🐴 (馬)

Takaaki Umada / 馬田隆明

オピニオン

デザイン思考🎨🧠を超えて、グランドデザイン🗺️を

最近の日本では様々な場所で「長期・全体の構想」を描いていくことが多く求められているように思います。 たとえばスタートアップです。現在のスタートアップエコシステムでは、より大きな規模の会社を作ることが求められています。その結果、起業家にも、起…

2025 年の日本のスタートアップを取り巻く『世界の変化』と『起業の機会』

ちょうど去年の今頃、2024 年 6 月に『日本のスタートアップブームの「終わりの始まり」を食い止めるために』という記事を書きました。 その記事では、これまでの日本のベンチャー投資額に対して、スタートアップエコシステムが十分な経済的リターンが出せて…

ハルモニア・ジャポニカ(日本による調和)の実現にどう貢献するか

世界の課題を解かなければ、世界的なスタートアップは作れません。 そうした大きな課題の例はこれまで気候変動やヘルスケアでした。そして昨今は、それらの世界課題に加えて、どのように世界の調和を図るか、という課題も出てきているように思います。 であ…

産業政策とスタートアップによる産業ダイナミズム

各国が産業政策を復権しようとしています。「アメリカに製造業を取り戻す」というのはその大きな一例でしょう。 経済学的には非効率に見えることもあるこうした政策ですが、市場に任せることで国内の格差が増すなどし、社会が不安定になるのであれば、各国が…

起業家から産業家へ ――『新産業の創出』と『産業の再構築』に挑む人たち

時代が大きく変わる時期には、伝説的な起業家が出てきます。 日本だと渋沢栄一や岩崎弥太郎、戦後であれば本田宗一郎や井深大など、産業を作り上げることに大きく貢献した人たちです。こうした人たちは、単に新しい事業を興す「起業家」の枠を超え、国や社会…

It's Time to REBUILD - 軋む日本を『再構築』するスタートアップ

軋む日本 再構築 (Rebuild) の必要性 日本のスタートアップが今挑戦している「再構築」 従来との違い 国のアジェンダに沿うこと 国と共同での再構築 国を動かすには先行する挑戦者が必要 この方向性でのスタートアップエコシステムの再構築 まとめ 補足: リ…

「供給力」の時代とスタートアップ

この10年、「需要をどう喚起していくか」が重要なアジェンダだったように思います。ただ、この重心が昨今、「供給」へと変わりつつあるようです。 もちろん、需要が重要であることは変わりありませんし、個別の領域を見ると、むしろ需要の方が重要だというと…

エリート・再分配・社会契約のアップデート

東京大学に勤める個人として感じている責務の一つは、教育やサービス等の普段の業務を通して組織に貢献すると同時に、社会の利益や公益の最大化を企図することだと勝手ながら思っています。 国内で有数のトップ校・エリート輩出校として社会的・財政的に優遇…

自由と連帯と安全保障のためのテクノロジー(とスタートアップ)

イーロン・マスクの言動や思想になじめない人たちが増え、別のEVを探し始めている人が増えてきているようです(WSJ)。しかし一方で、Teslaの車の乗り心地や充電ネットワーク、自動運転技術をはじめとする利便性は他と比べてかなり高いため、乗り換えようと…

テクノ・メリオリズム(テクノ改善主義)

テクノオプティミズム(技術楽観主義、テクノ楽観主義)や効果的加速主義という言葉をしばしば見るようになりました。 こうしたテクノオプティミズムの背景には、「テクノロジーの進歩により、社会はより良くなっていく」という信念があるように思います。そ…

『社会的インパクト』の試練と新たな挑戦の時代

この数年、ビジネスや投資の世界で勢いを増してきた「社会的インパクト」という概念が、いま一つの転換点を迎えようとしているのではないかと感じています。 国際秩序の再編、価値観の多様化、そして社会の分断(という言葉は使いたくないのですがあまり良い…

日本のスタートアップブームの「終わりの始まり」を食い止めるために

スタートアップブームの「終わりの始まり」は、VC のファンドサイズが小さくなり始めることだと考えています。それを契機に悪循環が始まるからです。 理屈はこうです。 ファンドサイズが小さくなると、スタートアップが調達できる資金も小さくなります。そう…