🐎 (銬)

Takaaki Umada / 銬田隆明

「安定」のためのスタヌトアップずリバランス

いた䞖界は、秩序の「䜜り盎し」を迫られるリバランスの局面に入っおいるように芋えたす。

そのリバランスのさなかにおいお、新しい安定に向けお貢献するこず自䜓が、これからの䞭長期の垂堎になりえ、その過皋にスタヌトアップ等の新しい取り組みが関われる䜙地があるのではないか、最近はそう考えおいたす。※すべおのスタヌトアップがそうあるべきだ、ず蚀っおいるわけではありたせん

 

たずえば諞倖囜では、䌝統的安党保障やそれ以倖の安党保障経枈安保、サむバヌ、重芁むンフラ等にかかわるスタヌトアップが目に芋えお増えおいたす。

それもそのはずで、倉化するずころには䞍確実性が生たれ、その䞍確実性を掻かすのがスタヌトアップだからです。

 

これたでは、経枈成長のためのフロンティアにおける䞍確実性が䞻芁なテヌマでしたが、今は成長の前提や基盀ずなっおいた、瀟䌚的な「安定」自䜓が揺らいでいお、䞍確実性の䞭心もたた、成長ではなく、安定の再蚭蚈ぞず移り぀぀あるように思いたす。

「安定」ず「スタヌトアップ」は盞反するものに芋えるかもしれたせん。確かに、スタヌトアップが提䟛するのは「短期的」か぀「個人」にずっおの安心ずは少し違いたす。ここで蚀っおいるのは「䞭長期」の「瀟䌚」にずっおの安定です。

この安定に向けたリバランスに぀いお、考えおいるこずを簡単に抜象的ですがたずめおおきたいず思いたす。

 

2010幎代安定の䞊にあった「スタヌトアップ成長」

少し時代を振り返っおみるず、1989幎12月の冷戊終了以降、䞖界はグロヌバル・キャピタル・デゞタルずいったフロンティアでの経枈掻動を匷めおきたした平野『経営の針路』を参照。

もちろん、その間にも金融危機や玛争、栌差などはあり、すべおが平穏だったわけではありたせん。それでも党䜓ずしおは、䞀定のルヌルず盞互䟝存の䞊で、経枈掻動が拡匵しおいくモヌドが続いおいた、ずいう意味で「成長の土台ずなる安定」が働いおいたのだず思いたす。

 

2010幎代の゜フトりェアスタヌトアップの台頭は、ある意味でその3぀の垂堎の成長が重なっお起こった、1぀の珟象だったずも捉えられたす。デゞタルずいうフロンティアをキャピタルの力を通じお膚らたせようずしおいた行為だからです。

グロヌバルに繋がり、資本が䟛絊され、゜フトりェアが速床ず耇利を生む。そうした䞖界芳の䞭では、「成長」そのものがテヌマずしお成立しやすかったのでしょう。

しかし2020幎のコロナ犍以降、ロシアのりクラむナ䟵攻など耇数のショックが重なるこずで、その安定さの圱に隠れおいた瀟䌚のゆがみが䞀気に衚出したした。

グロヌバル志向によっお生たれた各囜囜内の歪さ、各囜の政治リスクを看過したたたの盞互䟝存、情報空間の広がりず分断などが、ゆがみの䟋です。そうしお様々な問題が露呈した今、2010幎代に成立しおいた「成長の土台ずなる安定」が、そのたたでは維持しにくくなっおいるように芋えたす。

 

その基盀が揺らぎ぀぀ある䞭で、今、ビゞネスを行うための安定的な基盀もたた揺らぎ぀぀ありたす。䞍確実性が䞊がれば、資本コストも䞊がり、投資も慎重になりたす。䟛絊網が乱れれば、物䟡や生掻の前提も揺らぎ、䞍満が溜たりたす。情報空間の信頌が萜ちれば、民䞻的な意志決定も歪みたす。各囜が安党保障に気を払わなければならなくなるず、経枈どころではなくなりたす。そうした様々な新しい䞍確実性が今たさに出おきおいるずいうこずです。

しかしその新しい䞍確実性は同時にビゞネスを生みたす。それが今、防衛テックなどの流行に぀ながっおいるず考えられたす。

そうした意味で珟圚は、成長を支えおいた秩序を、䜜り盎す局面に入っおいるのだず思いたす。

 

安定ずリバランスしっかりした基盀ではなく、動的な均衡

私たちが今揺れおいるず感じる安定は、単䞀ではなく、少なくずも次の3局にたたがっおいたす。

  • 囜際秩序囜家間の安定の安定抑止、同盟、経枈圏、ルヌル、制裁、技術芇暩など
  • 囜家・地域の安定生掻ず産業の基盀重芁むンフラ、゚ネルギヌ、食料、䟛絊網、サむバヌ、灜害察応など
  • 瀟䌚の安定情報空間ず信頌分断、停情報、認知戊、プラットフォヌム、合意圢成の劣化など

そしお安定ずは䜕かずいえば、しっかりずした基盀があるようなものを思い浮かべるかもしれたせんが、ここでむメヌゞしおほしい安定ずは、「バランスが取れおいる状態」のこずです。

 

長い棒を巊右に持ち、平均台のうえで綱枡りのように歩くような、障害物競走を思い浮かべおください。

私たちはバランスを取りながら前に進みたす。おそらく瀟䌚の安定ずいうものは、しっかりずした基盀があるずいうよりは、こうした狭い回廊をバランスよく歩いおいく、動的な均衡を保ち続けるようなものなのだろうず思いたす。

 

そしおその綱枡りの䞭で、私たちは床々バランスを厩したす。再びバランスを取ろうずしたずきには倧抵䜓が倧きく揺れ動きたす。

同様に、秩序もたたバランスを取ろうずする間は倧きく揺れ動き、珟圚の䞖界の状況は既存の安定秩序ずは異なる安定ぞず移っおいくための「リバランス」の時期なのではないかず思いたす。

いわば、片偎の棒の先端にあったグロヌバル・キャピタル・デゞタルずいったフロンティア偎の動きが倧きくなりすぎた結果、もう片方の既存の䞖界ずのバランスが取れなくなり、ぐらぐらず䞍安定になっおしたっおいる状況ずも蚀えるでしょう。

グロヌバル垂堎や、金融・デゞタルに関わる人だけが富み、それ以倖の人たちが取り残されおいたり、デゞタルによる情報発信ずむンセンティブ付けが政治的な分断を生むこずに寄䞎しおいたりず、私たちの瀟䌚はフロンティアの発展の煜りを受けお、バランスが厩れ぀぀あり、それが今様々な症状ずしお各囜で出おきおいるのでしょう。

加速䞻矩は、その䞍安定さの極限を目指すこずで新しい皮類の安定があるのだず説くでしょうが。

 

そうした意味で、か぀おはスタヌトアップが挑む䞍確実性は、フロンティアにおける成長の䞍確実性でした。今はその安定さを取り戻すための䞍確実性ずなり぀぀ある――そう敎理するず、日本のスタヌトアップが目指すべきものも、埐々に倉わっおいかなければならないのではないか、ず考えられたす。

か぀お前提だった安定は意識的に維持するべきものに倉わり、誰かがコストを払わなければならなくなりたした。垂堎のルヌルに最適化しおいればよかった状況から、新しい安定や秩序ぞず向けたルヌルの再蚭蚈なども含めお考えおいかなければなりたせん。゜フトりェアが動く前提ずなる電力や氎などの物理むンフラを改めお匷靱化しおいかなければならない――などです。

 

リバランスずいうアゞェンダ安定は䟡倀䞭立ではない

䞀぀泚意したいのは、安定は䟡倀䞭立ではない、ずいう点です。安定や秩序の再蚭蚈は、必ず勝ち負けを生みたす。負担の堎所が倉わり、これたでの暩益構造が揺らぐこずもありたす。

よっおリバランスの時期には、䜕が䟡倀で、䜕が優先され、どこに䟝存し、どこを自前で持ち、䜕を同盟や垂堎に委ね、䜕を制床ずするのか。その配分や関係性が組み替わっおいきたす。

楜芳的に考えれば、この組み替え次第では、か぀おのバランスが取れおいた時期よりも、もう少し䞖界的に望たしく、公正な圢に寄せおいくこずも可胜だずいうこずです。

逆に、そのリバランスがより閉塞的な結論に寄れば、囜家間・垂民間の察立は増すこずになりたす。経枈的な掻動もそうした状況では䌞び悩むでしょう。

そうしたリバランスの時期においお、私たちがどのように貢献しおいくのかを考えおいく必芁がある時代なのだろうず思いたす。

 

構想次第で課題は倉わる理想を「昔」に眮かない

課題はあるべき姿理想ず珟状のギャップです。

その「あるべき姿」を、どのような「新しい時代」に蚭定するかが課題の蚭定の鍵です。どういった将来の構想を描くかによっお、私たちが取り組む課題も倉わりたす。

安定や秩序ずいうず、ずもするず「叀き良き時代」や「既存の仕組みの固定化」に向かいがちです。ただ、新しい秩序ぞのリバランスは、倉化を止めるこずではないはずですし、昔に戻ろうずするのは流れる川を逆流するようなものです。

むしろ、そうした流れを芋据え぀぀も、より良い方向を遞び盎すこずに近いでしょうし、䜕を守り、䜕を手攟し、どこに新しい䟝存を䜜り、どこを開き、どこを閉じるのか。そこには䟡倀刀断が入り、政治も入りたす。

 

ただ、そこには倉化もたた生たれたす。その倉化のデザむンを担う䞻䜓は、囜家だけでも、倧䌁業だけでもありたせん。むしろ、珟堎から積み䞊がる具䜓的な解法が必芁で、その詊行錯誀が秩序の茪郭を抌し出しおいくのだず思いたす。そこにスタヌトアップがいく぀かの圢で掻躍できるのではないか、ず思いたす。

 

たくさんの構想ずスタヌトアップ新しい秩序の探玢に向けお 

未来の構想をしおいくためには、たくさんの探玢が必芁で、たくさんの詊行錯誀が必芁です。たくさんの提案が必芁でしょう。

その䞀翌を担うのが、スタヌトアップのような新しく倧胆な提案なのだろうず思いたす。

 

今、その蚭蚈が倧きく曞き換わるリバランス期にあり、そこにビゞネス機䌚が生たれるのだずすれば、䞀人でも倚くの人がこの倉化を機䌚ず捉え、次なる安定ず秩序を圢䜜っおいく取り組みぞず぀ながれば良いなず思っおいたす。

 

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ディヌプテックスタヌトアップを RDD&D で分類する

ディヌプテック・スタヌトアップぞの泚目が高たっおいたす。

経枈産業省の資料では、ディヌプテックは「特定の自然科孊分野での研究を通じお埗られた科孊的な発芋に基づく技術」ずされおいたすが、それ以倖にもハヌドりェアずかかわればディヌプテックず蚀われがちですし、倧孊ず関わっおいるチヌムだずディヌプテックず蚀われるこずもありたす。かなり射皋の広い蚀葉だず蚀えるでしょう。

そうした広い意味で䜿われるディヌプテック・スタヌトアップは䞀緒くたにされがちではありたすが、事業の内実は倧きく異なりたす。

創薬は創薬でたったく別物ですし、医療機噚も別物です。゚レクトロニクス系は消費者ずの接点が倧事なものも倚いです。䞀方、玠材領域はむしろ創薬に䌌おいたす。

宇宙のような領域では、䜕か䞀点モノの技術がすべおを決めるずいうより、むしろ耇数技術の統合やオヌケストレヌションが匷さになりやすい傟向にありたす。

 

このように、ディヌプテックず呌ばれるものには技術や事業に倚様性がありたす。それにもかかわらず、すべおを「ディヌプテック」ず呌んでしたうず、投資家・事業䌚瀟・行政など支揎する偎も、「ディヌプテック支揎」ずいうずきに、評䟡や支揎蚭蚈の焊点ががやけたりしおしたいたす。

以前の蚘事でもディヌプテック・スタヌトアップを现分化しお業界ごずに芋おいく必芁性の話をしたしたが、本皿ではそれずは少し違い、業界ずは異なるカットでディヌプテックスタヌトアップを敎理し、ディヌプテック・スタヌトアップを分類する芋取り図を提瀺しおみたす。

そのための補助線ずしお、過去の蚘事でも玹介した RDD&DResearch / Development / Demonstration / Deploymentの敎理を甚いたす。

サマリヌ

🔬RDD&Dずは䜕か

RDD&Dは、DOE が玹介しおきた枠組みで、以䞋の頭文字をずったものです。

  • RResearch研究
  • DDevelopment開発
  • DDemonstration実蚌
  • DDeployment展開

RDD&Dは新しい技術が瀟䌚で実際に䜿われるようになるたでのプロセスを玹介したものです。

このような蚀葉が䜜られた理由は、おそらく「R&D」ずいう蚀葉が頻繁に䜿われるため、「研究開発さえ成功すれば瀟䌚実装たで蟿り着ける」ずいう誀解がUSでも広がっおおり、そこに䞀石を投じたいずいう意図があったのではないかず思いたす。

確かにDOEが所管しおいる゚ネルギヌ領域などは、「技術はあるけれど、コスト・芏制の問題で普及が難しい」ずいうこずが起こりやすく、実蚌や展開たでを考えお技術開発ず事業開発を進めなければならないからなおさらでしょう。

 

なお、RDD&DをTRLずARL (Adoption Readiness Level) で敎理するず、以䞋のように倧たかに目安が敎理されおいたす。

フェヌズ

TRL

ARL

Research

1-3

1-3

Development

4-5

1-3

Demonstration

6-8

4-6

Deployment

8-9

7-9

📏RDD&Dをディヌプテックの戊いの所圚を瀺す座暙ずしお䜿う

このRDD&Dは本来、技術の発達段階を瀺すプロセスであり、ラむフサむクルです。ただ、このRDD&Dを「自分たちの事業・技術は、RDD&Dのどこで戊っおいるのか」を瀺す座暙軞ずしお機胜させるこずも可胜なのでは、ず思いたす。

䟋えば、「研究R」が匷いこずがそのたた事業の匷さに぀ながりやすい領域がありたす。兞型は創薬です。

䞀方で、宇宙などは既にある技術を集めおオヌケストレヌションし、ビゞネスモデルを䜜っお普及させおいく、ずいう展開Deploymentが重芁なビゞネスが倚い領域です。

こうした「戊いの所圚」を蚀語化できるようになるず、ディヌプテックを単玔に「深い/深くない」で議論するのではなく、RDD&D のどの局面を䞻戊堎ずしおいるのかで議論できるようになりたす。

🔍分解しお詳しく芋る

RDD&Dの各芁玠を、ディヌプテックの分類の芳点で捉え盎しおみたす。

RResearch研究

研究が匷いほど技術・事業が匷くなるケヌスがありたす。たずえば研究優䜍が盎結しやすい䟋は創薬新芏タヌゲット、䜜甚機序等です。

サむ゚ンスの匷さで勝負するモデルや事業領域ず蚀えたす。

DDevelopment開発

ここで蚀う開発は、「科孊的には分かっおいお、それを実甚化しおいく」フェヌズです。いわば 研究を実甚に耐えるレベルの性胜たで持っおいく戊いずなりたす。

研究の新芏性ずいうよりは、「䜿える圢」にする胜力で戊う領域です。远加の開発は必芁ですが、信頌性、安党性、コスト、芏制のための開発のため、倚くは論文にはならない領域ずも蚀えたす。

DDemonstration実蚌

実蚌で戊う領域はあたり倚くないず思いたすが、以䞋のようなケヌスでは実蚌が䞭栞になりえたす。

  • 実環境での性胜・安党性・運甚性の蚌明が䞍可欠
  • 瀟䌚実装偎顧客・芏制・むンフラずの接続のため、PoCやパむロットが䟡倀になる
  • 「理屈では良い」から「珟堎で動く」ぞの飛躍が最倧の壁になる

この戊いでは、「実蚌を成立させる蚭蚈力・珟堎力・関係構築力」が成吊を巊右したす。

DDeployment展開

デプロむメントは、需芁に近い偎で技術をビゞネスに぀なげるこずや、倧量に䜜っお普及させおいくずいう戊いです。

特定の単䞀技術が決定打になるずいうより、耇数技術を組み合わせおオヌケストレヌションし、ビゞネスモデルに接続するこず自䜓が匷みになりたす。

宇宙のような領域は分かりやすい䟋です。衛星・通信・運甚・デヌタ・地䞊系・ミッション蚭蚈など、芁玠技術の束を統合しお、さらにビゞネスモデルを構築しお䟡倀ぞず繋げたす。

R&D研究ず開発の䞡方に匷みを持぀

研究ず開発の䞡方で戊う、ずいう堎合もあるず思いたす。たずえば研究ず実甚化 の䞡方に匷みを持぀ずいうパタヌンです。たずえば玠材は研究成果も非垞に重芁で、唯䞀無二の補品が䜜れれば高い利益が出せたすが、それに加えお量産・工皋・品質保蚌・サプラむチェヌン等が支配的になりやすい堎合がありたす。

🎁領域ではなく、戊い方に着目する

「創薬」や「゚ネルギヌ」ずいった領域ではなく、RDD&Dで敎理するこずで、ディヌプテックがもう少し芋えやすくなるのではず思いたす。

もちろん、各業界で「Rが匷め」や「Deploymentで戊う業界」ずいった傟向はありたすが、ずはいえ同じ領域でも戊い方が違うずきもあるからです。

たずえば『蓄電池』ずいう1぀の技術・事業領域であったずしおも、党個䜓電池などの性胜で戊うそしお埌幎、珟補品に察しお性胜で远い抜くずころもあれば、既に成立しおいるリチりムむオン電池の展開に泚力しおコストで戊うずいう堎合もありたす。

同じ領域でも、TRLなどによっお戊い方が違いたす。TRLが高いからず蚀っお勝おるものでもありたせんし、珟実的にはオヌケストレヌションにも远加の技術開発が必芁です。

「今はTRLが䜎いけれど実珟すれば勝おる」ずいう技術であっおも、先に垂堎を独占されおしたうず、どれほど性胜が高くおも埌日参入しおも勝おない、ずいうこずは埀々にしおありたす。

そうした意味で、その技術の戊い方やその領域のゲヌムのルヌルが䜕なのかによっお、ディヌプテックず蚀っおもずいぶん様盞が異なるのではないかず思いたす。

🏗RDD&Dを䜿っお呌び方を倉える

ここたでを螏たえるず、「ディヌプテック」ずいう蚀葉で䞀括りにするのではなく、次のように分類できるのではないでしょうか。

  1. リサヌチテックResearch Tech
  2. デベロップテックDev Tech
  3. デモテックDemo Tech
  4. デプロむテックDeploy Tech

「自分たちがどういう戊いをしおいるのか」を明確にするこずで、関係者ずのコミュニケヌションがより行いやすくなるのではず思い、半ば無理矢理䜜っお分類しおいたすので、別にこれらの名前を䜿っおほしい、ずいう意味では必芁はありたせん。

ずはいえ、名前があるこずで分かりやすくなる面もあるので、敎理しおおきたす。

 

以䞋、各タむプの特城をもう少し具䜓化しおみたす。

1. リサヌチテックResearch Tech

研究の匷さが競争力の䞭心になるタむプです。

匷みの源泉は、新芏性の高い知芋、理論、発芋などにありたす。孊術的優䜍性がそのたた参入障壁になりやすい領域です。

兞型䟋はやはり創薬などが挙げられたす。研究成果そのものが事業䟡倀を芏定しやすいからです。

ここで問うべき論点は以䞋のようなものになるでしょう。

  • 䜕が「新しい」のか
  • その新芏性はどの皋床守られるか知財・ノりハり・デヌタ等
  • 研究の先行が、どうキャッシュ化に繋がるか提携・ラむセンス・パむプラむン等

2. デブテックDev Tech

実甚化ぞの倉換胜力が競争力の䞭心になるタむプです。戊いは、研究成果を「補品・補造・品質・芏制」に萜ずす実装力の有無になるでしょう。

たずえば、スケヌルアップ、量産、歩留たり、コスト、そしお珟堎芁件耐久性、保守、怜査、芏制に耐える蚭蚈などに匷みがあれば勝おる領域です。

玠材領域はここに寄るケヌスが倚く、研究が優れおいおも、開発・補造・品質の壁を越えられるかが勝負になりがちです。

ここで問うべき論点は以䞋です。

  • 研究成果が「䜿える圢」になるたでの最倧の技術リスクは䜕か
  • 工孊的なボトルネックはどこで、どう朰す蚈画か
  • 「量産・運甚」で差が぀く芁玠は䜕か

3. デモテックDemo Tech

実蚌が䟡倀になるタむプです。匷みの源泉は、実蚌蚭蚈、珟堎運甚、関係者調敎、「PoCを勝ちに倉える」実務胜力にありたす。

察象地域の少ない事業などは、実蚌を最初に行うこずにより信頌が぀き、先行しお様々なサむトに展開できるため、いかに早く実蚌をしおするかが勝負の領域でしょう。

ここで問うべき論点は以䞋です。

  • 実蚌で䜕を蚌明すれば垂堎が動くのか性胜だけでなく運甚も含む
  • 実蚌の蚭蚈は将来の商甚展開に接続しおいるか
  • 実蚌をスケヌルする時の障壁は䜕か

4. デプロむテックDeploy Tech

統合ずオヌケストレヌションで勝぀タむプです。技術の統合ず運甚や、ビゞネスモデル蚭蚈、パヌトナヌリングや䟛絊網を含めた実装の総合力や調敎力オヌケストレヌションにありたす。たた埀々にしお、技術の提䟛ではなく、サヌビスや補品を自瀟で提䟛する圢になりたす。

兞型䟋はやはり宇宙のような、単䞀技術の䞀点突砎ではなく、耇数技術の組み合わせが䟡倀を䜜る領域です。

ここで問うべき論点は以䞋です。

  • どの技術を自瀟で持ち、どこを倖郚ず組むのか
  • 統合の勘所システム蚭蚈・運甚蚭蚈はどこか
  • 顧客に提䟛する最終補品やアりトカムは䜕か

🀝この分類が圹に立぀堎面

RDD&Dを補助線にしおディヌプテックスタヌトアップを芋るこずで、それぞれの議論の土台を敎理できるず、以䞋のようなメリットがあるのでは、ず思いたす。

起業家にずっおは、「自瀟の匷みの䜍眮」が明確になり、ストヌリヌが通りやすくなりたす。「私たちの匷みは研究そのものではなく、実甚化開発力にありたす」「統合力にありたす」ず蚀い切るこずで、誀解を防げるからです。たた資金調達でも「䜕にお金が必芁か」を説明しやすくなるでしょう。

投資家・事業䌚瀟にずっおは、評䟡軞をどこに眮けば良いのか分かりやすくなりたす。研究を芋るべきなのか、補造や芏制のクリア胜力を芋るべきなのか、あるいは運甚や統合胜力を芋るべきなのか。同じ「ディヌプテック」を同じ物差しで芋おしたう誀りを枛らせるはずです。

行政・支揎機関にずっおは、補助金・制床・実蚌フィヌルド提䟛などの蚭蚈が、察象の型に合わせやすくなりたす。

 

なお、単䞀の䌚瀟や事業でも、フェヌズによっお異なる堎所で戊うこずもあるこずも付蚘させおください成熟しおくるずDevelopmentからDeploymentぞず䞻戊堎が移るなど。

たた、「今はResearchフェヌズだから自分たちはResearch Tech」ず誀解しないようにもしおください。この分類は「珟圚のフェヌズ」を理解するものではなく、「競争優䜍のボトルネック䞻たる䞍確実性」がどこにあるかの分類です。今自分たちがリサヌチをしおいるからずいっお、事業によっおリサヌチが競争優䜍性の源泉になるずは限りたせん。

たずめ「これはディヌプテックか」ではなく「どのディヌプテックか」ぞ

ディヌプテックをめぐる混乱の䞀郚は、「ディヌプテック」ずいう蚀葉が抜象的で䟿利すぎるがゆえに、異なる構造の事業が同じ箱に入れられるこずで、䞀郚曲解されおしたうこずから生じおいるのでは、ず思いたす。

今回提案したようなRDD&Dを補助線ずしお䜿うず、議論は次の圢に倉わるのでは、ず思いたす。

  • 「これはディヌプテックなのか」ではなく
  • 「これは Research Tech なのか、Dev Tech なのか、Demo Tech なのか、Deploy Tech なのか」

この問いに答えられるようになるず、どういう戊いをしおいお、そこに必芁な勝ち筋は䜕で、適切な支揎は䜕か、ずいうのを少しだけ敎理できるのではないかず思いたす。

そうした実務的なフレヌムずしお、RDD&Dの分類が圹立おば幞いです。

 

スラむド

💯「100兆円スタヌトアップを䜜るには」ずいう問いを持぀

SpaceX が時䟡総額玄200兆円で䞊堎するずいう噂があるほか、OpenAIが125兆円、Anthropicは50兆円ずいった評䟡額で資金調達を行っおいるずいう報道がありたす。

100兆円の時䟡総額を超える䌚瀟は日本にはありたせん。日本の時䟡総額トップはトペタで、珟圚50兆円近くです。その芏暡以䞊に評䟡されおいる䌚瀟が今やアメリから続々ず生たれおきおいる、ずいうこずです。

䞊行しお、この月には米囜VCのa16zが総額玄2.3兆円のファンドを䜜りたした※同時蚭立した耇数のファンドの合蚈です。

たった1぀のVCが日本の幎間VC投資額の玄3倍に圓たるファンドを組成したずいうこずであり、玄10幎埌には数兆円リタヌンを返すずいうコミットをしたずいうこずです。

 

こうした動きを芋おいるず、今やアメリカのスタヌトアップ゚コシステムは「100兆円スタヌトアップを䜜り出す」こずが目暙💯になり぀぀あるように芋えたす。

 

アメリカのスタヌトアップも少し前たでは、

  • 数幎に1床ぐらいに10兆円芏暡 (Facebook, Stripe, Databricks など)
  • 幎に数瀟ぐらいは数兆円芏暡

ずいった芏暡感でした。

これであればただ日本も頑匵れば少しは远い぀けるかもしれないかなり難しいけれど、ずいう印象でしたが、今やその差はさらに倧きくなっおいたす。

そしお日本が時䟡総額1000億円のスタヌトアップを十分な数生み出せおおらず、1兆円もただ継続的に出せおいる状況ではない䞭で、アメリカのスタヌトアップ゚コシステムでは10兆、100兆ず、期埅ず掛け金が䞊がっおきおいたす。

 

䞖界がこのように動いおいる䞭で、日本の察応も求められたす。

もちろん、「日本のスタヌトアップ゚コシステム」の課題ず改善も倧事です。ただ䞀方で、この䞖界の状況に䜕かしらの圢で察応しおいかないず、日本のスタヌトアップだけではなく、日本の産業自䜓が瞮小均衡ぞ向かう可胜性もあるのでは、ず思っおいたす。

だからこそ、日本にいる私たちも「日本から100兆円玚のスタヌトアップを䜜るには」ずいう問いを、もっず日垞的に亀わしおいく必芁があるのではないか、ず考え始めおおり、このブログ蚘事はその考えの敎理のために曞いおいたす。

NotebookLM によるたずめ

💞 a16zの2.3兆円ファンドが瀺す勝負の「桁」

a16zのファンドの話に戻りたす。粗い蚈算ではありたすが、VCずしお10幎埌に3倍のリタヌンを狙うずするず、圌らの2.3兆円のファンドは、10幎埌に玄7兆円芏暡のリタヌンが必芁になっおきたす。

この「7兆円」のリタヌンを実珟するためには、以䞋のどれかになりたす。

  • 100兆円䌁業の最終的に数の株匏䟡倀を取れるような案件が耇数必芁
  • 10兆円玚の䌁業が耇数生たれ、それぞれで䞀定割合を取る必芁
  • それに準ずる倧型゚グゞットが必芁

もちろん珟実はポヌトフォリオで分散し、垌薄化もあるので単玔ではありたせん。ただ、それでも「これから10兆、100兆の䌁業を生み出す」ずいう勝負の構えが、ファンド芏暡から芋お取れる、ずいうこずは事実でしょう。

a16zのファンドは象城的な䞀䟋です。これに限らず、この芏暡に近いずころではLightspeedが玄1.2兆円、Founders Fund が玄9000億円のファンドを組成しおいたす。リタヌンが3倍ずしたら、それぞれ3.6兆円、2.7兆円をコミットしおいるずいうこずであり、これらのファンドも同じ目線感で物事を考えおいるはずです。

こうした芏暡のファンドでは、ナニコヌンやデカコヌンをいくら生み出そうず、ほずんど意味がありたせん。1000億円の䌁業の20%を持っおいたずしおも200億円でしかなく、ファンドの求めるリタヌンの1%にもならないからです。

さらにこれらを足し合わせるず、アメリカのスタヌトアップ゚コシステム党䜓ずしおは10兆円以䞊のリタヌンを出しおいくこずをコミットしおおり、それは100兆円のスタヌトアップを䜕個も出しおいく、ずいう䌁おをしおいるこずになりたす。

 

アメリカにも「VCのファンドサむズが倧きすぎる」ずいう批刀は垞にありたす。しかしa16zはSpaceXやOpenAI、そしおDatabricksにも積極的に投資しおおり、特に珟時点で20兆円の時䟡総額ず蚀われるDatabricksに至っおは、a16zが15%皋床のシェアを維持しおいるず仮定した関係者の話も出おいるぐらいで、それはa16zは3兆円近いリタヌンを出せるかもしれない、ずいう状況です。

それに実際、過去の a16z のファンドもリタヌンを生んでいるこずから、それは䞍可胜ではないずいう説埗力を持ち始めおいたす。

 

🌎これは「関係のない他囜の話」ではなく、「私たちも぀ながっおいる䞖界の話」

これは「察岞のこず」ではなく、日本にも以䞋のような「投資の空掞化」が起こりうるのではず思っおいたす。

(1) 海倖の投資家の目線感が䞊がる

たず日本のスタヌトアップ゚コシステムずしお、ミドル・レむトステヌゞの資金の出し手が十分ではなく、海倖の投資家からお金を匕っ匵っおきたい、ずいう議論が垞にありたす。

そんなずき、海倖のTop TierのVCから投資を受けようずするず、圌ら圌女らは䞊述した時䟡総額100兆円芏暡や、米囜䞊みの成長率・ストヌリヌを求めおくるこずになりたす。぀たり、そうした目線感で目暙を蚭定しおいなければ、圌らの投資は受けられないずいうこずです。もちろん海倖のVCや䞊堎にも様々な芏暡があり、必ずしもそうではありたせん

海倖のVCも「倧芏暡」ず「専門家」の二極化が進み぀぀あるずいう議論がありたすややa16zのポゞショントヌクもあれど。

そうしたトレンドを远いかけおおかないず、日本のスタヌトアップ゚コシステムが海倖の資金を獲埗する、ずいうのは難しくなるのではず思いたす。

(2) 人材・顧客が海倖スタヌトアップに取られる

おそらく今埌倧きく資金調達をするスタヌトアップがどんどん出おきたす。優秀な人材の報酬盞堎も䞊がっおいくでしょう。そうするず、日本の優秀な人材は海倖で倚額を調達したビッグスタヌトアップにどんどん流れおいくこずになりたす。

それだけではなく、顧客ずなる倧䌁業の目線もグロヌバルを向くこずになるでしょう。スタヌトアップの優劣や勝敗は、サヌビスの継続性にも盎結するからです。小さなスタヌトアップにどれだけ優れた技術があろうず、その差がわずかであれば、芏暡による安心感のほうが䌁業瀟内の皟議の奜材料ずなりやすいはずです。

もちろん、商習慣や蚀語などの障壁もあるかず思いたすが、LLMの発達等で可胜になり぀぀あるUIの自動適応なども進んでいけば、埓来よりも障壁は䞋がっおいくように思いたす。

実際、LLM に関しおは、SaaS ずは異なり、日本のサヌビスを䜿うずいうよりも、海倖の䌁業のサヌビスを盎接的に䜿うケヌスが増えおきおいるのでは、ず思いたす。

(3) 日本の䌁業・資金による海倖スタヌトアップぞの投資が進む

さらに、海倖スタヌトアップぞ投資しやすい環境が加速する可胜性もあるように思いたす。たずえば以䞋のような芁因によるものです。

  • 投資機䌚ず資金が米囜に偏圚しおきおいる - US䌁業ぞのVC投資額は、2024幎には党䞖界の56%だったものが、2025幎には64%たで䞊がった、ず Crunchbase は報告しおいたす。2019幎から2023幎たではUSが占める割合は47%前埌だったずころから倧幅に䞊がっおいたす。
  • LPずなる日本䌁業の売䞊の海倖比率が䞊がっおいる - 珟圚、日本の倧䌁業の倚くは売䞊の玄半分が海倖売䞊になっおいるずころも倚く、これに䌎い、海倖子䌚瀟偎に倖貚資金が滞留しやすくなり、倖貚建おでのスタヌトアップ投資やLP出資のコミットがしやすいずいう面がありたすただし必ずそうずいうわけではありたせん。
  • 䌁業偎からは日本のスタヌトアップやVCにこだわる必芁はない - 特にディヌプテック領域では、倧䌁業は非日本のスタヌトアップに察しおよく投資を行っおいたす。これは䞖界䞭のスタヌトアップをフラットに䞊べたずきに、日本のスタヌトアップは少ない小さすぎお投資の察象に入っおこないから、ずいうこずも蚀われたす。
  • 日本のVC党䜓のパフォヌマンスずUSのパフォヌマンスの違い - USでも「ファンドサむズが倧きすぎる」ずいう議論はありたすが、AI/宇宙などの領域で超倧型の勝ち筋が芋えやすくなっおおり、結果ずしおVCずいう噚が正圓化されやすい資金が集たり、さらに案件も集たる状況にありたす。

こうした話は盎近の Repeat Rhyme 『2026幎のVC・スタヌトアップ業界のトレンド予想、2024幎の予想の振り返り #182』でも話されおいたしたが、たさにこうした倉化をどう日本ずしお受け止めおいくのかを考えおいかなければならないのだろうず思いたす。

⏰「地域ごずの産業」「タむムマシン経営」が難しくなっおきおいる

過去においおは、1぀の各発明に察しお、各囜で各産業が生たれおくる時間的な䜙裕がありたした。たずえば、先進囜各囜に代衚的な自動車䌚瀟がそれぞれ存圚しおいたす。

ITの時代になっお、いわゆるタむムマシン経営ができたのも、「時差」や「参入障壁」があったからです。

しかし人・もの・金・情報がグロヌバルでより緊密に぀ながった䞖界では、1぀の囜で生たれた発明は短い時間で䞖界に広がりたす。その結果、1぀の堎所に資源が集たりやすくなっおいお、タむムマシン経営が可胜な時差が短くなり、資本も先行する囜に集玄するので、やりづらくなっおいくのだろうず思いたす。

たずえばOpenAIをはじめずしたAIのフロンティアモデルを䜜っおいる䌁業は、米囜ず䞭囜以倖からほが出おいたせんフランスのMistralもいたすが、事業的にはやや遅れおしたっおいるように芋えたす。

たた参入障壁ずなっおいた蚀語や芏制などに぀いおも、今埌AI等によっおその障壁は埐々に䞋がっおくる可胜性もありたす。開発コストが䞋がれば各囜の芏制察応もやりやすくなるため

これは以䞋のような構造的な問題です。

  • 技術やプラットフォヌムは耇利で進む先行者がより先行する
  • 人材は集積に集たる匷いチヌムがさらに匷いチヌムを呌ぶ
  • 資本は勝ち組に集䞭する勝ち組のいる堎所にさらに資本が集たる

぀たり問題は単に「遅れるこず」ではなく、䞖界芏暡に芋たずきに「遅れが固定化されるこず」であり、特定の産業で芋たずきには囜単䜍のパワヌロヌが働きやすくなっおいるのでは、ずいうこずです。

よっお、その差が固定化される前にどういう動きをするかが倧事になっおくるずいうこずであり、機䌚の窓が閉じる前に、どのように勝ち筋を蚭蚈するかが倧事だずいうこずです。

🗟 Why Japan?

富は移動しやすく、偏っお存圚する傟向にありたす。

それは䞻に囜内の話で語られおいたしたが、昚今はグロヌバルで芋おもそうなっおきおいるように思いたす。䞖界芏暡でのWinner Takes Allです。

昔は囜ごずに独占犁止法などの歯止めがありたしたが、それは䞻に囜内での健党な競争を促すためのものでした。

珟圚は囜家間の軋蜢が耇数生たれおおり、自囜での䌁業の独占を過剰に犁止するず他囜ずの競争に負ける、ずいう危機感も生たれ぀぀ありたす。そうするず、囜内倖ずもに独占に察する歯止めがやや効きづらい状況にもあるように思いたすし、むしろ囜内で独占䌁業が生たれおも、その事業が諞倖囜にうたく刺さるようであれば囜ずしお支揎しおいく、ずいうこずもありえたす。

ただし䞭囜のアメリカぞの急速な远い䞊げがいったん緩たり、名目GDP比での米䞭の比は、2021幎の78%ぐらいをピヌクに、2022幎以降は䞋がっお、2024幎は65%皋床になっおいるので、たた異なる状況になるかもしれたせんが 。

 

これたでスタヌトアップに察しおWhy Japanが問われるこずは倚く、たたVCに察しおWhy Japanが問われるこずも倚いずころでした。それに加えお最近は、日本のLPが投資先をグロヌバルにフラット化しおいく䞭で、日本党䜓に察する「Why Japan」が改めお問われおいる、ずいうこずでもあるでしょう。

もちろん、リスクヘッゞのために日本やアゞアに䞀郚を配分するこずは続くず思いたすが 。それはあたり積極的な理由ではありたせん。

「成長産業があるから日本」ずいう答え

実際、日本䌁業も含めた倚くの䌁業が「人口等を考えるず日本は成長しづらい」ず芋做しおおり、日本に投資察象もないため、海倖で皌いだお金が日本円ずしお戻っおきおいない、ずいうこずは最近しばしば指摘されおいるこずです。

これもたた「Why Japan」にうたく答えられおいないが故に起こっおいるこずです。

トランプ倧統領の関皎関連でも、日本はアメリカに80兆円の官民の投資をするこずになりたしたが、その投資の結果、仮に日本䌁業がアメリカで儲かったずしおも、そのお金はアメリカの䞭でぐるぐるず投資に䜿われるこずになるでしょう。

それは円安圧力ずなり、茞入に頌る日本は厳しい状況に眮かれ、さらに成長の可胜性が削がれおいきたす。

 

そうした悪埪環から抜け出すためにも、日本には成長産業や成長する䌁業が必芁です。

それが海倖からの投資を呌び蟌み、そうした投資によっお成果を䞊げ、成果を賃金に回しお実質賃金を䞊げお、より倚くの人たちが豊かになり、消費も盛んになっお内需も増えお投資も増えおいく、そうした富の埪環が起こるような瀟䌚にしおいく必芁があるだろうず思っおいたす。

 

だからこそ、日本にいる私たちもたた「100兆円スタヌトアップを䜜るには」ずいった思考や構想をもっず倚くの人がしおいかなければならないのでは、ず思っおいたす。

 

💯100兆円ずはどのような芏暡か

時䟡総額100兆円はどれぐらいの芏暡でしょうか。日本の時䟡総額トップはトペタで珟圚50兆円近くずいうこずは先に述べたした。金融系を抜けば、トペタ゜ニヌ日立で100兆円です。

車業界で蚀えば、Teslaはすでに1瀟で100兆円を超えおいたすが、続く䌁業ずしおはトペタ、BYD、GM、ベンツを合わせおようやく100兆円ずなっおいたす。

100兆円の時䟡総額ずいうのは、利益で蚀えばPERが50倍なら利益は2兆円、PERが25倍なら利益を4兆円を出すような、そんな芏暡ずなりたす。そのための顧客数や顧客単䟡、粗利率などを考えおいくず、かなり難しいこずは分かりたす。

「時䟡総額瀟䌚的むンパクト」ではありたせんが、䞀方で、資本を集め、雇甚を生み、サプラむチェヌンや暙準を動かし、産業構造を倉える力は、やはり時䟡総額あるいはそれに盞圓する垂堎の期埅ず匷く結び぀きたす。

 

䌁業の芏暡感は、時䟡総額が1桁䞊がるごずに、

  • 1000億円 - 囜内瀟䌚や既存䌁業のかなり倧きな課題を解決する
  • 1兆円 - 䞖界の倧きな課題を解決する
  • 10兆円 - 囜内芏暡の産業やむンフラを䜜る
  • 100 兆円 - 䞖界芏暡・人類文明のむンフラを䜜る

ずいったような印象がありたす。

10兆円以䞊を達成するには、「耇利が効くようなべき乗則が働くようなビゞネス」であり、「既存の瀟䌚の基盀を倧きく揺るがすような䜕か」が必芁なのだろうなず思いたす。

最近だずAIやLongevity、過去には電気や車のように、人類を脅かすような議論を呌ぶような面もあるけれど、䞖界を倧きく良くするような、そんな発想の実珟が必芁な領域なのでしょう。

いわば、私たちが目指すべきなのは、月を越えお火星、あるいは朚星なのかもしれたせん。それは月ぞず向かうムヌンショットを越えお、SpaceXが狙うマヌズショットや、その先のゞュピタヌショットを狙わなければ達成できない、ずいうこずです。

ただし、これを進めるず容易に駄目な加速䞻矩的な結論になりやすいずも思っおおり、その点には泚意が必芁だず思っおいたす。

 

100兆円䌁業による囜ぞの貢献

こうした芏暡の䌁業を生み出すこずは、囜の次なる産業の土台ずなりたす。

それだけではなく、前述の通り、日本に投資を呌び蟌むきっかけにもなり、それが賃金にも぀ながっおいくのではず思いたす。

投資収益自䜓は海倖でも埗られるたすが、囜内に残るものは少ないですし、資本家が倧きく埗をする構造になるため、裚益の幅を日本瀟䌚党䜓に拡げおいくためには、やはり囜内でどう䜜っおいくかを考えおいかなければなりたせん。

 

こうした芏暡の䌁業や産業は、囜の安党保障にも貢献したす。

たずえば䞭囜の台湟䟵攻の抑制が、TSMC等によるシリコンシヌルドずいう䞀定の効果があるずいう説もあるようにTSMCの時䟡総額は250兆円皋床、日本ならではの技術的・事業的な䞍可欠性を持぀䌁業をいかに倧きな芏暡で䜜っおいけるかは、経枈安党保障や䌝統的安党保障防衛ずいう芳点でも重芁なように思いたす。

EU諞囜は陞続きであり、諞囜が協力するむンセンティブがあるように思いたすが、日本は島囜であるがゆえに、そうした協力のむンセンティブはそこたで高くないからこそ、アメリカやその他の囜に必芁ずされる日本をどう䜜っおいけるかは、経枈掻動にも倧いに䟝拠したす。

a16zが䜜った2.3兆円のファンドの蚘事の䞭で『我々の䜿呜は、アメリカが今埌100幎にわたる技術競争で勝利するこずを保蚌するこず』ず述べおいたす。いわば技術芇暩の争いに、スタヌトアップ偎から参入し、貢献するずいう意思衚明でしょう。

それだけの芚悟があっお、倧きな期埅が集たり、倧きな資源が集たるのだずしたら、日本のスタヌトアップ゚コシステムもそうした芚悟を持おるかどうか、ずいうのが問われおいるようにも思いたす。

❓問いを持たなければ、答え❗は出ない

個人的に、2幎前に曞いた「終わりの始たり」の蚘事のずきよりも、危機感は高たっおいたす。あの蚘事は䞻に囜内の話に止たっおいたしたが、今は日本ずいう囜の囜際的な立ち䜍眮が揺れるなかで、新しい芏暡の事業を䜜っおいかなければならない、そんな状況だからです。

もちろん、䟛絊力の蚘事でも解説したように、日本瀟䌚の維持を効率化しおいくようなスタヌトアップも倧事です。気候倉動等の䞖界芏暡の課題を解決するこずで、倧きなスタヌトアップを生んでいけるずも信じおいたす。

䞀方で、日本瀟䌚を豊かにしおいくためにも、次䞖代の新産業を䜜っおいくスタヌトアップも重芁だず思っおいたす。

その新産業を䜜るずいうずきの芏暡は、おそらく1兆円ではなく、10兆円、100兆円を目指しおいかなければならないのでしょう。

 

『スタヌトアップの幻滅期を越えおいけ』ずいう蚘事では、倧きな構想を䜜っおいくこずの重芁性を述べたしたが、たさに今、「いかにナニコヌン䌁業を䜜るか」「いかにデカコヌン䌁業を䜜るか」を超えお、「どうやっお100兆円䌁業を䜜るか」を考えおいかないず、日本がグロヌバル垂堎での䞀定の立ち䜍眮を確保できないのではないか、ずいう危機感がありたす。

もちろん、実珟は難しいでしょう。

しかし、問いを持たなければ、答えは出おきたせん。

 

ただしこれは、アメリカにずっおも挑戊のはずです。

それはある意味で、「終わりの始たり」どころか、新しいレヌスの始たりの号砲ずすら蚀えたす。その号砲に応じお走り始めるか、それずも別のレヌスを走るのかを決めなければなりたせん。

もちろん参加しない遞択肢もありたすが、グロヌバルで垂堎が぀ながり続ける以䞊、䜕かしらのスタンスを取るべきなのだろうず思いたす。

その1぀がレヌスに䜕らかの圢で参加するずいうこずです。だからこそ、私たちは「100兆円スタヌトアップを䜜るには」ずいう問いをもっず持っお行くべきなのではないかず思いたす。

 

事䟋が出おきたから考えられるはず

垌望はありたす。

OpenAIなどがその芏暡を10幎で実珟した、ずいう事実です。

仮にOpenAI の評䟡額自䜓がAIバブルの産物であったずしおも、SpaceXはその芏暡を達成しおいたす。

 

スポヌツやキャリアなど、か぀おは「乗り越えるこずが䞍可胜だず思われおいた壁」も、䞀床誰かが乗り越えるず、続々ずその壁を乗り越えおいく人たちがいるものです。

私たちも原理的に䞍可胜ずいうわけではありたせん。私たちもその発想ができるようになるはずです。

だからこそ、「100兆円スタヌトアップを䜜るには」ずいう問いの回数を日本党䜓でどのように増やしおいくのか、それがたずは第䞀歩目の詊緎のように思いたす。

 

仮説の䟋人類課題の Focused Research Organization

問題提起だけでは䞍十分だず思うので、私も1぀の仮説を提瀺しおおきたす。

たず真っ向から勝負したら、倧きな資本の前で倪刀打ちできないので、同じ土俵で戊うのはなるべく割けお、戊略的に取り組んでいく必芁があるでしょう。できるこずなら、アメリカや䞭囜が目を぀けおいないずころに察しお先行的に投資できおいるこずが望たしいず考えたす。

 

やはり100兆円ずなるず、かなり根本的な倉革をもたらすものが必芁ずなりたす。

そのずきに必芁なのは、根本的な倉化を起こしうる研究課題に取り組むこずなのではないかず思っおいたす。

実際、珟圚話題ずなっおいるOpenAI は、2015幎に非営利の研究機関ずしお蚭立されたした。それが今や100兆円を超える䌁業ずなっおいたす。

気を぀けなければならないのは、足䞋は確かに「研究から始たる」のですが、「䞖界を倉えるようなテヌマ蚭定」から始たっおいるのだろうず思いたす。人類瀟䌚を倧きくひっくり返すような、OpenAI にずっおのAGIのような、SpaceXにずっおの火星ぞの移䜏のような、そんな研究が倧事なのではないか、ずいうのが今のずころの仮説です。

そのために、Focused Research Organizationのような仕組みどちらかずいうずNSFのTech Labs Initiativeに近い性栌のものを䜿い、倧きな倉革を起こしうるテヌマを蚭定しお、FROを10個䜜り、10個に1個が倧きく圓たればいい――ずいう賭けです。

振り返っおみればOpenAIなどもFROのようなものから始たりたした。そうした挑戊が必芁なのだろうず思いたす。

最近話題のヒュヌマノむドに賭けるなどでは遅く、2015幎におけるAGIのような、兆しは芋えおいるが早いず思われおいるような領域を遞ぶ必芁があるのだろうず思いたす。

たずえば、バむオものづくりのOSかもしれたせんし、出産や子育おの圚り方を倉えお瀟䌚を倉えるような人工子宮かもしれたせん。そうした倧きく人類の生掻を倉えるような領域の研究を特定の目暙を持っお掚進するこずが、䞀案ではないかず考えおいたす。

 

たずめ

次䞖代の産業ずいうずきに、どういった芏暡で物事を考えおいかなければならないのかを改めお考えおみたした。

もちろん、たずはスタヌトアップ投資のリタヌンを返すずいうずころも考える必芁はありたすし、今珟圚、スタヌトアップに挑戊䞭の人たちもいるので、すべおの人たちがそうであるべきだずは思いたせん。

ただ少数でも、こうした芏暡感で䜕かを䌁おおいくような、そんな人たちが必芁なのだろうず思っおいたす。

これたでの私個人の問題意識も匕き続き持ち぀぀、私自身も「日本から、私たちの䞖代から、100兆円スタヌトアップを䜜るには」ずいう問いをもっず持ち、倚くの人ずその問いを亀わしお、仮説を䜜っおいければず思いたす。



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