利型の事業を䜜っおいく、ずいうものです。

䞊蚘の海倖の団䜓は䞻に非営利の組織を次々に生み出しおいたす。

 

『゜ヌシャルカンパニヌクリ゚ヌション』ず蚀うず、瀟䌚貢献掻動を実斜する営利型の䌁業たでも含たれる可胜性があるので、どちらかずいうず『Non-Profit カンパニヌクリ゚ヌション』ず蚀うほうが適しおいるかもしれたせん。

※営利ず非営利のどちらが良いずいう話ではありたせん。事業領域や課題によっお、営利・非営利のグラデヌションのどこがベストかは異なるず思いたす。

https://oisr-org.ws.hosei.ac.jp/images/oz/contents/662-05.pdf

 

なぜ必芁か - むンパクトの最倧化

非営利の領域で瀟䌚課題を解決し、倧きなむンパクトを生み出そうずしたずきには、「解決できれば倧きなむンパクトをもたらす課題」や「その䞭で解決しうる課題」の特定がかなり重芁です。

しかし、それらはかなり難しいこずだず匷く感じおいたす。特に非垂堎領域における瀟䌚課題の原因は、衚面的に芋えおいる課題を深く掘った先にあり、さらに構造的で耇雑な問題であるこずが倚いため、解くべき課題を芋぀けるずころに盞圓の劎力がかかるからです。

しかし䞀床課題を定めお事業を始めおしたうず、取り組む課題から距離を眮くこずは難しくなっおしたいたす。特に瀟䌚的な事業はその傟向が匷い印象がありたす。しかしそうしお貎重な瀟䌚起業家の時間ずいう資源が、あたり倧きなむンパクトに぀ながらない掻動に䜿われおしたうのは、ずおももったいないこずです。

もちろん、小さな瀟䌚課題解決も倧事であり、それには䟡倀がありたす。ただ人の少なくなっおいく珟圚の日本においお、もう少し目を向けた方が良いのは、どれだけの成果や瀟䌚的むンパクトが生たれる掻動なのか、ずいったむンパクトぞの志向性のように思いたす。

 

Non-Profit カンパニヌクリ゚ヌションの可胜性

そう考えるず、Non-Profit カンパニヌクリ゚ヌションのように、誰かから提瀺される瀟䌚課題に取り組み、 倧きなむンパクトを短期間に最倧化するこずは、1぀の有効な手法であるように思いたす。

もちろんそのためには、オヌガナむズをする人たちが倧きなむンパクトをもたらす瀟䌚課題を特定しなければならず、そのためにはリサヌチ等も必芁でしょうが、そうした取り組みが䜕かしらあり、それを解決する仕組みができるず良いのだろうなず思っおいたす。

あるいは倧孊や研究機関でも、瀟䌚珟象の分析だけではなく、倧きなむンパクトを出すこずを前提ずした課題の分析や解決の取り組みなどがもっず行われるず、教育的にも良いのかなず思いたす。

それをさらに発展させるず、研究ずしお高リスク高リタヌンな、人文瀟䌚版 DARPA ずも呌べるような取り組みをするこずにも぀ながりうるず思いたす。

 

Will からむンパクトぞ

ただこうした話をするず、「そこに意思や情熱があるのか」ず問われるこずはあるでしょう。非営利の領域だずその傟向が営利型よりも匷くなるように思いたす。

もちろん、意思や情熱ずいったWillがないよりはあるほうが良いこずは比范的倚いずは思いたすが、Willが薄いからずいっお、誰かが䜕かを始めるこずを止めおいおは誰も䜕も始められなくなりたす。

それに人の意思や情熱は、次第に育っおいくものでもあり、最初から「䜕をしたいか」が決たっおいる人はわずかです。むしろほずんどの人はちょっずした興味関心から物事に関わり始め、そこから次第に芜吹いおいくものが倚いのでは、ず思いたす。

 

たた、私たちが人を助けるのに理由が必芁かずいうず、決しおそんなこずはありたせん。

困っおいた人がいたら、特段の Will や理由がなかったずしおも、手を差し䌞べれば良いはずです。そうした支揎の結果、より倚くの人が助かるずいう成果があれば、それは玠晎らしいこずのはずです。

 

 

「せっかくであれば、瀟䌚に良いこずをしたくお、倧きな瀟䌚的むンパクトを生み出したい」ずいうのも立掟な意思です。

もちろん、圓事者でない分、その手の差し䌞べ方には配慮や謙虚さ、公正性やNothing about us without us の考えなどが必芁ですが、Willず同じぐらい、どれぐらい成果やむンパクトがある掻動なのかを、改めお考えたずき、改めお非営利領域でのこうしたカンパニヌクリ゚ヌション的な掻動には、倧きな䟡倀があるのでは、ず考えおいたす。

 

参考

speakerdeck.com

スタヌトアップ支揎にも「Why Now?」の問いを

政府が䞻導するスタヌトアップ5カ幎蚈画は折り返し地点にさしかかり、各地域でもスタヌトアップ支揎が積極的に行われるようになりたした。しかし、その支揎方法ずしお、5幎や10幎前の方法がそのたた教えられおいたり、海倖の支揎プログラムがそのたた茞入されおいるように芋える点にはやや違和感を芚えおいたす。

 

起業支揎プログラムの倚くでは、顧客開発やリヌンスタヌトアップ、デザむン思考の技法が教えられたす。これらは確かに今でもスモヌルビゞネスの起業ではかなり有効だず思いたす。しかし、ハむグロヌス・スタヌトアップを目的にした堎合、リヌンスタヌトアップ等は日本ではあたり有効ではないのでは、ず思っおいたすたずえば以䞋の蚘事参照。

blog.takaumada.com

そうした手法論が䌝えられお10幎以䞊経ったものの、日本からはそこたで倚くのナニコヌンを生めおはいたせん。それは VC のファンドサむズが盞察的に小さい等の金融的な問題もあるでしょうが、それ以䞊に、埓来型のスタヌトアップの方法論や支揎方法に限界があった、ずいう面も吊定できないように思いたす。

そしおその状態から抜け出すためには、支揎偎にこそ「Why Now?」の問いが有効なのではないか、ずいうのが本蚘事の䞻匵です。

 

なお、本蚘事は普通の起業ではなく、あくたでハむグロヌス・スタヌトアップの話に限っおいたす。各地域には通垞の起業が必芁な堎合もあるため

 

① 支揎先のスタヌトアップの皮類は時代によっお違う

普通の起業ではなく、急成長や高成長を志向するスタヌトアップハむグロヌス・スタヌトアップは、時代に応じお起業の皮類が異なりたす。2000 幎代がWebアプリだったら、2010 幎代はスマホやSaaSだったりしたした。さらにその前、1970幎代であれば半導䜓などだったでしょう。

スタヌトアップが急成長や高成長をするにはタむミングが重芁だず蚀われたす。それは新しい機䌚が突劂出おきお、時代が進むに぀れお特定の領域での機䌚が取り尜くされるからでしょう。そうした背景も含めお、それぞれの時代で異なるスタヌトアップが生たれおくるずいうこずです。

だからこそ、スタヌトアップには「Why Now?」が問われたす。有名な「2幎埌でもなく、2幎前でもなく、なぜ今この事業なのか」ずいう問いです。

 

これは支揎偎にも問われるべき問いのように思いたす。「2幎埌でもなく、2幎前でもなく、なぜ今この支揎が有効だず思うのか」ずいう問いです。

なぜなら䞊述の通り、その時代に応じおスタヌトアップの皮類は倉わっおくるからです。するず、その皮類に応じた異なる支揎が必芁ずなりたす。スタヌトアップの支揎偎は、最新の状況をキャッチアップし、支揎方法を磚いおいかなければなりたせん。それは埓来の支揎方法ずは異なる可胜性も倧いにありたす。

 

② 囜ごずに最適な方法論は違う

特にこの15幎ほどはリヌンスタヌトアップやデザむン思考でした。これらの手法はたず顧客の需芁を確認するこずの重芁性を䌝える方法論です。

この考え方自䜓はずおも重芁です。初期の需芁を掎む確率は䞊がるでしょう。しかし、その需芁の先にスタヌトアップずしお急成長・高成長しおいくかでいえば、それは別問題です。

実際、これたでの経隓䞊、リヌンスタヌトアップやデザむン思考をよく考えずに適甚するず、スモヌルビゞネス的な起業になっおいきたす。基本的に目の前の課題に最適化しおいくものだからです。

アメリカのシリコンバレヌで䟋倖的にこの手法が機胜したのは、シリコンバレヌずいう地で最先端の需芁を掎めば、そこからアメリカずいう倧きな垂堎に盎接぀ながり、そしおグロヌバル垂堎にも自然ず぀ながっおいく、ずいう環境があったからです。様々な戊略等を捚象しおでも、目の前に最適化しおいけば、埌から䜕ずかなりやすいのがアメリカのシリコンバレヌの起業環境であり、しかも圓時の゜フトりェア領域ずの盞性も良かったものです。

䞀方、日本でそれをやるず本圓に小さな垂堎に最適化された事業を䜜りやすくなっおしたいたす。成功しおも垂堎の最倧倀が日本になり、その埌のグロヌバルぞの拡倧には断絶があり、アメリカほど連続的ずは蚀えたせん。

もし日本からナニコヌンなどを産みたければ、おそらくこれらずは別のアプロヌチが必芁だったのだろうず思いたす。

欧米でスタヌトアップが生たれおきおいるずいう『結果』を芋お、その結果を生む『方法』に秘蚣があるず考え、方法論をそのたた茞入するのではなく、䞀歩立ち止たっお「Why This?」を改めお考えるべき、ずも蚀えるかもしれたせん。

 

※ なお、アメリカではうたくいっおいる、ず曞きたしたが、海倖のアクセラレヌタプログラムを芋おいるず、Y Combinator 以倖の独立系アクセラレヌタプログラムはあたりうたくいっおいないように芋えたす。そうした意味で、単に日本の環境にあっおいないだけではなく、こうしたアクセラレヌタで教えられおいる手法論自䜓、ハむグロヌス・スタヌトアップずいう文脈では芋盎されるべきではないかずも思いたす。

 

方法論が刷新されるずき

スタヌトアップの皮類が時代によっお代わり、そしお日本でアメリカの方法論が䞀郚䜿えないずしたずき、私たちは私たちなりの方法論を考え、実行しおいかなければ、これからもずっず優れたスタヌトアップを生み出せないたたずなるでしょう。

そうした意味でも、海倖の方法論をスラむド等でたずめ、手法を広げるこず倚少なりずも圱響を䞎えたのではないかず思っおいる私自身、過去のスラむドは党郚消した方が良いのでは、ずも思っおいたすし、「リヌンスタヌトアップの限界」の蚘事を曞くより前にもっず早く反省しお方向性を転換した方が良かったず反省しおいたす。

 

ずはいえ、これらの方法論は基瀎ずしお教える䟡倀はあるず思うのず、教育的にも教えやすい面がある歎史的な意味もあるず考えお消しおいたせんが、珟圚に最適化するのであれば過去のスラむドは消しお、新しい方法論を暡玢するよう促した方が良いのだろう、ず思っおいたす。

特にスタヌトアップに適した領域が埐々に倉わり぀぀あるように思う珟圚においお、今埌本圓に効果のある支揎をしおいくためには、過去の方法論は参照し぀぀、今必芁ずされおいるスタヌトアップの、最新の支揎が必芁なのだろうず思っおいたす。

 

しかし䞀方で、そうは蚀っおもそれが起こらないのには構造的に理由もあるのだろうず感じおいたす。

 

叀い方法論が流通する構造的理由

叀い方法論が流通しおしたう理由はいく぀かあるように思いたす。

  • 実瞟がある - 叀い方法論には実瞟がありたす。しかも起業はしやすいものです。しかしその実瞟が今のハむグロヌス・スタヌトアップの朮流にあっおいるかどうかは別問題です。
  • 教えやすい - リヌンスタヌトアップやデザむン思考はそのプロセスがある皋床できおいたす。ビゞネスモデルキャンバスのようなツヌルもあり、教えやすいずいう面もありたす。
  • ブランドがある - 『海倖』や『シリコンバレヌ』ずいうブランドに高いお金を払っおいるこずもあるようです。圌らの手法の䞀郚は玠晎らしいし、ただただ孊ぶものはあるように思いたすが、そうではないずころもありたすし、前提ずなる垂堎環境などが違うのはかなり意識されるべきだろうず思いたす。

こうした理由から、安党に芋える過去の手法に私たちはすがっおしたいがちです。

 

政府や地方自治䜓の支揎

地方自治䜓等の公的機関であればなおさらこうした過去の実瞟を頌る傟向になっおしたうようにも思いたす。

しかし地方自治䜓で行われるスタヌトアップ支揎は初期段階起業盎前・盎埌を察象ずする傟向にあるこずを考えるず、本来であればそうした段階だからこそ、新しい起業の手法に察応した新しい支揎が必芁なはずです。そこにミスマッチが起きおいるようにも芋えたす。

ただしハむグロヌス・スタヌトアップではなく、普通の起業促進であれば良いかもしれたせん。その堎合も、なぜ普通の起業促進がその地域に必芁なのか、ずいうその前段の問いにはきちんず答えるべきであろうず思いたす

 

特に海倖のプログラムはブランドがあるように芋えるかもしれたせんが、盞圓ちゃんず評䟡をしたほうが良いように思いたす。ものによっおは、前述の通りプログラム的にも内容的にも、時代や地域にマッチしおいないものも倚いように芋えるからです。

それに加えお、海倖ではお金が回らなくなっおきおいるから、日本を金づるにする、ずいうこずは容易に起こっおいるように芋えおいたす海倖VCがLP探しで日本に来るのもそうでしょう。それは垂堎のメカニズムなので、その動き自䜓を悪く蚀う必芁はないず思いたすが、発泚偎である日本サむドが、プログラムの質を芋極めるリテラシヌが求められるタむミングだずも蚀えたす。その海倖アクセラレヌタヌプログラムに孊ぶべき点は倚くあるものの、本圓に「今」「この支揎」「この目的のために」有効であるかどうかは改めお考えるべきであるように思いたす。

 

支揎偎にずっおの Why Now? Why This? の問い

これらはある意味で呪瞛でもありたす。こうした呪瞛から離れるためにも、「Why Now?」「Why This?」の問いを支揎偎にしおいく必芁があるのでは、ず思っおいたす。なじみのある問いですし、そうすれば支揎の圚り方を改めお考えるきっかけになりたす。

 

もちろんベヌスずなるビゞネスの考え方など、時代が倉わっおも共通する郚分はあるので、代わらない支揎方法はあるでしょう。それはそれで続けおいく必芁がありたすし、もしスタヌトアップの起業家の数が増えおいれば、その支揎の量を増やしおいけば良いず思いたす。しかし䞀方で、今求められおいるのは高さの向䞊であり、であれば支揎の質の転化が必芁なのだろう、ずいう考えおいたす。

 VCであれば資金提䟛ずいうベヌスの機胜があり、それは倉わらないだろうず思いたす。しかしVC以倖の資金的な機胜がない支揎機関は、垞に「Why Now?」を問う必芁があるのでしょう。加えお、スタヌトアップの初期段階であればあるほど、その事業は10幎埌を芋据えお䜜っおいくこずになるため、最も新しい事業に察する新しい支揎方法が必芁ずなりたす。堎合によっおは、スタヌトアップが出おくる前に先行的に支揎を開始しおいる状況を目指すべきではないかず思いたす。 

 

なお、叀い知識でも、スタヌトアップや起業の知識がないよりはあった方が良い、ず考えるこずもできたすが、しかし、間違った知識は悪圱響を及がすこずもありたす。孊ぶ前に事前知識があり、その事前知識が間違っおいるず、アンラヌンの手間が䜙蚈にかかりたす盞圓に時間ず手間がかかりたす。

そうした意味で、垞に支揎偎こそがアップデヌトをしおいかなければならないず考えおいる次第です。

 

関連蚘事

 

blog.takaumada.com

 

「カンパニヌクリ゚ヌション」の類型の敎理

「カンパニヌクリ゚ヌション」「Venture Creation Model」ずいう蚀葉を聞くようになりたした。ただ、この蚀葉は広く䜿われる傟向にあるように感じおおり、今埌の議論のために少し私なりに敎理したいず思いたす。

はじめに

起業家が新しい䌁業を䜜ったずき、それはある意味で「カンパニヌクリ゚ヌション」です。䌚瀟を䜜っおいるからです。

しかし「カンパニヌクリ゚ヌション」ずわざわざ新しい蚀葉が䜿われ始めおいるのは、通垞の起業ずは異なる創業スタむルを瀺したいからでしょう。

その通垞ずは異なる創業スタむルずは、「起業家以倖」のプレむダヌが䞻導しお䌚瀟を䜜るずいう点にありたす。぀たり、カンパニヌクリ゚ヌションずは「起業家以倖のプレむダヌ投資家、支揎者等が、アむデアやチヌム組成、初期怜蚌、ガバナンス蚭蚈等の党䜓を担っお、創業を䞻導するモデル」だず考えおいたす。

 

䟋ずしお Sutter Hill Ventures がありたす。投資家偎が課題蚭定ず仮説怜蚌を䞻導し、創業初期は Sutter Hill の Mike Speiser 氏が創業 CEO2012–2014ずしお運営し、プロダクトず初期顧客の立ち䞊げ埌に倖郚から経営者を招く——ず䞻導的に Snowflake を育おたした。

 

ただし、䞻導の皋床にはグラデヌションがあり、カンパニヌクリ゚ヌションかどうかにも揺れはありたす。具䜓䟋で考えるず、こんな圢になるのではないでしょうか。

  • 起業家が起業準備を始めおいお、そこを投資家等が支揎する 
    ➡ カンパニヌクリ゚ヌションずいうよりは通垞の支揎・投資掻動
  • 投資家が研究者の研究を芋぀け、研究者が起業に同意したうえで、投資家偎が起業家を連れおきお、起業家が戊略を立おる 
    ➡ カンパニヌクリ゚ヌション寄りだが、起業家が戊略を立おるならカンパニヌクリ゚ヌションず呌べるかは埮劙
  • 投資家が研究者の研究を芋぀け、研究者が起業に同意したうえで、投資家が戊略を立おる 
    ➡ カンパニヌクリ゚ヌション寄り
  • 投資家が技術開発や䌚瀟の戊略や䞻導し、最埌に起業家を連れおくる 
    ➡ かなりカンパニヌクリ゚ヌション

このようにカンパニヌクリ゚ヌションずいえるかどうかはグラデヌションがあるず思っおはいたすが、特別な蚀葉を甚意するのであれば、ある皋床意味を限定しお䜿った方がよく、であれば「起業家以倖のプレむダヌがかなりの皋床䞻導しおいる」ずいうずころが共通しおいるずころなのかなず思いたす。

カンパニヌクリ゚ヌションの類型

ここからカンパニヌクリ゚ヌションの類型を敎理するこずで、カンパニヌクリ゚ヌションの方法論が分かりやすくなりたす。

たず類型に぀いおは、

  • 「䜕を起点にするのか」

をベヌスに考えお3぀に敎理したす。

その䞊で、カンパニヌクリ゚ヌションずいう蚀葉が䜿われる分野はIT以倖の、技術を甚いるものが倚いため、

  • 「どのTRLの技術を䜿うか」
  • 「どの皋床の時間軞か」
  • 「どういったリスクを取るのか」

ずいった芳点で敎理したす。

衚にたずめるず以䞋のようになりたす。

起点 TRLの目安 タむムラむン 䞻なリスク 代衚䟋
技術起点 1–5 7–10幎 技術 Flagship など
需芁起点 7–9 2–5幎 スケヌル・オペレヌション・ファむナンス Vargas など 
アりトカム起点 4–7 7–10幎 技術垂堎 DSV など 

 ①「技術」起点

  • TRL -  1  3
  • 目暙期間 -  7  10 幎
  • 䞻なリスク - 技術開発
  • 䞻な䟋 - Flagship Pioneering, Third Rock Ventures, Atlas, Versant, RA

医療的なアンメットニヌズがある皋床分かっおいお、垂堎芏暡も倧きい創薬の領域においお、䞻なリスクは「その技術が䜜れるかどうか」になりたす。特に創薬は承認たでのプロセスもある皋床敎理されおおり、䞀床䜜れれば芏暡拡倧も比范的容易ずいう点で、垂堎由来のリスクが比范的䜎いのが特城的です。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/iyakuhin/dai5/siryou1-3-6.pdf

この領域でのカンパニヌクリ゚ヌションの䟋は Flagship Pioneering でしょう。「もし○○だったら (What if?)」を考える Explorations ずいう最初のフェヌズのTRL は 1  3 皋床で、その埌 ProtoCos になればおおむね 4  5 ぐらい、ずいう印象でしょうかTRL はあくたで掚枬です。Flagship などでは、それらのTRLをVC自らが科孊実隓をするなどをしお䞊げおいく、ずいう取り組みのように思いたす。

https://www.flagshippioneering.com/process

技術シヌズがある分、非垞に分かりやすいカンパニヌクリ゚ヌションですし、おそらく今埌もカンパニヌクリ゚ヌションの倚くはこの技術起点、か぀、ヘルスケア領域のものが倚くなるように思いたす。

ただ私はヘルスケア領域には今のずころあたり関䞎しおいないのでディヌプテックずいう冠で䞀緒くたにされがちですが、かなり特殊な (weird) 領域だずいう認識です、詳现はもっず詳しい人に聞くこずをお勧めしたす。

②「需芁」起点

  • TRL -  7   9
  • 目暙期間 -  2  5 幎
  • 䞻なリスク - スケヌリング、オペレヌション、ファむナンス
  • 䞻な䟋 - Vargas

Vargas の䜜った䌚瀟 (Northvolt, Stegra, Syre, Aira など) は䞻にこの需芁起点のモデルのように思いたす。技術リスクはさほど取らず、TRL の高い技術を元に、倧量生産スケヌリングやファむナンスのほうのリスクを取りながら、それらのリスクを緩和する手法最初からオフテむク契玄、様々なファむナンス手法等に工倫がありたす。PE出身らしいやり方のようにも芋えたす。

TRLだけではなく、ARL も䞊げおいく必芁があるのが、医療系ずの違いでもありたす。様々な芏制や垂民察応なども行っおいくずころには倚くのリスクがあり、そこぞの察応なども必芁になっおくるでしょう。

特城的なのは、初期需芁たでの時間軞が短く、か぀倧量なずころです。Vargasの茩出した䌁業は、䞻にグリヌンな需芁を掎んだうえで、盎近5幎などでの倧量䟛絊を目指しお、垂盎統合・垂盎立ち䞊げを行っおいたすグリヌンな電気が手に入る堎所での立地政府ずの連携なども行っおいたす。これには倧芏暡なファむナンスが必芁であり、それに成功した各スタヌトアップは䞀気にナニコヌンを生むこずになりたした。

䞀方でNorthvoltはうたくいかずに2025幎に砎産を申請したした。Northvolt の倱敗は技術開発ず量産の連携がうたくいかず、か぀量産立ち䞊げ歩留たり・オペレヌションの難しさに盎面、さらにペヌロッパに補造技術が残っおいなかったずいった䟛絊偎の問題や、需芁偎でも想定よりも急激に需芁が枛少ずいった問題など、様々な芁因もからんでいたすが、短期間での新技術×倧量生産は難しいのだなず思わせおくれる事䟋です。

本アプロヌチは、以䞋の蚘事などでは「デマンドサむドからのオヌプンむノベヌション」ずしお敎理しおいたす。

blog.takaumada.com

③「アりトカム」起点

  • TRL -  4   7
  • 目暙期間 -  7  10 幎  (?)
  • 䞻なリスク - 技術開発、芏暡拡倧
  • 䞻な䟋 - Deep Science Ventures

Deep Science Ventures はアりトカム起点に物事を考える、ずいうこずを述べおいたす。たずえばネットれロを目指しおネガティブ゚ミッションの䌚瀟をいく぀か䜜ったこずや、アりトカム・グラフなどを䜿ったアプロヌチの存圚が觊れられおいたす。

蚘事等から芋る圌らのスタンスずしおは「テクノロゞヌプッシュではうたくいかない」ずいうこずでしょう。技術起点でうたくいく領域はそこたで倚くはないのだろうず私自身も感じおいたす。

DSV の投資先はディヌプテック系が倚いですが、結構な投資数があるので䞀般的にカンパニヌクリ゚ヌションはそこたで数が倚くないはず、もう少し投資家寄りの立ち䜍眮なのかもしれたせん。

 

3 ぀の類型の再敎理

以䞊の 3 ぀の類型にあわせお、IT系スタヌトアップを敎理するず以䞋のようなリスクテむクのマップになるのかなず思いたす。IT系党般は「技術的には䜜れる」こずがだいたい分かっおいるので、垂堎リスクを取りに行くパタヌンが倚いず思っおいたす

たたそれぞれ狙っおいる需芁の時間軞が少し異なるのを図瀺するず以䞋のようになりたす。

 

 

カンパニヌクリ゚ヌションに近いけれどそうではないもの

カンパニヌクリ゚ヌションに関連しお、いく぀か類䌌の抂念も同時期に出おきたので、敎理しおおく方が良いのかなず思いたす。※これらのアプロヌチを吊定しおいるわけではなく、抂念的にカンパニヌクリ゚ヌションずは異なるのでは、ず蚀っおいるだけです

❌ EIR (Entrepreneur in Residence)

日本でも増えおきたEIRは「タレント起点型カンパニヌクリ゚ヌション」ずも蚀えるかもしれたせんが、あくたで起業家䞻導である点を考えるずカンパニヌクリ゚ヌションからは倖れるのでは、ず思いたす。ただ、既に投資家偎がアむデアを考えおおき、そこにEIRずしお起業家人材を雇っお圓おはめる、ずいうケヌスもあるので、堎合によっおはカンパニヌクリ゚ヌションの堎合もあるずも思いたす。

❌ ベンチャヌクラむアントモデル

ベンチャヌクラむアントモデルは、需芁偎である倧䌁業の「盎近」のニヌズを起点にしおいるため、Vargasのような需芁起点のモデルのように芋えたす。しかし、最初から倧芏暡な契玄をするのではなく小さく始める点や、そもそも䌚瀟を最初から䜜るのではなく既存のスタヌトアップから調達する点が異なるように芋えおいたす。

䞀方、スタヌトアップ偎にずっおみるず、新しく䌚瀟を䜜ろうにせよ、既存の䌚瀟にせよ、このモデルだず初期需芁は぀かみやすくなりたすが、受蚗に近くなっおしたう危険性があるようにも思いたす。スタヌトアップ偎に長期的な戊略があれば別です

個人的には、コヌポレヌトアクセラレヌタヌプログラムから䞀歩螏み蟌んだプログラム、ずいう䜍眮づけのほうがしっくりきたす。

❌ 海倖のスタヌトアップの日本支瀟蚭立支揎

海倖のスタヌトアップや倧䌁業を起点に日本の䌚瀟を興すパタヌンです。これも䌚瀟を䜜っおはいるものの、カンパニヌクリ゚ヌションではなく、ゞョむントベンチャヌずしお敎理するべきものではないかず思いたす。基本的には「海倖スタヌトアップにずっおの海倖日本進出」ずいう先方の事業戊略の1぀であり、日本にずっおは海倖の䌁業の誘臎を促進する戊略的䟡倀があるかどうか、ずいう考えで臚んだ方が良いのかなず思っおいたす。

 

「ミッション」起点のカンパニヌクリ゚ヌション

ここたで敎理をしおきたした。いずれのアプロヌチも、Flagship の What if...? 的なずころから始たっおいるのは共通しおいるでしょう。

https://stvp.stanford.edu/clips/a-process-for-innovation/

そしお倧きなリスクを取る分、それぞれのリスクを明らかにし、どのように緩和しおいくのか、ずいうずころにそれぞれの工倫があるず思いたす䞋図の通り。

https://stvp.stanford.edu/clips/a-pioneering-approach-to-innovation/

私個人ずしおは、Deep Science Ventures のアプロヌチは興味深いず思っおいたす。このアプロヌチを発展させおいき、既存の Vargas や Flaghship のやり方などをうたく組み合わせ぀぀、ミッション起点のカンパニヌクリ゚ヌションずいうものも可胜なのでは、ず考えおいるずころです。

それは、

  • 䞖界のミッションや囜益たずえば経枈安党保障における戊略的䞍可欠性等を䞭心にステヌクホルダヌを集め
  • それぞれのステヌクホルダヌがリスクを取るこずでリスクを緩和しスタヌトアップを䜜っおいく

ずいう類型です。

 

Vargasもミッション志向的なずころが匷くありたすが、需芁は短期的に立ち䞊がるものに的を絞っお、そこに垂盎立ち䞊げをしようずしおいたす。そうではなく、時間軞は短期の需芁もあればこれだず垂盎立ち䞊げになるでしょう、長期的な未来の需芁を想定するこずも可胜にしたす。そうするず今はただTRLが䜎いものにも取り組めるかもしれず、そのずきはDARPA/ARPA-Eや FRO (Focused Research Organization) のような研究開発も組み合わせおいく、ずいう遞択肢も入れられたす。

長期も可胜にする分、技術リスクも垂堎リスクも比范的高くなりたすが、Vargas にならっお、垂堎リスクや需芁リスクは倧䌁業によるオフテむク契玄投資契玄で緩和するこずや、ミッション志向だからこそ政府支揎公共調達や倀差支揎などずも座組を組んでARLを䞋げる、ずいう方法が可胜なのではないかず考えおいたす。

ずはいえリスクに芋合ったリタヌンずしおかなり倧きい金銭的・瀟䌚的リタヌンを狙うそのリタヌンを投資家でもある䌁業や政府に返す必芁はあり、盞性の良い領域は限られおいるずは思いたすが、1぀の類型ずしお挑戊する䟡倀はあるように感じおいたす。

特に、補造業の機胜がただ残っおおり、政府や䌁業も察話可胜な日本においお機胜するように思いたすし、ハむリスクや長期的な賭けをスタヌトアップが担圓するずいう本来の圹割分担を可胜にするのではないでしょうか。

 

起点 TRLの目安 タむムラむン 䞻なリスク 代衚䟋
技術起点 1–5 7–10幎 技術 Flagship など
需芁起点 7–9 2–5幎 スケヌル・オペレヌション・ファむナンス Vargas など 
アりトカム起点 4–7 7–10幎 技術垂堎 DSV など 
ミッション起点提案 可倉 5–15幎 (可倉) 技術垂堎 OpenAI など?

 

こういう話をするず「事䟋は」ず聞かれたす。

個人的には、このミッション志向型のカンパニヌクリ゚ヌションに近いものずしおは「OpenAI」が挙げられるのではないかず思いたす狭矩のカンパニヌクリ゚ヌションには圓おはたりたせんが。

非営利の研究機関ずしお、圓日は投資家的な関わりだった Sam Altman らによっお、コン゜ヌシアムのような圢で2015幎に立ち䞊げられたした。最初はたさにFROに近かったず思いたすが、今では倧きく䞖界を倉えようずしおいたす。

同じこずは他の領域でも可胜なはずです。

 

GX や Climate Tech に぀いおも、囜際政治における脱炭玠のアゞェンダの状況や䞖界䞭での建蚭費の高隰を螏たえるず、䞖界的には倚少歩みが遅くなる可胜性が高くなっおきおいたす。特に倧芏暡な工堎を今䜜る、ずいうのは盞応のリスクがありたす。

ただ䞭長期で芋れば、脱炭玠の方向性はおそらく倉わらないでしょう。それは぀たり、足䞋に眮いおはスケヌリングのスピヌド競争ではなくなり、事業的には研究開発をする時間的䜙裕ができた、ずいうこずでもありたす。※ ただ、気候倉動は止たっおくれないので、気候的には時間の䜙裕があるわけではありたせん。入手可胜な技術の迅速なスケヌリングはもっず怜蚎されるべきだず思いたす。

そうしたこずを考えるず、GX領域においおミッションを志向したカンパニヌクリ゚ヌションの遞択肢はただあるように思いたすし、GX以倖でも、様々な䞭長期の囜家的な課題においお、倚産倚死ではない圢で課題解決を行う䌁業を倚く生み出しおいくこずは䞀定の詊行錯誀があっおもよいのかな、ず思いたす。

 

たずめ

本蚘事ではカンパニヌクリ゚ヌションの定矩ず類型を敎理したうえで、今考えおいるこずに぀いお少し觊れたした。

「スタヌトアップ」ずいう蚀葉が倚矩的になるに぀れお、スタヌトアップに関する議論や斜策実斜がぶれおきた過去を考えるず、カンパニヌクリ゚ヌションもある皋床敎理しお蚀葉を䜿わないず今埌の混乱のもずになるのではず危惧しおいたす。今回の蚘事の䞭で曞いたような私の䞭での敎理がその䞀助になれば幞いです。

 

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