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Takaaki Umada / 馬田隆明

コロナ後のアクセラレーター環境の変化

コロナウィルスとそれによる感染症である COVID-19 による変化は、スタートアップやその周辺のエコシステムの一部を変えると考えています。

もちろん変わらないもの、一度変わって元に戻るものも多数あると思いますが、私自身に影響がありそうなもので、今起きている変化でしばらく定着/影響しそうなものをいくつか挙げてみます。

オンラインアクセラレーターの増加

今後、オンラインのみのアクセラレーターの数は増えるのではないかと思っています。

たとえば、https://pioneer.app/ など、もともとリモート専用のアクセラレーターがありましたが、今回のCOVID-19による強制的なオンラインへの移行で、プログラムの提供だけであればオンラインでできる部分がある、という実感を得られた事業者の方々も多いのではないかと思います。その影響で、今後はオンラインを中心としたアクセラレーターが日本でも世界でも増えてくるのではないでしょうか。Y Combinator なども続々とオンラインコンテンツを増やしてきています。

日本にいたとしても(英語などのほかの言語ができれば)リモートのアクセラレーターに参加することができる、というのは起業家にとってはとても良い変化です。一方、アクセラレーター運営側の視点に立ってみれば、世界中に競合がいるようになります。その競争を勝ち抜くのか、もしくは巻き込まれたくないのであれば、ローカルやオフラインの独自の価値をどのように出していくかが勝負のポイントとなりそうです。

スタートアップの数の減少

私の聞いている範囲では、起業家の数が減少しつつあります。実は4月や7月ごろはそれほどそうした話は聞きませんでした。しかし最近になって、案件が減っているという話を聞き始めています。

感染拡大期に起業家の数がすぐに減らなかったのは、すでに準備済みの起業家が多かったからかもしれません。ただそのプールが尽きつつあるのではないかと考えています。たとえば 2007 - 8年の金融危機のときもビジネスに如実に影響が出てくるのに半年程度かかったと聞いています。同程度の遅延があるとすれば、そろそろ来るタイミングです。

一方、2008年の経済環境との違いは、実体経済が傷ついていることや、スマートフォンなどの目立ったトレンドがないこと、そして人と会えないということによるアイデアや共同創業者探しの難しさなど、新しいことを始めるには少し難しい環境だということです。

仮にビジネスを始めたとしても、リモートワークで行う場合、新しいアイデアの探索などには向いているようには思えませんし、実際にコンテストなどを見ていても昨年などに比べると、アイデアの質が相対的に見て下がっているように感じています。これはオフライン環境での壁打ちなどができなくなっていることなどが実は大きいのではと思っています。

もちろん既につながりがある場合や探索より深化 (exploitation) のフェーズの場合はリモートワークでもある程度進むことができるとは思いますが、アイデアを固める段階やピボットを何度もしなければいけない状況では、リモートは難しいでしょう。

逆に言えば、本当に良いスタートアップには資金が集まりやすくなるとは思います。その結果、アクセラレーターを経由するスタートアップはもしかしたら減るかもしれません。

そのうえで

こうした変化を想定したうえで、支援側として何が本当のバリューだったのかをきちんと考えていかないといけないなと思っています。まだその答えは見えていませんが、引き続き考えていきたいと思います。