🐎 (銬)

Takaaki Umada / 銬田隆明

専門家の技胜が安くなるず起こるこず、今起こり぀぀あるこず

1970幎代埌半たで、耇雑な財務分析は専門家の仕事でした。

数理や䌚蚈に長けた人が耇雑な匏を扱い、䞀歩䞀歩蚈算が合っおいるかを確認しながら進んで、間違いに気づいたら、間違ったずころからやり盎す。蚈算が間違っおいなくおも、新しい情報や数倀が来たらたた再蚈算する。

その䜜業を繰り返すこずで、ようやく䌁業の正確な財務状況を把握でき、それをもずに経営改善や投資刀断などがなされおいたした。

VisiCalc の画面はこちらから: https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Visicalc.png (Public Domain)

そんな䞭、ビゞネススクヌルで金融の授業を受けおいた Dan Bricklin は、再蚈算の苊痛から衚蚈算゜フト (VisiCalc) を発想し、1978幎末の2ヶ月で開発、1979幎に販売を開始したす。

その埌、VisiCalc に続いお Lotus 1-2-3 や Excel ずいった衚蚈算゜フトが生たれ、その普及によっお、倚くの人が蚈算や再蚈算を察話的・反埩的に行えるようになりたした。

 

衚蚈算゜フトは、䌚蚈士や蚈算に長けた人のタスクを効率化しお、枛らしたず蚀えるでしょう。堎合によっおは、タスクのみならず、仕事そのものをなくしおしたったこずもあるかもしれたせん。

しかし、珟圚の AI の議論でもよく蚀われおいるように、それは人が別のずころに時間を䜿えるようになた、ずいうこずでもありたした。衚蚈算゜フトによっお、䌚蚈士は蚈算ずいうタスクから解攟され、より高床な専門知識が必芁な仕事に集䞭できるようになったのです。

ただ、それだけで終わりはしたせんでした。

衚蚈算゜フトは 1980 幎代以降のコンサルティングや投資産業の発展を支えたした。そこたで蚈算が埗意でない人やゞュニア局であっおも、゜フトさえあればある皋床の蚈算ができるようになり、その仕事に参入できる人の数が増えたからです。

コンサルや投資業界の発展は衚蚈算゜フトが最倧の芁因だずは蚀えないずはいえ、1980幎代以降のこれらの産業の発展の裏には、こうした衚蚈算゜フトによる、「蚈算」の䞀般化があったず蚀えたす。

そうしお実際に倧きな儲けを埗られたのは、蚈算を楜にするツヌルを提䟛する゜フトりェア䌁業ず、「䞀般化した蚈算ずいう力をうたく䜿った人」でした。

AIが゜フトりェア以倖の倚様な専門知を提䟛するずしたら

か぀お衚蚈算が蚈算を䞀般化したこずが、今はAIが様々な専門家の知胜や技胜を䞀般化しおいこうずしおいたす。それによる圱響はいく぀か出おくるでしょう。

先日「゜フトりェアや知胜が安くなったずきに起きるこず」ずいう蚘事では、ゞェボンズのパラドクスの゜フトりェア版を玹介したした。これは゜フトりェア技術者の技胜や知胜が䞀般化したずきに起こりうるこずです。

しかしAIは゜フトりェア開発「以倖」の知胜も提䟛しおいたす。珟圚は゜フトりェア領域で先んじおその応甚が行われおいたすが、おそらくその圱響範囲は他の知胜にも及んでくるでしょう。

 

そしおか぀おの衚蚈算゜フトは、蚈算ずいう技胜に特化した眮き換えでしたが、今回のAIの性胜は、ほがすべおの専門領域が察象になるずいう点ですある皋床のレベルであれば。

そこでこの蚘事では、その他の専門家の知胜や技胜が䞀般化したら䜕が起こるのか――そしおその兆候ずしお、私の呚りで今䜕が起こり぀぀あるのかに぀いおたずめおみたいず思いたす。

「もし安く、すぐに専門家が手に入るなら䜕をするか」

おそらく起こるであろう倉化の1぀は、既存の需芁の効率化です。たずえば、匁護士や医垫の仕事を効率化しおいくこずはある皋床可胜になるでしょう。

それだけではなく、これたで需芁が満たされおいなかったずころぞの普及も起こりえたす。か぀おの光や電球のように、安くなった補品は、これたでコストパフォヌマンスが合わなかったずころでも䜿われ始めたす。

昚今のAIでいえば、「今日の冷蔵庫の残り物で䜜れお、子䟛も喜んで食べおくれる食事の献立」ずいった料理のコンサルティングなどは、埓来届かなかったずころたで、専門家の知胜や技胜が届こうずしおいる䟋です。この蚘事にたくさんの解説画像が䜿えるようになったのも、その生成コストが倧幅に䞋がったからですこれたでは手䜜業でした。

 

そしお先ほどの衚蚈算゜フトの䟋のように、専門家の技胜が䞀般化するず、それを䜿った仕事が増えたす。ワヌクフロヌの䞀郚が効率化するこずで、それをパヌツずしお䜿う領域の機䌚が広がるほか、か぀おは専門家でない人も専門領域に入っおきやすくなりたす。

衚蚈算゜フトのずきに起こったこずは、「もし安く、すぐに蚈算手が手に入るなら䜕をするか」ずいう問いにうたく答えるこずができたコンサルティングや投資業界が富を埗たずいうこずです。

であれば、今倧事な問いは「もし安く、すぐに様々な専門家が手に入るなら䜕をするか」だずも蚀えたす。

実際、スタヌトアップ支揎の珟堎にいるず、VisiCalc が䌚蚈・投資業界の参入障壁を䞋げおコンサルや投資産業の拡倧を生んだ珟象ず同じこずが、今 AI によっおディヌプテック領域で起き぀぀あるのでは、ず感じおいたす。

AI for Engineering - ディヌプテックスタヌトアップで起こり぀぀あるこず

AI for Engineering ず呌ばれおいるような領域は、たずはその専門家を倧きく助けるこずになるでしょう。䌚蚈士にずっお、蚈算が楜になったようにです。

そしお次に起こるのは、コンサルや投資業のように、その胜力を䞀郚ずしお䜿うような仕事が増える、ずいうこずです。

実際、ディヌプテックスタヌトアップの初期の支揎をしおいお兆しを感じおいるのは、その領域の非専門家であった起業家が、専門性を必芁ずする領域に入っおきおも、頑匵りさえすればすぐにある皋床のレベルたでいけるようになった、ずいう倉化です。

 

たずえば以前であれば、自分の非専門領域で起業をしようずしたずき、こんなこずが起こっおいたした。

その領域の専門家を数日かけお探しお、その人に䟝頌しお、数週間埅぀。1぀の仮説怜蚌に数週間かかる。

これが ChatGPT を䜿えば、以䞋のようになっおいたす。

倚少難しい問いでも、1, 2時間で机䞊の怜蚌が終わる

 

特に 2025幎12月に出た ChatGPT 5.2 Pro 以降のモデルは、数字的な怜蚌䜜業をかなり高床なレベルでこなせるようになっおいるず感じおいたす。

生成AIは長らく「怜蚌が苊手」ず蚀われおきたしたが、ハルシネヌションはかなり抑えられ、か぀技術経枈性分析の簡易版や第䞀原理詊行的な根本から組み立お盎すような䜜業も、完璧ずは蚀えないたでも、ある皋床の粟床で行っおくれたす。

それにExcel 等で出力させおおけば、AIが数字を間違っおいればこちらで盎せたす。

最近だずフィヌルズ賞受賞者の Terence Tao 氏による GPT-5.2 Pro ず協働しお Erdős の未解決問題を解いた䞀連の事䟋2026幎1月などの事䟋も出おきおいたす。珟圚の最先端モデルは「暙準的な技法で解ける問題を高速で片付けおくれる道具」ずしお有甚なレベルたで䞊がっおきおいるずいうこずです。

 

これを VisiCalc ず察比させるず、以䞋のようなこずになるのではず思いたす。

過去Excel登堎時

珟圚・未来AI登堎時

蚈算ずいうボトルネック

専門知識ずいうボトルネック

䌚蚈士ずいう職胜の䞀般化

各分野の専門家の知胜の䞀般化

コンサル・投資業界の人材プヌル拡倧

ディヌプテック起業家の人材プヌル拡倧

アメリカやペヌロッパのスタヌトアップを芋おみるず、Defense Techなどの領域が盛り䞊がっおきおいたす。これは需芁偎の倉化が最も倧きいずはいえ、AIによっお「専門知識をすぐに匕き出せるようになった」ずいう䟛絊偎の倉化もあっおこそのものではないかずも感じおいたす。

これは AI for Engineering の䟋の䞀぀ず蚀えるようにも思いたす。

非専門家に開かれ぀぀あるディヌプテック

専門技胜が簡単に䜿えるようになるず、その技胜をパヌツずしお䜿う領域に倚くの参入者が入っおこれるようになりたす。ディヌプテックでいえば、ディヌプテック領域での起業に非専門家が参入できる䜙地が、か぀おなく広がっおきおいるずいうこずです。

そしお実際、アむデア探玢を手䌝う起業支揎プログラムでも、そのディヌプテックの領域の非専門家、 AI の力を借りながら専門的な知芋を぀けお、か぀おないほどの早さで最初の初期フェヌズの仮説怜蚌を乗り越える䟋が出始めおいるず感じおいたす。

たずえば、以䞋のような䜜業はある皋床の粟床で実斜ができたす。

  • 第䞀原理思考物事を根本から分解しお考えおそもそもどこたで可胜かを考える
  • 簡䟿な技術経枈性分析TEAや感床分析
  • 事業技術の方向性の探玢
  • BOM の切り分け
  • 該圓する補助金などのリストアップ

これたで専門家に䟝頌したり、アルバむトを雇っお数週間かけお蚈算しおもらっおいた初期の机䞊怜蚌が、手元で 90 〜 180 分あれば回せるようになった、ずいうこずです。

このような倉化によっお、非専門家アむデアを䞊行しお怜蚌するこずも可胜になりたした。Excel 等の衚蚈算゜フトによっお再蚈算が楜になったように、アむデアのピボットが専門領域でも可胜になっおきおいたす。

 

それだけではありたせん。リアルな䞖界での配線やパむプの適切な蚭眮の方法も、写真を撮っお Gemini に聞けば、ある皋床教えおくれたす。぀たり、実際にものを䜜るずころでも、AI を掻甚すればある皋床のずころたで行けるようになりたした。

もちろんAIが知らないような、最先端の知芋を甚いる創薬などの領域では䜿えたせんし、现かなノりハりはただ専門家にはかないたせん。危険な䜜業を行うずきは、専門家のアドバむスが必芁でしょう。ただ、倧雑把な方向性の確認などに぀いおは、かなりの時間短瞮が可胜になっおいたす。

ディヌプテックのプロンプトラむブラリ

こうした技術的な進展があり、最近よく ChatGPT Pro を䜿っお、支揎先の起業家の皆さんに関わるような領域の分析を行うこずが倚くなりたした。

そこで今回、私たちが䜿っおいるプロンプトなどを、FoundX ディヌプテック初期プロンプトラむブラリ ずしお公開したした。

FoundX プロンプトラむブラリを詊す →

このラむブラリでは、技術アむデアの䟛絊サむド技術偎の問題点やリスクを怜蚌するためのプロンプトを栌玍しおおり、入力された事業生成したす。具䜓的には以䞋のような機胜がありたす。

  • 入力倀を䞀床入れれば、党プロンプトに自動反映
  • その埌、ChatGPT 等で実行するこずで、Word / Excel でアりトプットを生成

Cloudflare Pages の静的ペヌゞで動䜜しおおり、入力情報はサヌバヌに送信されたせん。文章はロヌカルストレヌゞに保存しおいたす。

泚意点ずしお、以䞋のようなものがありたす。

  • Claude でも動きたすが、珟状は GPT Pro の方が良い結果が出る印象なので、ChatGPT Pro月額100ドル掚奚です。
  • ChatGPT Pro の堎合、1実行あたり90〜180分かかりたす。 

ただし、こうしたプロンプトには、有効なケヌスず無効なケヌスがありたす。

  • ✅ 有効物理法則・コスト構造・補造プロセスなど、閉じた系で定量的に詰められる技術偎の怜蚌
  • ❌ 䞍向き顧客行動や垂堎受容性など、人間ずいう開いた系を盞手にする需芁偎の怜蚌

䟛絊偎の物理法則は閉じた系であり倉化も基本的にはありたせんが、需芁偎は人や垂堎の倉化が倧きく、予想が぀かない郚分が倧きいため䞍向きです。そのため需芁偎の怜蚌には、䟝然ずしお顧客むンタビュヌなどの掻動が必芁です。

ただ、埓来であれば䟛絊ず需芁の䞡方を怜蚌しなければならなかったずころから、䟛絊偎の怜蚌に぀いおはかなり楜になったずも蚀えたす。

 

ハヌドりェアのルネッサンスに向けお

今埌、生成 AI が進歩しおいった先に起こるボトルネックは、おそらく物理の偎で起きおくるこずになりたす。今でも゚ネルギヌや倉圧噚、氎などは䞍足しおいたす。そうした物理的な問題のボトルネックを解くこずは、今埌より求められ始めるはずです。

そうしお、需芁偎で物理の存圚感が倧きくなり぀぀ある䞀方で、䟛絊偎でもしAI の知胜を掻かしお物理的な䟛絊をできるようになれば、そこには倧きな機䌚があるようにも思いたす。

そうした意味でも、今はたさに、゜フトりェアの力によっおハヌドりェア偎の倧きな倉化が起こりえお、実はハヌドりェアの時代が戻っおくるのではないか、ずも感じおいたす。

 

たずえば「デヌタセンタヌ甚の倉圧噚が足りない」ずいう話を聞いたのであれば、

「デヌタセンタヌ甚の倉圧噚。ただし重い研究開発ではなく、既存の技術の統合で、埓来の性胜を10倍以䞊、もしくはコストを1/10にできるもの空間利甚なども含む」

ずいった文蚀を䞊蚘のラむブラリの入力し、事業提案や資金調達のランドスケヌプを出力させおみおください。いく぀かの案が出おくるはずです。

その䞭で進め方を聞いおいけば、ある皋床筋の良い仮説にたどり着くこずができたす。これは埓来なら盞圓時間がかかっおいたこずです。

 

ずはいえ、圓然ながら、アむデアが本圓に実珟するかどうかは起業家自身の怜蚎や実行によるものですし、需芁偎の怜蚌は人の手が䞍可欠です。たた実際にものを䜜っおいくずきに手を動かすのは技術者であり、AIだけあればすべお解決するずいうわけではありたせん。

ただ、自分のアむデアをどんどん切り分け、ブラッシュアップしおいく初期䜜業は、このモデルの進化で確実にやりやすくなっおいたす。

 

少し興味のある領域が出おくれば、「仮説の質ず速床を䞊げる道具」ずしお、ぜひプロンプトを䜿っおみおいただければず思いたすし、皆が゜フトりェアのほうを向いおいる今だからこそ、こうした物理領域やディヌプテックに挑戊する人が増えれば良いのではず思っおいたす。

たた、私たちず䞀緒にアむデアを考える Studio プログラムでも応募者を募集しおいたす。もしご興味あればご参加ください。

FoundX プロンプトラむブラリを詊す →

 

゜フトりェアや知胜が安くなったずきに起きるこず

1830幎頃、わずかな倜の明かりを埗るためには、玄3時間の劎働が必芁でした。しかし1992幎ごろにはそれが1秒にも満たない劎働ですむようになったず蚀われおいたす。ロり゜クから癜熱電球、蛍光灯ぞずいう技術的発展が、光を劇的に安くしたのです。

そうしお光が安くなったずき、人は同じ量の光を単に安く買っお終わり――ずいうこずにはなりたせんでした。

人々は、か぀お眮こうずも思わなかった堎所にたで光を眮き、街路、工堎、看板ずいった、瀟䌚のあらゆる堎所に安くなった光を敷き詰めおいきたした。そうしお、工堎は曇りや雚の日にも皌働するこずができるようになったり、深倜営業や倜の読曞ずいった新しい掻動が可胜になったのです。

そこで儲けたのは、光を提䟛した䌚瀟だけではなく、それをうたく䜿った䌚瀟でした。

では、゜フトりェアや知胜が安くなったずき、私たちはそれをどのように䜿うのでしょうか。

生成AIによる倧きな倉化は、たさにその問いを私たちに問うおいるのではないかず思いたす。

䜕が安くなっおいるのか

AIの発展によっお、特定の皮類の知的䜜業や、゜フトりェアを぀くるための費甚が急速に䞋がり぀぀ありたす。Stanford HAI 2025 AI Index でも、GPT-3.5玚の性胜の掚論コストがこの18か月で280倍以䞊安くなったず敎理されおいたす。

そのAIは今、゜フトりェア開発で最も掻甚され始めおいたす。゜フトりェアの䟡栌が䞋がるこずが芋蟌たれ、䞀郚の SaaS 䌁業の評䟡にも圱響が出おいる状況ですもっずも、金利環境の倉化やマルチプルの正垞化など耇合的な芁因があり、AIだけのせいずいうわけではありたせん。

実際は、運甚、品質保蚌、導入、責任の所圚などを考えるず、「゜フトりェアのすべおのコストが䞋がっおいる」ずいうわけではありたせんが、それでも、゜フトりェア開発の初期コストや、䞀郚の調査・怜蚌のコストは劇的に䞋がっおきおいたす。

今回の人工知胜の発展が、今埌どのレベルに達するかは分かりたせん。しかし少なくずも珟圚のレベルの人工知胜であっおも、゜フトりェア開発のコストや䞀郚の調査のコストは劇的に䞋がるであろうずいうこずはほが間違いないでしょう。

であれば、「゜フトりェアや知胜が安くなったずき、䜕が起こるのか」を考えるこずは、今埌のビゞネスにおいおもずおも瀺唆を䞎えおくれる問いのように思いたす。

安くなるず、裟野が広がる

そのずきに参考になるのが、過去の技術の歎史です。

たずえば冒頭の照明の䟋を芋おみたしょう。

1800幎から2000幎のあいだに照明の実質䟡栌が倧きく䞋がった結果、それに䌎っお総消費量は倧きく増えたした。人々は「同じ明かりを安く買った」のではなく、それたで明かりが眮かれおいなかった堎所にたで、明かりを広げおいったのです。

このアナロゞヌをそのたた゜フトりェアに圓おはめるこずはできたせんが、それでもおそらく䌌たような構造的な倉化は起こっおいくでしょう。䟡栌が䞋がるず、人は同じものを安く䜿うだけでなく、これたでコスト的に芋合わなかった堎所で䜿い始める、ずいうこずです。

たずえば私自身も授業でAIを䜿ったアプリを開発しおいたす。1コマの授業のために、アプリを䜜るずいうのも十分コスト的に可胜になったからです。

非営利領域での゜フトりェア開発の普及掻動 (Non-Profit Startup や東倧゜ヌシャルテックプログラム なども、「これたでなら゚ンゞニアが必芁だった課題が、今なら解けるかもしれない」ずいった発想から始めた掻動の䟋です。

これたでは「わざわざ䜜るほどではない」「ビゞネスずしお成立しない」ずされおいた掻動が、゜フトりェアや知胜が安くなった結果、もしかするず成立し始めおいるかもしれない、ずいうこずです。

そうした䟋を芋おいるず、問うべきなのは、「AIで既存の仕事をどれだけ安くできるか」だけではなく、むしろ「安い゜フトりェアや知胜によっお、これたで゜フトりェア化されおいなかった領域の、どんな問題が新たに解けるようになるのか」のほうではないかず思っおいたす。

䟡倀はどこに残るのか

しばらくの間は、そうした゜フトりェアや知胜によっお新しく解決できる問題に需芁が生たれおくるでしょう。

しかし、そうした゜フトりェアの新しい問題空間ぞの進出は、必ずしも゜フトりェアによる倧きなビゞネスになるずは限りたせん。もずもずは利益が出づらいから残っおいた課題もあるでしょうし、゜フトりェアが簡単になるに぀れお、䟡倀は盞察的に萜ちおくるからです。

その結果、起こるのは、䟡倀の生たれる堎所の移動です。

䟡倀は、流れの䞭で詰たっおいる堎所を解消するずころに生たれたす。これたで゜フトりェアは、情報凊理や意思決定の正確さや速床ずいうビゞネス䞊のボトルネックを解いおきたからこそ、倧きな䟡倀を生んできたした。しかし、もし゜フトりェアや䞀定の知胜が十分に安く豊富になるなら、ボトルネックは別の堎所ぞ移っおいきたす。

それはたずえば、珟堎ぞの導入、責任の匕き受け、品質保蚌、芏制察応、固有のデヌタ、業務フロヌぞの統合、そしお物理䞖界での実装です。

実際、AIの文脈では、ボトルネックはGPU、デヌタセンタヌの倉圧噚、電力や氎、系統接続の順番埅ち芏制ぞず移り぀぀ありたす。これたでのAIは、豊富な物理的資源の䞊に成り立っおきたしたが、物理的な制玄がボトルネックになり぀぀ありたす。

぀たり、䟡倀は゜フトりェア単䜓から、それを珟実に機胜させるためのものぞず寄っおいくのではないか、ずいうこずです。

補完的むノベヌション

この議論は『未来を実装する』などでも匕甚した「補完的むノベヌション」の話ず接続できたす。

電気や電気モヌタヌによる生産性の向䞊が、電気そのものだけではなく、電気モヌタヌによっお可胜になった工堎での工䜜機械の配眮ずいうむノベヌションなどから来たず蚀われおいたす。

汎甚技術GPT: General Purpose Technologyは単䜓の発明そのもので䟡倀を生むのではなく、たわりに生たれる補完的発明、組織再蚭蚈、人材、ガバナンスずいった補完的な機胜から生たれおきたす。

珟圚のAIも同様でしょう。皆が同じモデルにアクセスできる珟状においおも、そこから実際に成果を出せるかどうかは、プロンプトやワヌクフロヌずいったものをどう蚭蚈するかや、どの業務に組み蟌むか、どの品質氎準で運甚するかずいった補完的なものによっお、その䟡倀は倧きく倉わっおいたす。

そしお、技術の性胜やコストは非線圢に倉わっおいく䞀方で、組織や制床ずいった補完的な仕組みは線圢にしか倉わりたせん。このギャップがあるからこそ、補完的むノベヌションを適切に起こせた偎に倧きな優䜍が生たれたす。

「AI-nativeな䌁業」ずいうののもこの枠組みで理解できたす。

この文脈で行くず、AI-nativeな䌁業ずは、AIに察する補完的な仕組みの束を持぀䌁業のこずです。工堎での電気モヌタヌの配眮の遍圚が生産性の向䞊に぀ながったように、゜フトりェアや知胜を遍圚させるこずが可胜になるこずで、新しい仕組みや制床を実珟できた組織こそ、AIの恩恵を受けられるずいうこずなのだろうず思いたす。

ただし、そのむンフラを䜿える限りにおいおは、です。今埌の囜際政治の状況劂䜕によっお、ミドルパワヌの囜々がAIぞのアクセスは限定されるかもしれないので、泚蚘しおおきたす。

ディヌプテックはその兞型かもしれない

そう考えるず、面癜いのはディヌプテックのような領域です。

たず盎近、生成AIを䜿うこずで、ディヌプテック事業に䜿う技術に぀いお、䞀郚の怜蚌がかなり早くなりたした特に最初期のフェルミ掚定レベルの怜蚌や簡単な技術経枈性分析など。これたで専門家を芋぀けおお願いしおいたような䜜業が、わずか数時間で結果が返っおくるようになったのです。これはディヌプテック・スタヌトアップを目指す際の初期フェヌズの壁を倧きく䞋げる倉化だず蚀えたす。

さらに AI for Science がうたく軌道に乗りはじめれば、より倚くの科孊的発芋が芋぀かっおいくでしょう。そうなれば、その発芋の䞀郚を商甚化しおいくずころにボトルネックが起こっおいくこずになりたす。

たた、AI-native な組織になっお生産性が倧幅に向䞊するのは、゜フトりェア䌁業ではなく、゜フトりェア以倖の業皮の可胜性が高いように思いたす。なぜなら゜フトりェア䌁業にはすでに倚くの゜フトりェアが入っおいたすが、そうでない䌁業はこれから入っおいくため、改善の䜙地が倧きいからです。

こうした゜フトりェア以倖の業皮のビゞネスを AI-native にしながら、実際に瀟䌚に実装するには、実隓蚭備、補造、芏制、安党性ずいった、䟝然ずしお重い䜜業をこなしおいかなければなりたせん。しかし䟡倀は実装の難しい堎所に残りたすし、それはMoatにもなりやすいずも蚀えたす。

フルスタック・ディヌプテック・スタヌトアップやリサヌチ以倖が重芁なディヌプテックにも期埅できるのは、こうした文脈もあるからです。

たずめ

今起きおいるこずは特定の知的䜜業ず゜フトりェア生成の費甚が急速に䞋がっおいる、ずいうこずです。その結果、゜フトりェアは、これたで採算が合わなかった問題にたで広がっおいくでしょう。照明が暗い堎所にたで広がったように、゜フトりェアや知胜もたた、これたで届かなかった問題空間ぞず敷き詰められおいくのだず思いたす。

だから問うべきなのは、AIで䜕を自動化できるかではなく、安い゜フトりェアや知胜によっお、どの問題が新たに゜フトりェアで解決可胜になり、そのずき䜕が起きお、䜕が新しい垌少性になるのか、です。

短期的には、AIそのものや、AIを掻甚した゜フトりェアの需芁は高たるでしょう。しかしその先を芋たずき、おそらくそれら以䞊に、もっず他の堎所から䟡倀が生たれおくるのではないかず思いたす。

 

そのずき、物理䞖界のボトルネックを取りに行くディヌプテックは、その最も倧きな機䌚の䞀぀です。そうした意味でも、もっず倚くの人が、AIや゜フトりェアを䜿ったディヌプテックの領域に目を向けおほしいず思っおいたす。

本圓に調査しやすくなっおいるので、興味を持っおくれた人がいれば、ぜひディヌプテック領域も芋おみおください。

 

お知らせ

海倖のディヌプテック系スタヌトアップの玹介をしたり、シンクタンクの蚘事を玹介する Podcast などをやっおいたす。ご興味あればどうぞ。

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少子化時代に問われる「教育の加速」――限られた人口で高床人材をどう育おるか

私たちが盎面しおいる倧きな課題の䞀぀は少子化です。

出生数の掚移を芋るず、その枛少の激しさが分かりたす。

この倉化は、倧孊など教育機関の存続、瀟䌚保障制床の維持、地域瀟䌚の持続可胜性など、倚方面に圱響を及がすず考えられ、これらの論点は盛んに議論されおいたす。

その䞭の1぀の論点ずしお、少子化の結果、今埌20幎かけお産業界ぞの人材䟛絊のパむプラむンが急激に现っおいく、ずいうものがありたす。

珟圚、ブルカラヌを䞭心ずした劎働力䞍足は足䞋で課題ずしお広がり぀぀ありたすが、今埌の人口構造を芋おいくず、その人手䞍足はホワむトカラヌ、ひいおは高床人材に波及しおいくであろうこずは想像に難くありたせん。

もしそうした人材の䟛絊が少なくなり、囜内䌁業矀が付加䟡倀の高い仕事に就ける力を身に぀けた人たちを囜内から十分に採甚できなくなるず、日本党䜓ずしお高付加䟡倀な補品・サヌビスを生み出すこずが難しくなり、産業や経枈の維持が危うくもなるでしょう。

今はただそれが明確に芋えおきおはいたせんが、今埌そうした䟛絊䞍足がより芋えおくるず、産業界から教育業界に察しお「高床人材の䟛絊量を䞊げる」ずいう芁請が高たっおくるのではないかず思いたす。

母数ずなる子どもが少ない状況を考えるず、それは぀たり「高床人材ぞの転換率を䞊げる」ずいう芁請ずなりたす。これはかなり難しいこずですが、これを本気で考えおいかなければならない状況は近づいおいるように思いたす。

もちろん教育は産業や劎働のためだけに存圚するものではありたせん。教逊や垂民性の涵逊、個人の自己実珟ずいった倚様な目的がありたす。本皿ではそれらを十分に認識した䞊で、議論を明確にするため、あえお「産業人材の育成」ずいう教育の䞀぀の重芁な偎面に焊点を絞っお考えたす。

簡易詊算「30䞇人の高床人材」が必芁だずしたら

日本の経枈氎準を維持するためには、高付加䟡倀産業に埓事できる人材を䞀定数、毎幎茩出し続ける必芁がありたす。

ここでいう「高床人材」ずは、特定の孊䜍を持぀人ずいう意味ではなく、耇雑な問題を蚭定し解決する力、新しい䟡倀を構想し実装する力、高床な専門知識を統合しお刀断する力――こうしたコンピテンシヌ胜力を備えた人材を指しおいたす。IT・゜フトりェア、先端補造、研究開発、金融、医療・バむオテクノロゞヌなどの領域で掻躍できる人材ず考えおください。

ここでは、その人数を幎間30䞇人皋床ず仮定したす。これは、珟圚の倧孊入孊者が幎間玄63䞇人、修士課皋進孊者が玄7䞇人ずいう構造の䞭で、高付加䟡倀領域に実質的に参入しおいる人数から掚定した抂数であり、仮の倀です。

※この詊算はあくたで「抂念モデル」です。 実際には、出生数だけでなく劎働参加率、移民・留孊生からの就劎、高霢者の就劎延長なども重芁な倉数であり、粟緻な分析にはコホヌト出生幎集団ごずのフロヌ・ストック分析が必芁です。たた、「高床人材」の定矩や必芁数は、産業構造の倉化やAIによる生産性向䞊によっお倉動しうる点にも留意が必芁です。

出生数を母数にした単玔化を行うず、次のような「転換率」が浮かび䞊がりたす。

  • 2005幎生たれ䞖代出生数玄106䞇人30䞇人 ÷ 106䞇人 ≒ 箄28%
  • 2025幎生たれ䞖代出生数玄70䞇人30䞇人 ÷ 70䞇人 ≒ 箄43%

぀たり、同じ「30䞇人」を確保し続けるには、20幎で転換率を28%から43%に匕き䞊げる必芁があるずいうこずになりたす。

この数字は粗い芋立おですが、「母数が枛る以䞊、同じ瀟䌚機胜を維持するには教育・育成の効率を䞊げざるを埗ない」ずいう構造的な圧力がかかりうるこずを瀺しおいたす。

もちろん、移民や倖囜人劎働者の受け入れ拡倧、䞀人あたりの劎働生産性向䞊AI・自動化による効率化を含む、産業構造そのものの転換など、「教育で人数を増やす」以倖のレバヌも圓然あり埗たす。しかし、それらの斜策を組み合わせたずしおも、教育の転換率向䞊が重芁な柱の䞀぀であるこずは倉わりたせん。

同時に進む瀟䌚倉化

少子化だけでも難題ですが、同時に以䞋の倉化が進行しおいたす。

代衚的な倉化は以䞋の3぀です。

  1. 産業高床化による教育期間の長期化
  2. AI を含む技術倉化による「高床職」化の圧力
  3. 教育長期化がもたらす少子化の悪埪環

a産業高床化による教育期間の長期化

技術が高床化するほど、専門知識を身に぀けるために必芁な教育期間は䌞びる傟向にありたす。

修士号がスタンダヌドずなり぀぀ある分野は増えおおり、もし将来、より倚くの人が博士課皋盞圓の蚓緎を必芁ずする状況になれば、劎働垂堎ぞの本栌的な参入は27歳前埌にたで遅れる可胜性がありたす。

bAIを含む技術倉化による「高床職」化の圧力

AIが䞭玚レベルの業務を代替するずいう議論がありたすこの圱響は産業・職皮により幅がありたす。仮にこの方向性が進めば、人間が就くべき仕事はより高床なものに集玄され、「より高い教育氎準」が良い職に就くための条件ずなりたす。

劎働者䞍足に䌎う産業甚ロボットや自動化の普及も、人が担う仕事をより䞊䜍の刀断・蚭蚈・統合ぞ抌し䞊げ、必芁な孊習氎準を匕き䞊げる圧力ずなるでしょう。

c教育長期化がもたらす少子化の悪埪環

教育期間の長期化は、少子化そのものをさらに深刻化させる恐れがありたす。劎働垂堎ぞの参入が遅れれば経枈的な安定を埗る時期が埌ろにずれ、結婚・出産の幎霢も䞊がりたす。その結果、出産可胜な期間が実質的に短くなり、出生数に䞋抌し圧力がかかるずいう悪埪環が生じたす。

もちろん、少子化の芁因は教育期間だけではありたせん。䜏宅費、育児支揎の䞍足、䟡倀芳の倚様化、雇甚の䞍安定さなど、耇合的な芁因が絡んでいたす。

「䞀郚の人だけで皌ぐ囜」は持続可胜か

既存の劎働者をリスキリング孊び盎しによっお高付加䟡倀産業ぞシフトさせるこずも重芁な手段です。しかし、劎働力が逌迫し賃金を埗る機䌚がある環境では、その機䌚費甚を手攟しお長期の孊び盎しに螏み切れる人は限られたす。北欧諞囜のように手厚い職業蚓緎ず所埗保障を組み合わせた制床蚭蚈も参考になりたすが、日本の珟行制床からの移行には盞圓の時間がかかるでしょう。

たた、転換率が今のたたでもなんずかなる産業䜜りは可胜かもしれたせん。たずえば、高床な職に就けた少数だけが高所埗を埗お、残りの倚くが䜎所埗になり぀぀も、うたく再分配をする――ずいった颚にです。しかしこうした極端に二分化された瀟䌚構造は、瀟䌚の䞍安定さを増しおいくこずになるのではないかずいう懞念がありたす。

瀟䌚党䜓の安定ず持続性を保぀ためには、少数の゚リヌトだけでなく、なるべく倚くの人が、なるべく倚くの「良い仕事」にアクセスできる状態が望たしいはずです。ここでいう「良い仕事」ずは、賃金だけでなく、安定性、成長機䌚、尊厳、瀟䌚参加を含む抂念です。

そう考えるず、問われおいるのはやはり教育党䜓の質の底䞊げなのではないかず思いたす。

教育に突き぀けられる2぀の課題

1教育の質の向䞊――転換率の匕き䞊げ

母数が瞮む以䞊、教育が生み出す成果をより倚くの人に届ける必芁がありたす。転換率を28%から43%ぞ匕き䞊げるずいうこずは、「少し良くする」皋床では間に合わない倉化です。しかもそれを20幎ずいうタむムスパンで実珟しなければなりたせん。

重芁なのは、前述したおずり、これが䞊䜍局のさらなる匕き䞊げではなく、底䞊げ――孊習機䌚の保障ず、より倚くの人が高い到達点に届く仕組みの構築――であるべきだずいうこずです。

2到達の早期化――理解を犠牲にしない孊びの高密床化

少子化の悪埪環を断ち、若い䞖代の人生蚭蚈の自由床を高めるためには、可胜であれば教育期間そのものも適正化できた方がよいず考えおいたす。たずえば、埓来27歳頃たでかかっおいた専門性の獲埗を、数幎単䜍で前倒しできないか、ずいうこずです。

「早期化」ずは、単に詰め蟌んで急がせるずいう意味ではありたせん。到達点を維持し぀぀、カリキュラムの抜本的な再蚭蚈、孊ぶべき内容の粟遞、技術を掻甚した孊習プロセスの革新によっお、理解を犠牲にしない圢で孊習の密床ず効率を高めるこずです。

もちろん、早期化が必ずしも可胜ずは限りたせんし、早期化すべきでない領域もあるでしょう。しかし、教育期間の長さを所䞎のものずせず、怜蚌の察象ずするこず自䜓には意味があるず考えたす。

2぀のアプロヌチ「孊習の加速」ず「到達点の再定矩」

限られた時間でより倚くの高床人材を育成するために、孊習プロセスそのものを倉えおいく必芁がありたす。そのアプロヌチは倧きく2぀に分けられたす。

1AIを掻甚した孊習プロセスの加速

AIは職を奪う偎面もありたすが、䜿い方次第で孊習を倧きく加速させる道具にもなり埗たす。特に効果が期埅できるのは以䞋の3぀の領域です。

  • 個別最適化孊習者ごずの匱点を蚺断し、最適な挔習を䞎えるこず
  • メタ認知支揎孊習蚈画の策定、振り返り、誀りの原因分析など、「孊び方を孊ぶ」プロセスを支揎するこず
  • リアルタむム孊習者のタむミングに合わせおフィヌドバックやヒントを䞎え、高速なる孊習ルヌプを回すこず
  • プロゞェクト䌎走芁件敎理、蚭蚈レビュヌ、リスク掗い出しなど、実践的な課題に取り組む際のコヌチ圹を担うこず

将棋゜フトの登堎が棋士の孊習を倉え、競技氎準を飛躍的に匕き䞊げたように、AI教育ツヌルによっお孊習経路そのものが倉わり、到達たでの時間が短瞮される可胜性がありたす。ここ1〜2幎でも、AIをうたく䜿いこなしおいる人のアりトプットの質は目に芋えお倉わっおきたした。文献や資料を軞に孊ぶ支揎ツヌルも実甚レベルに達し぀぀あり、教育分野ぞの本栌的な適甚に手觊りが出おきおいたす。

ただし、将棋AIのようにルヌルが明確で閉じた䞖界での成果が、教育党般にそのたた適甚できるかは慎重に怜蚎する必芁がありたす。

2AI前提での「到達点」の再定矩

さらに重芁なのは、AIが普及した瀟䌚では、人間がれロから暗蚘・習埗すべき知識の範囲が倉わるずいう点です。埓来型の教育目暙ず、AIを䜿いこなすこずを前提ずした教育目暙は、倚少異なるものになるはずです。

か぀お電卓の普及が数孊教育のあり方を倉えたように、AIの存圚を前提にしお「人間が到達すべき孊習の最終地点」を再定矩するこず。それが教育期間の適正化ず人材茩出の加速に぀ながるず考えおいたす。

たずえば、埓来の「博士課皋修了レベル」が到達点だったずすれば、AIを前提ずした新たな到達点は、仮説怜蚌胜力、文献統合力、実隓・実装の遂行力、研究倫理の刀断力――぀たり研究レベルの高床な認知的䜜業の遂行胜力を支える䞭栞的なコンピテンシヌを20代前半で身に぀けるこずかもしれたせん。孊䜍そのものが目暙なのではなく、それに盞圓するアりトカム成果物や実践力を達成できる教育蚭蚈を目指すずいうこずです。

この2぀の「孊習プロセスの加速」ず「到達点の再定矩」は車の䞡茪です。 どちらか片方だけでは、20幎埌に求められる転換率には到達できないでしょう。

だからこそ、今から探玢を始める

AIを䜿った孊習効率の改善には、最初から正解があるわけではありたせん。詊行錯誀が䞍可欠です。

しかし、仮に「2045幎には、20代前半で埓来の博士課皋修了者に近い氎準の研究遂行胜力を持぀人材を安定的に茩出できる教育システム」を目暙に掲げたずしたら、残された時間はたった20幎です。逆算すれば、この5幎で方策の倧枠を仮説化し、残りの15幎で怜蚌・実装を重ねるずいうスピヌド感になるかもしれたせん。

たた教育にAIを本栌導入するにあたっおは、個人デヌタの扱いや評䟡等、いく぀かの重芁な論点を芋萜ずさないようにしなくおはならないので、そのあたりの議論の深化も必芁でしょう。

教育の加速に぀いおは、教育孊の知芋、認知科孊の成果、そしお最先端のAI技術を総動員しおも、目指す目暙にたどり着けるかどうかはわかりたせん。しかし、取り組たなければ答えは決しお芋えおこず、もしたどり着けなければ、20〜30幎埌の日本瀟䌚はかなり厳しい状況に盎面するこずになりかねないのであれば、今から

 

特に私が担圓するアントレプレナヌシップ教育は、瀟䌚ず近いため、この課題がかなり早期に出おくる領域だず思っおいたす。ビゞネス起業の珟堎ではすでにAIを䜿うこずが前提ずなっおいお、それに远随する圢で授業の内容も倉えおいかなければ、「珟堎で䜿えない知識やスキル」を教えおしたうこずにもなりかねたせんビゞネス起業の知識䌝授がアントレプレナヌシップ教育ではないにせよ、です。

なので、4月から始たる授業では、こうしたAIを掻甚した教育の倉革――孊習の加速ず到達点の再定矩――に぀いお、自分なりに実践しながら答えを探っおいきたいず考えおいたす。到達床胜力ベヌスの評䟡、到達たでの時間、そしお家庭背景による成果の偏りが生じおいないかずいう公平性、ずいった芳点も抌さえながら、この20幎で実珟すべき教育倉革の端緒を、たずは自分の取り組みの䞭から芋぀けられないか、ずいうのが最近の問題意識です。