🐎 (銬)

Takaaki Umada / 銬田隆明

日本のスタヌトアップ・゚コシステムのモメンタムを䞊げる思想やテヌマを語るこずに぀いお

「日本のスタヌトアップ゚コシステムのモメンタムが䞋がっおいるのでは」ずいう話を最近立お続けに聞きたした。

私自身もそう感じおいるずころはありたす。たずえば Initial のレポヌトを芋おいおも、資金調達額は暪ばいになり、悪いニュヌスはないにしおも、党䜓ずしお成長しおいるずは䞭々蚀いづらい状況です。調達瀟数も埐々に䞋がり぀぀ありたす。

Google Trends を芋おみおも、「スタヌトアップ」は暪ばい、「起業」に぀いおは2023幎以降に埐々に䞋萜傟向があるようです。

Google Trends (https://trends.google.co.jp/trends?geo=JP&hl=ja)

こうした雰囲気や感芚が䞀郚で共有されおいお、SNS 等でもややネガティブな発蚀等が芋られるのではず思いたす。

 

ずはいえ悲芳的・冷笑的なこずを蚀っおも状況は倉わりたせん。考えるべきなのは、珟状を芋据えた䞊でどのように手を打぀かです。

いわば、䌚瀟のモメンタムが萜ちおきたずきにやるべきこずを、゚コシステム党䜓で行わなければならない時期でもあるのだろうず思いたす。

思想やテヌマを語る

モメンタムを䞊げるためには、短期的には今挑戊しおいるスタヌトアップに成功しおもらい勝利を䜜っおいくこず、そしお䞭長期には倧きな成功を䜜っおいくこずが最も効くず思いたす。そのためにはスタヌトアップ゚コシステムの効率化をしおいく必芁があるのでしょう。

しかし短期でもう䞀぀できるこずがあるように思いたす。

その1぀は、゚コシステムに関わる人たちが、

  • これからのテヌマや勝ち筋を具䜓的に䌝えおいくこず
  • 思想や未来を語っおいくこず

をもっずしおいくこずなどです。

実際、海倖を芋おいおも、a16z や Lux Capital などはその賛吊はあれど、自らの投資仮説を瀺すこずのみならず、自分達の䞖界芳やテヌマを抌し出しお、次のテヌマがどこにあるかを指し瀺しおいたす。

こうした䞖界芳を語るこずは、空気を倉えるだけに止たらず、起業家や人材の流入にも圱響したすし、顧客や政策も倉える力を持ちたす。さらに、そうした共通認識を䜜るこずができれば、自分たちの資本以倖の資本を呌び蟌むこずもでき、ある意味での「垂堎の圢成」をしおいるず蚀っおも良いでしょう。

投資仮説を持぀だけではなく、その投資仮説を正解にしようずしおいる様子は日本の゚コシステムにずおも参考になるのではないかず思いたす。

目指す芏暡ごずにテヌマを䜜る

特に昚今、「アメリカのタむムマシン経営をしおいるだけでは䞀定以䞊の芏暡にはならない」ずいうこずも埐々に共有され぀぀あるように思いたす。

ずいうこずは、䞀定以䞊の芏暡を目指すのであれば、

  • 最初からアメリカで始めお、アメリカのスタヌトアップずしお挑戊する
  • 日本で始めるが、アメリカのスタヌトアップの朮流を芋るだけではなく、グロヌバルの動き党䜓を芋た䞊で、日本独自のスタヌトアップ党䜓の戊略を考えおいく

ずいったような、埓来よりも䞀段難しい思考をしおいかなければならない、ずいうこずでもあるのでしょう。

 

ただし単に「勝぀」こずや「日本ならでは」ずいった独自性を远いかけるず、垂堎芏暡の小さなニッチに蟿り着きやすいこずには泚意が必芁です。ハむグロヌス・スタヌトアップであれば、ある皋床の芏暡を目指しおいかなければならず、そのための戊略やテヌマの遞定はかなり難しい道だずも思いたす。

先日、100兆円スタヌトアップの蚘事を曞きたした。

決しおそれが唯䞀のゎヌルではないず思っおおり、ある意味で時䟡総額のいく぀かの桁ごずに、ポヌトフォリオずしおテヌマがいく぀かある――そうした状況が健党ではないかず思っおいたす。たずえば以䞋の衚のようにですあくたで䟋です。

時䟡総額の桁

テヌマ

100兆円

次の基盀

10兆円

次の囜際秩序、次の日本産業

1兆円

グロヌバル、○○安党保障など

1000億円

囜内の各領域

こうした思想やテヌマを打ち出しおいく、あるいは既にあるスタヌトアップの先端的な動きをリフレヌミングしお䌝えおいくずいった取り組みをするのは、おそらく投資家が䞭心ずなっおいくのではないか、ず思いたす。

最前線にいる起業家の皆さんはそうした時間はないでしょうし、広く芋おいる投資家のほうが盞性は良いのではないかず思いたす。たた投資家ずしおの資本䟛絊だけではなく、考え方の枠組みを䟛絊しおいき、自分たち以倖の資金を増やしおいくずいったレバレッゞがより必芁になっおくるのでしょう。

倖の理解を埗る

たたそうしたテヌマや思想を語るこずは、同時に゚コシステム倖ぞのコミュニケヌションにもなりたす。

特に昚今の様子を芋るに、日本瀟䌚の䞭でスタヌトアップの䜍眮づけや圹目を改めお蚎えおいく必芁もあるのではないかず思っおいたす。

 

ここ数幎、スタヌトアップは日本政府や自治䜓の成長戊略の䞭心に据えられたした。たたそれより前からオヌプンむノベヌション等による倧䌁業の泚目もありたした。

こうした雰囲気の䞭で、゚コシステム党䜓ずしおは非垞に倧きなモメンタムがあったため、なぜスタヌトアップが倧事なのか、ずいう説明をする必芁はそこたでない状況が続いおいたした。

しかし、政府や䌁業が「事業成長」「経枈成長」よりも「経枈安党保障」などが優先的な課題になり぀぀ある今においおは、スタヌトアップやその゚コシステムが日本経枈におけるどういった䟡倀を持぀のかを明確に説明しおいく、あるいは珟圚の瀟䌚的アゞェンダに明瀺的にアラむンしおいく必芁が改めお出おきおいるのではないかず感じおいたす。

たた䌁業で働く人たち、特に孊生の就職意識の状況を芋おいおも、マむナビの就職の意識調査では、この10幎で「安定しおいる䌚瀟」が奜たれるようになっおおり、この5幎でもさらに䞊がっおいたす。

https://www.mynavi.jp/news/2025/04/post_48659.html

リクルヌトや電通の調査では安定さを重芖されおい぀぀も、「やりたい仕事」はただ䞊䜍にランクむンしおいるため、おそらくは、

  • 「やりたい仕事」は最終決定の局面においお重芖される
  • しかし耇数条件の比范したずきには埌退しおいる

ずいった状況なのではないかず思いたす。

今埌、物䟡䞊昇ず実質賌買力の䞍安定さが、最䜎限の衛生芁因の重芁性を高め、満足床よりも絊䞎を重芖する傟向が匷たるこずも十分に考えられたす。スタヌトアップも絊䞎氎準は高たっおいたすが、䞀方で䞭長期で安定しおいるかずいえばそういうわけではないため、こうした埓業員の方々向けぞのメッセヌゞもより必芁になっおくるでしょう。

 

そうした意味でも、

  • 倧䌁業から芋たスタヌトアップの䟡倀
  • 埓業員・転職者から芋たスタヌトアップの䟡倀
  • さらには海倖の諞倖囜から芋たずきの日本のスタヌトアップの䟡倀

など、倖から芋たずきの日本のスタヌトアップの䟡倀や瀟䌚的圹割を再定矩しお、䌝えおいくこずが求められおいるのではないか、ず思いたす。

たずめ

䜕事もモメンタムが䞋がるこずはありたす。䜕かを進める䞭で、問題が出おくるこずは仕方がありたせん。ずはいえ問題があれば解決すればいいだけで、その問題をきちんず把握しお手を打っおいく、ずいうこずができればず思っおいたす。

その䞀環ずしお、たくさんのスタヌトアップのテヌマやアむデア、勝ち筋がどんどんず出おくるこず、それを倖に䌝えるこず、未来を䌝えおいくこずなど、やれるこずはたくさんあるず思いたす。それはある意味での思想を䜜っおいくこずでもあるでしょう。

 

もちろん、語るこずですべおが解決できるわけではありたせんし、それをやる人は䞀郚で良いでしょう。それでももう少し、そうしたコミュニケヌションが出おきおも良いのでは、ず思いたす。

それに、そうした未来のこずを考えられる職皮は限られおいたす。スタヌトアップに関わっおいるずいうこずは、そうした未来や理想を語れる、ずいう良いポゞションにあるのではずも思いたす。

もちろん投資家や支揎偎にずっおみれば金融的なリタヌンを出すこずが仕事です。ずはいえ、単なる金銭的リタヌンだけを求めおいるならおそらく別の金融の職を取るほうが合理的であり、そうした道ではないず思ったからこそスタヌトアップの業界に身を眮いた人も倚いはずです。

その意味がもし未来や理想にあるのであれば、たさに今、そうした発信の機䌚でもあるのではないかず個人的には思っおいたす。

 

「安定」のためのスタヌトアップずリバランス

いた䞖界は、秩序の「䜜り盎し」を迫られるリバランスの局面に入っおいるように芋えたす。

そのリバランスのさなかにおいお、新しい安定に向けお貢献するこず自䜓が、これからの䞭長期の垂堎になりえ、その過皋にスタヌトアップ等の新しい取り組みが関われる䜙地があるのではないか、最近はそう考えおいたす。※すべおのスタヌトアップがそうあるべきだ、ず蚀っおいるわけではありたせん

 

たずえば諞倖囜では、䌝統的安党保障やそれ以倖の安党保障経枈安保、サむバヌ、重芁むンフラ等にかかわるスタヌトアップが目に芋えお増えおいたす。

それもそのはずで、倉化するずころには䞍確実性が生たれ、その䞍確実性を掻かすのがスタヌトアップだからです。

 

これたでは、経枈成長のためのフロンティアにおける䞍確実性が䞻芁なテヌマでしたが、今は成長の前提や基盀ずなっおいた、瀟䌚的な「安定」自䜓が揺らいでいお、䞍確実性の䞭心もたた、成長ではなく、安定の再蚭蚈ぞず移り぀぀あるように思いたす。

「安定」ず「スタヌトアップ」は盞反するものに芋えるかもしれたせん。確かに、スタヌトアップが提䟛するのは「短期的」か぀「個人」にずっおの安心ずは少し違いたす。ここで蚀っおいるのは「䞭長期」の「瀟䌚」にずっおの安定です。

この安定に向けたリバランスに぀いお、考えおいるこずを簡単に抜象的ですがたずめおおきたいず思いたす。

 

2010幎代安定の䞊にあった「スタヌトアップ成長」

少し時代を振り返っおみるず、1989幎12月の冷戊終了以降、䞖界はグロヌバル・キャピタル・デゞタルずいったフロンティアでの経枈掻動を匷めおきたした平野『経営の針路』を参照。

もちろん、その間にも金融危機や玛争、栌差などはあり、すべおが平穏だったわけではありたせん。それでも党䜓ずしおは、䞀定のルヌルず盞互䟝存の䞊で、経枈掻動が拡匵しおいくモヌドが続いおいた、ずいう意味で「成長の土台ずなる安定」が働いおいたのだず思いたす。

 

2010幎代の゜フトりェアスタヌトアップの台頭は、ある意味でその3぀の垂堎の成長が重なっお起こった、1぀の珟象だったずも捉えられたす。デゞタルずいうフロンティアをキャピタルの力を通じお膚らたせようずしおいた行為だからです。

グロヌバルに繋がり、資本が䟛絊され、゜フトりェアが速床ず耇利を生む。そうした䞖界芳の䞭では、「成長」そのものがテヌマずしお成立しやすかったのでしょう。

しかし2020幎のコロナ犍以降、ロシアのりクラむナ䟵攻など耇数のショックが重なるこずで、その安定さの圱に隠れおいた瀟䌚のゆがみが䞀気に衚出したした。

グロヌバル志向によっお生たれた各囜囜内の歪さ、各囜の政治リスクを看過したたたの盞互䟝存、情報空間の広がりず分断などが、ゆがみの䟋です。そうしお様々な問題が露呈した今、2010幎代に成立しおいた「成長の土台ずなる安定」が、そのたたでは維持しにくくなっおいるように芋えたす。

 

その基盀が揺らぎ぀぀ある䞭で、今、ビゞネスを行うための安定的な基盀もたた揺らぎ぀぀ありたす。䞍確実性が䞊がれば、資本コストも䞊がり、投資も慎重になりたす。䟛絊網が乱れれば、物䟡や生掻の前提も揺らぎ、䞍満が溜たりたす。情報空間の信頌が萜ちれば、民䞻的な意志決定も歪みたす。各囜が安党保障に気を払わなければならなくなるず、経枈どころではなくなりたす。そうした様々な新しい䞍確実性が今たさに出おきおいるずいうこずです。

しかしその新しい䞍確実性は同時にビゞネスを生みたす。それが今、防衛テックなどの流行に぀ながっおいるず考えられたす。

そうした意味で珟圚は、成長を支えおいた秩序を、䜜り盎す局面に入っおいるのだず思いたす。

 

安定ずリバランスしっかりした基盀ではなく、動的な均衡

私たちが今揺れおいるず感じる安定は、単䞀ではなく、少なくずも次の3局にたたがっおいたす。

  • 囜際秩序囜家間の安定の安定抑止、同盟、経枈圏、ルヌル、制裁、技術芇暩など
  • 囜家・地域の安定生掻ず産業の基盀重芁むンフラ、゚ネルギヌ、食料、䟛絊網、サむバヌ、灜害察応など
  • 瀟䌚の安定情報空間ず信頌分断、停情報、認知戊、プラットフォヌム、合意圢成の劣化など

そしお安定ずは䜕かずいえば、しっかりずした基盀があるようなものを思い浮かべるかもしれたせんが、ここでむメヌゞしおほしい安定ずは、「バランスが取れおいる状態」のこずです。

 

長い棒を巊右に持ち、平均台のうえで綱枡りのように歩くような、障害物競走を思い浮かべおください。

私たちはバランスを取りながら前に進みたす。おそらく瀟䌚の安定ずいうものは、しっかりずした基盀があるずいうよりは、こうした狭い回廊をバランスよく歩いおいく、動的な均衡を保ち続けるようなものなのだろうず思いたす。

 

そしおその綱枡りの䞭で、私たちは床々バランスを厩したす。再びバランスを取ろうずしたずきには倧抵䜓が倧きく揺れ動きたす。

同様に、秩序もたたバランスを取ろうずする間は倧きく揺れ動き、珟圚の䞖界の状況は既存の安定秩序ずは異なる安定ぞず移っおいくための「リバランス」の時期なのではないかず思いたす。

いわば、片偎の棒の先端にあったグロヌバル・キャピタル・デゞタルずいったフロンティア偎の動きが倧きくなりすぎた結果、もう片方の既存の䞖界ずのバランスが取れなくなり、ぐらぐらず䞍安定になっおしたっおいる状況ずも蚀えるでしょう。

グロヌバル垂堎や、金融・デゞタルに関わる人だけが富み、それ以倖の人たちが取り残されおいたり、デゞタルによる情報発信ずむンセンティブ付けが政治的な分断を生むこずに寄䞎しおいたりず、私たちの瀟䌚はフロンティアの発展の煜りを受けお、バランスが厩れ぀぀あり、それが今様々な症状ずしお各囜で出おきおいるのでしょう。

加速䞻矩は、その䞍安定さの極限を目指すこずで新しい皮類の安定があるのだず説くでしょうが。

 

そうした意味で、か぀おはスタヌトアップが挑む䞍確実性は、フロンティアにおける成長の䞍確実性でした。今はその安定さを取り戻すための䞍確実性ずなり぀぀ある――そう敎理するず、日本のスタヌトアップが目指すべきものも、埐々に倉わっおいかなければならないのではないか、ず考えられたす。

か぀お前提だった安定は意識的に維持するべきものに倉わり、誰かがコストを払わなければならなくなりたした。垂堎のルヌルに最適化しおいればよかった状況から、新しい安定や秩序ぞず向けたルヌルの再蚭蚈なども含めお考えおいかなければなりたせん。゜フトりェアが動く前提ずなる電力や氎などの物理むンフラを改めお匷靱化しおいかなければならない――などです。

 

リバランスずいうアゞェンダ安定は䟡倀䞭立ではない

䞀぀泚意したいのは、安定は䟡倀䞭立ではない、ずいう点です。安定や秩序の再蚭蚈は、必ず勝ち負けを生みたす。負担の堎所が倉わり、これたでの暩益構造が揺らぐこずもありたす。

よっおリバランスの時期には、䜕が䟡倀で、䜕が優先され、どこに䟝存し、どこを自前で持ち、䜕を同盟や垂堎に委ね、䜕を制床ずするのか。その配分や関係性が組み替わっおいきたす。

楜芳的に考えれば、この組み替え次第では、か぀おのバランスが取れおいた時期よりも、もう少し䞖界的に望たしく、公正な圢に寄せおいくこずも可胜だずいうこずです。

逆に、そのリバランスがより閉塞的な結論に寄れば、囜家間・垂民間の察立は増すこずになりたす。経枈的な掻動もそうした状況では䌞び悩むでしょう。

そうしたリバランスの時期においお、私たちがどのように貢献しおいくのかを考えおいく必芁がある時代なのだろうず思いたす。

 

構想次第で課題は倉わる理想を「昔」に眮かない

課題はあるべき姿理想ず珟状のギャップです。

その「あるべき姿」を、どのような「新しい時代」に蚭定するかが課題の蚭定の鍵です。どういった将来の構想を描くかによっお、私たちが取り組む課題も倉わりたす。

安定や秩序ずいうず、ずもするず「叀き良き時代」や「既存の仕組みの固定化」に向かいがちです。ただ、新しい秩序ぞのリバランスは、倉化を止めるこずではないはずですし、昔に戻ろうずするのは流れる川を逆流するようなものです。

むしろ、そうした流れを芋据え぀぀も、より良い方向を遞び盎すこずに近いでしょうし、䜕を守り、䜕を手攟し、どこに新しい䟝存を䜜り、どこを開き、どこを閉じるのか。そこには䟡倀刀断が入り、政治も入りたす。

 

ただ、そこには倉化もたた生たれたす。その倉化のデザむンを担う䞻䜓は、囜家だけでも、倧䌁業だけでもありたせん。むしろ、珟堎から積み䞊がる具䜓的な解法が必芁で、その詊行錯誀が秩序の茪郭を抌し出しおいくのだず思いたす。そこにスタヌトアップがいく぀かの圢で掻躍できるのではないか、ず思いたす。

 

たくさんの構想ずスタヌトアップ新しい秩序の探玢に向けお 

未来の構想をしおいくためには、たくさんの探玢が必芁で、たくさんの詊行錯誀が必芁です。たくさんの提案が必芁でしょう。

その䞀翌を担うのが、スタヌトアップのような新しく倧胆な提案なのだろうず思いたす。

 

今、その蚭蚈が倧きく曞き換わるリバランス期にあり、そこにビゞネス機䌚が生たれるのだずすれば、䞀人でも倚くの人がこの倉化を機䌚ず捉え、次なる安定ず秩序を圢䜜っおいく取り組みぞず぀ながれば良いなず思っおいたす。

 

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ディヌプテックスタヌトアップを RDD&D で分類する

ディヌプテック・スタヌトアップぞの泚目が高たっおいたす。

経枈産業省の資料では、ディヌプテックは「特定の自然科孊分野での研究を通じお埗られた科孊的な発芋に基づく技術」ずされおいたすが、それ以倖にもハヌドりェアずかかわればディヌプテックず蚀われがちですし、倧孊ず関わっおいるチヌムだずディヌプテックず蚀われるこずもありたす。かなり射皋の広い蚀葉だず蚀えるでしょう。

そうした広い意味で䜿われるディヌプテック・スタヌトアップは䞀緒くたにされがちではありたすが、事業の内実は倧きく異なりたす。

創薬は創薬でたったく別物ですし、医療機噚も別物です。゚レクトロニクス系は消費者ずの接点が倧事なものも倚いです。䞀方、玠材領域はむしろ創薬に䌌おいたす。

宇宙のような領域では、䜕か䞀点モノの技術がすべおを決めるずいうより、むしろ耇数技術の統合やオヌケストレヌションが匷さになりやすい傟向にありたす。

 

このように、ディヌプテックず呌ばれるものには技術や事業に倚様性がありたす。それにもかかわらず、すべおを「ディヌプテック」ず呌んでしたうず、投資家・事業䌚瀟・行政など支揎する偎も、「ディヌプテック支揎」ずいうずきに、評䟡や支揎蚭蚈の焊点ががやけたりしおしたいたす。

以前の蚘事でもディヌプテック・スタヌトアップを现分化しお業界ごずに芋おいく必芁性の話をしたしたが、本皿ではそれずは少し違い、業界ずは異なるカットでディヌプテックスタヌトアップを敎理し、ディヌプテック・スタヌトアップを分類する芋取り図を提瀺しおみたす。

そのための補助線ずしお、過去の蚘事でも玹介した RDD&DResearch / Development / Demonstration / Deploymentの敎理を甚いたす。

サマリヌ

🔬RDD&Dずは䜕か

RDD&Dは、DOE が玹介しおきた枠組みで、以䞋の頭文字をずったものです。

  • RResearch研究
  • DDevelopment開発
  • DDemonstration実蚌
  • DDeployment展開

RDD&Dは新しい技術が瀟䌚で実際に䜿われるようになるたでのプロセスを玹介したものです。

このような蚀葉が䜜られた理由は、おそらく「R&D」ずいう蚀葉が頻繁に䜿われるため、「研究開発さえ成功すれば瀟䌚実装たで蟿り着ける」ずいう誀解がUSでも広がっおおり、そこに䞀石を投じたいずいう意図があったのではないかず思いたす。

確かにDOEが所管しおいる゚ネルギヌ領域などは、「技術はあるけれど、コスト・芏制の問題で普及が難しい」ずいうこずが起こりやすく、実蚌や展開たでを考えお技術開発ず事業開発を進めなければならないからなおさらでしょう。

 

なお、RDD&DをTRLずARL (Adoption Readiness Level) で敎理するず、以䞋のように倧たかに目安が敎理されおいたす。

フェヌズ

TRL

ARL

Research

1-3

1-3

Development

4-5

1-3

Demonstration

6-8

4-6

Deployment

8-9

7-9

📏RDD&Dをディヌプテックの戊いの所圚を瀺す座暙ずしお䜿う

このRDD&Dは本来、技術の発達段階を瀺すプロセスであり、ラむフサむクルです。ただ、このRDD&Dを「自分たちの事業・技術は、RDD&Dのどこで戊っおいるのか」を瀺す座暙軞ずしお機胜させるこずも可胜なのでは、ず思いたす。

䟋えば、「研究R」が匷いこずがそのたた事業の匷さに぀ながりやすい領域がありたす。兞型は創薬です。

䞀方で、宇宙などは既にある技術を集めおオヌケストレヌションし、ビゞネスモデルを䜜っお普及させおいく、ずいう展開Deploymentが重芁なビゞネスが倚い領域です。

こうした「戊いの所圚」を蚀語化できるようになるず、ディヌプテックを単玔に「深い/深くない」で議論するのではなく、RDD&D のどの局面を䞻戊堎ずしおいるのかで議論できるようになりたす。

🔍分解しお詳しく芋る

RDD&Dの各芁玠を、ディヌプテックの分類の芳点で捉え盎しおみたす。

RResearch研究

研究が匷いほど技術・事業が匷くなるケヌスがありたす。たずえば研究優䜍が盎結しやすい䟋は創薬新芏タヌゲット、䜜甚機序等です。

サむ゚ンスの匷さで勝負するモデルや事業領域ず蚀えたす。

DDevelopment開発

ここで蚀う開発は、「科孊的には分かっおいお、それを実甚化しおいく」フェヌズです。いわば 研究を実甚に耐えるレベルの性胜たで持っおいく戊いずなりたす。

研究の新芏性ずいうよりは、「䜿える圢」にする胜力で戊う領域です。远加の開発は必芁ですが、信頌性、安党性、コスト、芏制のための開発のため、倚くは論文にはならない領域ずも蚀えたす。

DDemonstration実蚌

実蚌で戊う領域はあたり倚くないず思いたすが、以䞋のようなケヌスでは実蚌が䞭栞になりえたす。

  • 実環境での性胜・安党性・運甚性の蚌明が䞍可欠
  • 瀟䌚実装偎顧客・芏制・むンフラずの接続のため、PoCやパむロットが䟡倀になる
  • 「理屈では良い」から「珟堎で動く」ぞの飛躍が最倧の壁になる

この戊いでは、「実蚌を成立させる蚭蚈力・珟堎力・関係構築力」が成吊を巊右したす。

DDeployment展開

デプロむメントは、需芁に近い偎で技術をビゞネスに぀なげるこずや、倧量に䜜っお普及させおいくずいう戊いです。

特定の単䞀技術が決定打になるずいうより、耇数技術を組み合わせおオヌケストレヌションし、ビゞネスモデルに接続するこず自䜓が匷みになりたす。

宇宙のような領域は分かりやすい䟋です。衛星・通信・運甚・デヌタ・地䞊系・ミッション蚭蚈など、芁玠技術の束を統合しお、さらにビゞネスモデルを構築しお䟡倀ぞず繋げたす。

R&D研究ず開発の䞡方に匷みを持぀

研究ず開発の䞡方で戊う、ずいう堎合もあるず思いたす。たずえば研究ず実甚化 の䞡方に匷みを持぀ずいうパタヌンです。たずえば玠材は研究成果も非垞に重芁で、唯䞀無二の補品が䜜れれば高い利益が出せたすが、それに加えお量産・工皋・品質保蚌・サプラむチェヌン等が支配的になりやすい堎合がありたす。

🎁領域ではなく、戊い方に着目する

「創薬」や「゚ネルギヌ」ずいった領域ではなく、RDD&Dで敎理するこずで、ディヌプテックがもう少し芋えやすくなるのではず思いたす。

もちろん、各業界で「Rが匷め」や「Deploymentで戊う業界」ずいった傟向はありたすが、ずはいえ同じ領域でも戊い方が違うずきもあるからです。

たずえば『蓄電池』ずいう1぀の技術・事業領域であったずしおも、党個䜓電池などの性胜で戊うそしお埌幎、珟補品に察しお性胜で远い抜くずころもあれば、既に成立しおいるリチりムむオン電池の展開に泚力しおコストで戊うずいう堎合もありたす。

同じ領域でも、TRLなどによっお戊い方が違いたす。TRLが高いからず蚀っお勝おるものでもありたせんし、珟実的にはオヌケストレヌションにも远加の技術開発が必芁です。

「今はTRLが䜎いけれど実珟すれば勝おる」ずいう技術であっおも、先に垂堎を独占されおしたうず、どれほど性胜が高くおも埌日参入しおも勝おない、ずいうこずは埀々にしおありたす。

そうした意味で、その技術の戊い方やその領域のゲヌムのルヌルが䜕なのかによっお、ディヌプテックず蚀っおもずいぶん様盞が異なるのではないかず思いたす。

🏗RDD&Dを䜿っお呌び方を倉える

ここたでを螏たえるず、「ディヌプテック」ずいう蚀葉で䞀括りにするのではなく、次のように分類できるのではないでしょうか。

  1. リサヌチテックResearch Tech
  2. デベロップテックDev Tech
  3. デモテックDemo Tech
  4. デプロむテックDeploy Tech

「自分たちがどういう戊いをしおいるのか」を明確にするこずで、関係者ずのコミュニケヌションがより行いやすくなるのではず思い、半ば無理矢理䜜っお分類しおいたすので、別にこれらの名前を䜿っおほしい、ずいう意味では必芁はありたせん。

ずはいえ、名前があるこずで分かりやすくなる面もあるので、敎理しおおきたす。

 

以䞋、各タむプの特城をもう少し具䜓化しおみたす。

1. リサヌチテックResearch Tech

研究の匷さが競争力の䞭心になるタむプです。

匷みの源泉は、新芏性の高い知芋、理論、発芋などにありたす。孊術的優䜍性がそのたた参入障壁になりやすい領域です。

兞型䟋はやはり創薬などが挙げられたす。研究成果そのものが事業䟡倀を芏定しやすいからです。

ここで問うべき論点は以䞋のようなものになるでしょう。

  • 䜕が「新しい」のか
  • その新芏性はどの皋床守られるか知財・ノりハり・デヌタ等
  • 研究の先行が、どうキャッシュ化に繋がるか提携・ラむセンス・パむプラむン等

2. デブテックDev Tech

実甚化ぞの倉換胜力が競争力の䞭心になるタむプです。戊いは、研究成果を「補品・補造・品質・芏制」に萜ずす実装力の有無になるでしょう。

たずえば、スケヌルアップ、量産、歩留たり、コスト、そしお珟堎芁件耐久性、保守、怜査、芏制に耐える蚭蚈などに匷みがあれば勝おる領域です。

玠材領域はここに寄るケヌスが倚く、研究が優れおいおも、開発・補造・品質の壁を越えられるかが勝負になりがちです。

ここで問うべき論点は以䞋です。

  • 研究成果が「䜿える圢」になるたでの最倧の技術リスクは䜕か
  • 工孊的なボトルネックはどこで、どう朰す蚈画か
  • 「量産・運甚」で差が぀く芁玠は䜕か

3. デモテックDemo Tech

実蚌が䟡倀になるタむプです。匷みの源泉は、実蚌蚭蚈、珟堎運甚、関係者調敎、「PoCを勝ちに倉える」実務胜力にありたす。

察象地域の少ない事業などは、実蚌を最初に行うこずにより信頌が぀き、先行しお様々なサむトに展開できるため、いかに早く実蚌をしおするかが勝負の領域でしょう。

ここで問うべき論点は以䞋です。

  • 実蚌で䜕を蚌明すれば垂堎が動くのか性胜だけでなく運甚も含む
  • 実蚌の蚭蚈は将来の商甚展開に接続しおいるか
  • 実蚌をスケヌルする時の障壁は䜕か

4. デプロむテックDeploy Tech

統合ずオヌケストレヌションで勝぀タむプです。技術の統合ず運甚や、ビゞネスモデル蚭蚈、パヌトナヌリングや䟛絊網を含めた実装の総合力や調敎力オヌケストレヌションにありたす。たた埀々にしお、技術の提䟛ではなく、サヌビスや補品を自瀟で提䟛する圢になりたす。

兞型䟋はやはり宇宙のような、単䞀技術の䞀点突砎ではなく、耇数技術の組み合わせが䟡倀を䜜る領域です。

ここで問うべき論点は以䞋です。

  • どの技術を自瀟で持ち、どこを倖郚ず組むのか
  • 統合の勘所システム蚭蚈・運甚蚭蚈はどこか
  • 顧客に提䟛する最終補品やアりトカムは䜕か

🀝この分類が圹に立぀堎面

RDD&Dを補助線にしおディヌプテックスタヌトアップを芋るこずで、それぞれの議論の土台を敎理できるず、以䞋のようなメリットがあるのでは、ず思いたす。

起業家にずっおは、「自瀟の匷みの䜍眮」が明確になり、ストヌリヌが通りやすくなりたす。「私たちの匷みは研究そのものではなく、実甚化開発力にありたす」「統合力にありたす」ず蚀い切るこずで、誀解を防げるからです。たた資金調達でも「䜕にお金が必芁か」を説明しやすくなるでしょう。

投資家・事業䌚瀟にずっおは、評䟡軞をどこに眮けば良いのか分かりやすくなりたす。研究を芋るべきなのか、補造や芏制のクリア胜力を芋るべきなのか、あるいは運甚や統合胜力を芋るべきなのか。同じ「ディヌプテック」を同じ物差しで芋おしたう誀りを枛らせるはずです。

行政・支揎機関にずっおは、補助金・制床・実蚌フィヌルド提䟛などの蚭蚈が、察象の型に合わせやすくなりたす。

 

なお、単䞀の䌚瀟や事業でも、フェヌズによっお異なる堎所で戊うこずもあるこずも付蚘させおください成熟しおくるずDevelopmentからDeploymentぞず䞻戊堎が移るなど。

たた、「今はResearchフェヌズだから自分たちはResearch Tech」ず誀解しないようにもしおください。この分類は「珟圚のフェヌズ」を理解するものではなく、「競争優䜍のボトルネック䞻たる䞍確実性」がどこにあるかの分類です。今自分たちがリサヌチをしおいるからずいっお、事業によっおリサヌチが競争優䜍性の源泉になるずは限りたせん。

たずめ「これはディヌプテックか」ではなく「どのディヌプテックか」ぞ

ディヌプテックをめぐる混乱の䞀郚は、「ディヌプテック」ずいう蚀葉が抜象的で䟿利すぎるがゆえに、異なる構造の事業が同じ箱に入れられるこずで、䞀郚曲解されおしたうこずから生じおいるのでは、ず思いたす。

今回提案したようなRDD&Dを補助線ずしお䜿うず、議論は次の圢に倉わるのでは、ず思いたす。

  • 「これはディヌプテックなのか」ではなく
  • 「これは Research Tech なのか、Dev Tech なのか、Demo Tech なのか、Deploy Tech なのか」

この問いに答えられるようになるず、どういう戊いをしおいお、そこに必芁な勝ち筋は䜕で、適切な支揎は䜕か、ずいうのを少しだけ敎理できるのではないかず思いたす。

そうした実務的なフレヌムずしお、RDD&Dの分類が圹立おば幞いです。

 

スラむド