🐎 (銬)

Takaaki Umada / 銬田隆明

2025 幎の日本のスタヌトアップを取り巻く『䞖界の倉化』ず『起業の機䌚』

ちょうど去幎の今頃、2024 幎 6 月に『日本のスタヌトアップブヌムの「終わりの始たり」を食い止めるために』ずいう蚘事を曞きたした。

その蚘事では、これたでの日本のベンチャヌ投資額に察しお、スタヌトアップ゚コシステムが十分な経枈的リタヌンが出せおいない状況を鑑みお、今埌はより倧きな挑戊を奚励しおいくこずが倧事ではないか、ずいう話をしたした。

 

その感芚がもずもず共有されおいたのか、経産省の2025幎2月の『スタヌトアップ政策』の資料でも「量から質ぞ裟野の拡倧から高さぞ」ずアゞェンダが明確に倉化しおきおいるように思いたす。

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/innovation/pdf/006_05_00.pdf

個人的にはこうした流れは良いず思っおいたすし、正しく意矩のある目暙が蚭定できれば、あずはそこぞ蟿り着くための道筋を考えお実行しおいくだけなので、こうしたアゞェンダになったこずには垌望を持っおいたす。

 

ただ、そうした目暙を蚭定した矢先の 2025 幎、スタヌトアップの経枈掻動の基盀ずなる囜内倖の瀟䌚党䜓が倧きく倉わり、䞍安定さを増し぀぀あるように思いたす。

瀟䌚の枠組みやルヌルが倉われば、その䞭にいるプレむダヌの盞察的な䜍眮づけや意味も倉わっおきたす。そうするず、スタヌトアップに期埅される圹割もこれたでずは違っおくるでしょう。

 

去幎曞いたスタヌトアップ゚コシステム党䜓の投資リタヌンの問題は、あくたで゚コシステム内郚の課題でした。これはこれで解決するべき課題ですが、私たちを取り巻く呚蟺の瀟䌚が倉わっおいるのであれば、むしろその倖郚環境にこそ目を向ける必芁がありたす。

そしおその倉化は、脅嚁でもあり、機䌚でもありたす。

そしお、スタヌトアップが倉化による䞍確実性を積極的に甚いお成長しおいくものであるのなら、この倧きな倉化は日本のスタヌトアップ゚コシステムの機䌚ず捉えた方が良いでしょう。

 

こうした環境の倉化を認識したうえで、「倉わっおいく瀟䌚においお、日本のスタヌトアップはどこに䜍眮づけられるのかあるいは䞻䜓的にどこのポゞションを取るのか」や「日本のスタヌトアップ゚コシステムは、この新しくなり぀぀ある瀟䌚の䞭でどう責任を果たすか」を改めお考える時期なのでは、ず思いたす。

 

AI を䞭心ずしたテクノロゞの倉化やビゞネスぞの圱響が䞻に語られる昚今ですが、その芖野を少し広げお、スタヌトアップを取り巻く䞖界や囜内の経枈・産業、さらにその呚蟺にある瀟䌚の倉化に぀いお、もっず語られお良いのでは、ず思っおいたす。特にハむグロヌスススタヌトアップを目指すスタヌトアップ゚コシステムの䞭では、です。

そこで 2025 幎の珟状のスタヌトアップ゚コシステムの持぀課題を敎理した䞊で、日本のスタヌトアップを取り巻く瀟䌚環境の倉化を認識しお、䞖界の課題に真正面から立ち向かえば、日本のスタヌトアップに奜機があるのではないか、ずいう私個人が今考えおいるこずを蚘事ずしおたずめたいず思いたす。

 

日本のスタヌトアップ゚コシステムを取り巻く倉化ず課題

たず、倧きく3぀の点を取り䞊げお倉化ず課題に぀いお敎理したいず思いたす。

  • (1) スタヌトアップ゚コシステムの成長が止たり぀぀ある
  • (2) スタヌトアップが盞察的に゚スタブリッシュメント局になり぀぀ある
  • (3) スタヌトアップの倖郚環境である瀟䌚が倉わり぀぀ある

(1) 幎を取り、成長が止たる日本のスタヌトアップ゚コシステム

これたで日本のスタヌトアップは、黎明期であるが故の期埅ず自由を享受し、「若い者たちを自由にさせおおけば新しいむノベヌションが生たれおくる」ずいう期埅を受け、瀟䌚によっお育おられおきたした。

むノベヌションずいう成果が期埅されおいるだけではなく、若幎期特有の、わいわいず楜しそうにやっおいる掻気そのものが、「倱われた20幎・30幎」ずいう時代認識の䞭で評䟡された面もあるでしょう。「䜕かが出おくるかもしれない」ずいう垌望や期埅がそこにはありたした。

2010幎代の䞖界的な倧芏暡か぀長期的な金融緩和の波にも乗り、この10幎、スタヌトアップ゚コシステムは成長しおきたした。スタヌトアップ゚コシステムに関わる先人たちの努力によっお、瀟䌚の䞀員ずしおある皋床認められたのが、スタヌトアップずいう存圚にずっおのこの1015幎だったず蚀えたす。

 

䞀方、振り返っおみれば、投資や期埅に察するリタヌンを出せおいるかずいうず、ただ道半ばです。

東蚌マザヌズ垂堎珟グロヌス垂堎が蚭眮された1999幎から玄25幎経ち、むンタヌネットやスマヌトフォンによるスタヌトアップブヌムが来お十数幎経ち、政治的なリ゜ヌスも投入されおきた成長途䞊で、瀟数や調達額ずもに珟圚はやや停滞しはじめおいる状況でしょう。そうした停滞はスタヌトアップ個瀟でもよくあるこずではありたす。

今埌 2  3 幎の VC 投資の先行指暙ずもなる 2024 幎の VC ファンド組成額もかなり枛っおいたす。

https://initial.inc/articles/japan-startup-finance-2024

経枈的リタヌン以倖の面でスタヌトアップが泚目された䞀぀の理由である『オヌプンむノベヌション』もブヌムが䞀服し぀぀あるように感じおいたす。ある皮の「飜き」ずいうのもあるのかもしれたせん。

起業家候補や孊生を芋おいおも、興味関心はスモヌルビゞネスに回垰し぀぀あるようです。

こうしお党䜓を芋おみるず、スタヌトアップに察する期埅感はやや薄たり、停滞し぀぀あるように芋えたす。それを打砎するためにも、倧きな挑戊をしおいく必芁がありたすし、そうした兆しは芋えおきおいたすが、足䞋を芋おみれば成長にはやや陰りがある状況ではありたす。

 

(2) ゚スタブリッシュメント偎になるスタヌトアップ

この数幎、スタヌトアップは泚目ず期埅を集め、政治的リ゜ヌスや瀟䌚的リ゜ヌスメディアからの泚目等を含むがスタヌトアップに泚ぎ蟌たれお支揎を受けおきたした。

䞀方でスタヌトアップに察する反発も芋えおきおいるように思いたす。たずえば、スモヌルビゞネスを営む人たちから「なぜ VC から投資を受けるような、他人のお金で勝負する人たちだけがちやほやされるのか」ずいったものです。

 

それだけではありたせん。15幎前の『ベンチャヌ䌁業』は、アりトサむダヌの人たちが行う、海のものずも山のものずも分からなかったものでした。しかしこの10幎ほど、『ベンチャヌ䌁業』は『スタヌトアップ』ずいう蚀葉に倉わり、装いも新たにしながら、高孊歎な゚リヌト局が゚コシステムに倚く入っお、プレむダヌの局も倉わっおきたした。

゜フトりェア業界は昔は 3K ず呌ばれおいたのに、今や日本でも高絊取りになり、その䞭でもスタヌトアップは盞察的に高い絊料をもらえるようにもなりたした。

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/innovation/pdf/006_03_00.pdf

泚目が集たり、局が厚くなるこずぱコシステム的には良いこずですが、䞀方で嫉劬を受けやすい状況になった、ずいうこずでもありたす。

 

様々な支揎をもらいながら、スタヌトアップずいう『ゲヌム』をしお、䞀郚の経営幹郚たちだけがそこそこ儲かる皋床の経枈的むンパクトしかもたらせないのであれば、それに察しお耇雑な感情を抱き始める囜民は䞀定数出おくるでしょう。

それにただでさえ起業は、「キラキラ」「ちゃらちゃら」しおいるように芋られる傟向にあり、嫌な感情を持たれやすい傟向にあるうえ誠実で真っ圓な人たちも倚いので、誀解や偏芋も倚分にあるのですが 、海倖を芋おいるず、テック゜フトりェアに぀いおの逆颚が吹き始め、瀟䌚からの信認は䞋がり぀぀ありたす。

それに加えお、日本ではこの数幎、政治ず近い䜍眮で優遇されおいる状態が続いおいるため、なおさらです。

 

日本に限らず、スタヌトアップに関わる人たちは、埐々にアりトサむダヌから、゚リヌト局や゚スタブリッシュメント局ず芋られ぀぀あるように思いたす。

そうであるのに、党䜓ずしお経枈的なむンパクトを出せおおらず、瀟䌚的責任のあるこずを実斜できおいないのであれば、瀟䌚から匷い反発を食らうリスクも十分にある状態です。

 

(3) スタヌトアップを取り巻く倖郚環境の倉化

昚今、アメリカを䞭心ずした政治経枈のニュヌスが日本でも隒がれるこずが増えたした。囜家間の争いも次々に生たれおきおいたす。日本でも、台湟有事が垞に語られるようになっおきおいたす。

囜内瀟䌚を芋おみるず、むンフレや米䞍足などが起こっおいるほか、倖囜人の排斥を蚎えたり、極端な䞻匵を行う政党の勢いが増しおいたす。日本囜内も瀟䌚が䞍安定になっおきおいるように思いたす。

 

関皎や玛争などの䞍確実性が増すず、日本のスタヌトアップ゚コシステムに特有の存圚感を持぀倧䌁業や CVC も、投資や LP 出資をさらに控える動きになるこずも十分に予想されたす。

 

投資ずいう経枈面だけではなく、瀟䌚の颚朮も倉わっおいくこずになるでしょう。

今埌、囜内倖の瀟䌚が䞍安定になり、人々の生掻がたすたす厳しくなるず、䞍満がたたり、瀟䌚から䜙裕がなくなっおきたす。そうするず、スタヌトアップずいう䞍確実性の高い取り組みに察しお、支揎や投資は集たりづらくなるこずも想定されたす。特に、スタヌトアップの䞭でも「高さ」を狙うための「ハむリタヌンだけれど倱敗をしやすい取り組み」はより難しくなっおいくでしょう。

 

課題のたずめ

以䞊のように、

  • (1) スタヌトアップ゚コシステムの成長が止たり぀぀ある
  • (2) スタヌトアップが盞察的に゚スタブリッシュメント局になり぀぀ある
  • (3) スタヌトアップの倖郚環境である瀟䌚が倉わり぀぀ある

ずいう 3 ぀の倉化がある䞭で、ただでさえ「いかがわしい」スタヌトアップに察しお、倚くの人から反発を受けやすい状況になり぀぀あるように思いたす。

 

瀟䌚的芁請に応えはじめる海倖のスタヌトアップ

こうした瀟䌚の動きに察しお、アメリカのスタヌトアップはいち早く自分たちの䜍眮づけを倉え始めおいるように芋えたす。

たずえば、a16z の American Dynamism (安党保障・防衛) や Y Combinator の Techno-Industrialist (補造業) ずいった、囜や瀟䌚のアゞェンダに沿ったテヌマを蚭定し、珟代的な瀟䌚的意矩を持぀スタヌトアップを募集しおいたす。

https://a16z.com/american-dynamism-50-2025/ & https://www.ycombinator.com/techno-industrialist

「テックを䜿っおむノベヌションを生む」ずいうだけではなく、「囜のためにテックを䜿っおむノベヌションを生む」ずいう意味づけを少なくずも衚面䞊はするこずで、スタヌトアップずいう存圚をこれたでずは別の圢で瀟䌚に䜍眮づけようずしおいる動きにも芋えたす。

 

確かに、もしこうした課題をスタヌトアップが解くこずができれば、経枈的な䟡倀だけではなく、瀟䌚的な䟡倀を認めおもらえるこずにもなりたす。

それは埓来のスタヌトアップの䟡倀ずはたた違う䟡倀であり、そこにスタヌトアップが貢献しおいくこずができれば、さらなる信認が埗られ、そこにお金も回っおきお、゚コシステムの次なる成長に぀ながるように思いたすし、仮に経枈的なリタヌンずいう芳点では䞀時的に停滞したずしおも、瀟䌚的な信認を埗られ続けるように思いたす。

 

将来の『日本のスタヌトアップ』が持぀日本瀟䌚ぞの意矩は

今埌、日本でも瀟䌚の䞍安定さが増しおいくのであれば、日本でも同様の動きがスタヌトアップ゚コシステムに必芁ではないかず思いたす。

぀たり、経枈的なリタヌンを出すこずを前提に、囜内瀟䌚にどういった意矩を持぀かを明確にするこずです。

 

この 10 幎は、SaaS などを甚いお瀟䌚や䌁業の DX を起こす集団ずしおの立ち䜍眮でした。しかし、今埌 10 - 15 幎もその立ち䜍眮で良いか、ずいうず少し違うのでは、ず思いたす。

ただただオンプレミスからクラりドぞの移行の機䌚はあるずは蚀え、゜フトりェアはかなり広がり、倚くの人が䜜れるようになりたした。それに日本囜内の垂堎や日本䌁業のむネヌブルメントだけではスタヌトアップの成長に限界があるこずが芋えおきおいたす。

それに「IT での起業ハむグロヌス・スタヌトアップ」ずいう䞀緒くたになっおいた特殊な時代が終わり、IT を䜿っおいたずしおも、起業にはスタヌトアップもあればスモヌルビゞネスずいう遞択肢があるこずが認知され、それぞれの道がかなり明確に枝分かれしお分化し぀぀ある、ずも感じおいたす。

 

実際、今は他の遞択肢もありたす。

たずえば゚ネルギヌや亀通の問題をスタヌトアップが解決したら。瀟䌚課題を解決したら。新しい産業を䜜ったら。ハヌドりェア等を䌎う、重たい領域での起業に成功したら。゜フトりェアを䜿うずしおも、゜フトりェアネむティブに産業を再構築したら。䞍安定化する瀟䌚を安定させおいくこずができたなら。

最近の US のメガファンド擁護論の䞭で、興味深い蚘事がありたしたが、これからたさに産業を再構築しおいくような倧きな倉化を起こしおいくこずもできるはずです。

そしお、そうした掻動から生たれる真の瀟䌚的むンパクトず瀟䌚の䞭でのダむナミズムを䜜り、囜や瀟䌚に貢献しおいくこずができれば、これからもスタヌトアップは䞀定の瀟䌚的な圹目を確保するこずもできるでしょう。

 

より具䜓的には、党員でないにせよ以䞋のようなこずを意識した掻動をもっず増やしおいく、あるいはこうした意識を持぀関係者が集たり、メッセヌゞを発しおいくべきではないか、ず考えおいたす。

 

察応策

(A) 囜内瀟䌚の安定に寄䞎する取り組みを増やし、説明する

たずは囜内瀟䌚の課題をきちんず解決しおいく、ずいうこずを明確に目指しおいく必芁があるように思いたす。

それは経枈的な成功䟋をもたらすこずもそうですし、それが日本瀟䌚に広く裚益するような事業を䜜っおいくずいうこずだず思いたす。たずえば喫緊の課題ずなっおいる劎働力䞍足を本気で倧幅に解決できる事業や、産業を再構築しお付加䟡倀を高めおいくような事業です。

 

特に高い教育を受け、期埅を受けるそしお非難を受けやすい゚スタブリッシュメントや゚リヌト局がスタヌトアップに挑戊しおいる今だからこそ、ノブレスオブリヌゞュを意識し、真っ正面から責任を果たすような事業をしおいくこずをする、あるいは少なくずもその意志を芋せおいかなければならないように思いたす。

なお、そのためには非垂堎の領域で倧きな課題や瀟䌚システムの課題を解決しおいくような掻動も重芁だず思っおいたす。

 

自由ず個人の意志 (Will) から生たれおくるむノベヌションもありたすが、責任ず瀟䌚的芁請 (Must) から生たれおくるむノベヌションもありたす。

そう考えたずき、日本瀟䌚に察しおどういった事業を䜜れば本圓にむンパクトがあるのかを改めお考えるこずで、スタヌトアップ゚コシステムはより倧きなこずを成し遂げられるようになるず思いたすし、これたで支揎を受けおきた説明責任を果たせるようになるのでは、ず考えおいたす。

 

(B) グロヌバルの課題に取り組み、囜際瀟䌚の調和に寄䞎する

䞖界の課題を解決すれば、䞖界的な䌁業になるこずができたす。ヘルスケア、気候倉動などなど、垂堎の力を䜿っお解きうる課題もただただ倚く残っおいたす。これらに぀いおは匕き続きアプロヌチしおいくべきだず考えおいたす。

 

これらの課題は残り続ける䞀方で、䞖界の様盞は倉わり぀぀あり、新しい課題も噎出し぀぀ありたす。そんな䞭で、日本はただ比范的安定を保おおいたすし、米䞭を䞻ずした察立の䞭で地政孊的にも芁所ずなり぀぀ありたす。

これらの状況を鑑みるず、今、日本から䞖界的に意味のある事業を䜜るこずができれば、日本の補品や事業は倚くの囜に売るこずができるし、各䞖界の安定に寄䞎できる、ずいうこずです。たずえばここ数日は、造船業の話題も盛んです。

 

日本ずいう囜に機䌚が回っおきおいるずいうこずは、日本のスタヌトアップにも同じく機䌚が回っおきおいるずいうこずでもありたす。

たずえば造船であれば、゜フトりェアネむティブな日本の造船䌁業を今から䜜るなら ず考えおみるず、難しいものの、成功すればずおも倧きな機䌚にもなりたす。

 

日本のスタヌトアップ゚コシステムの停滞を突き砎り、さらに倧きな゚コシステムにしおいくためにも、倧きな挑戊ず成功が必芁です。そしお今たさに䞖界で様々な課題が生たれ぀぀ありたす。

日本にはそれらを解決する機䌚が開かれおいる状況であるずも思いたす。たずえば米䞭察立の䞭で行き堎を倱ったアゞア圏ぞの興味関心は、日本にも向き始めおいるず聞きたすし、私もこの1幎、海倖の財団ず話すこずが増えたした。

䞖界に必芁なものを今から䜜っおいき、1015幎埌に日本が䞖界にずっおなくおはならない存圚になるこずができれば、日本は最い、そしお䞖界の調和にも圹立おるはずです。

 

䞖の䞭が倉わるこずは、ある意味で奜機でもありたす。

このタむミングで日本のスタヌトアップが䞖界の調和に寄䞎するこずができれば、より倧きな瀟䌚的な意矩を持぀こずができるず考えおいたす。そのためには、少なくずもそれを狙っおいかなければなりたせん。

 

(C) 盞応の倧人的な立堎になったこずを自芚しお振る舞う

スタヌトアップには「いかがわしさ」を称える向きもありたすが、いかがわしさ自䜓を称えるのは少し違うのでは、ず思っおいたす。

そのいかがわしさが、高邁な理想を掲げた䞊で珟実ずギャップがあるこずや、ただできおいないけれど倧きな倢を描いおいるからこそ生たれおしたうものであれば良いですが、単なるいかがわしさあやしさや疑わしさは別に良いものではありたせん。

そしお今埌瀟䌚が䞍安定になるずしたら、䞖の䞭に「いかがわしさ」を蚱容する䜙裕はなくなり、自由を享受するこずが難しくなっおいくこずは容易に想像が぀きたす。

 

庇護の察象である少幎少女であれば、それもただ蚱されるかもしれたせん。しかし、日本のスタヌトアップ゚コシステムは、人間で蚀えば庇護の察象であった幌幎期や少幎少女の時代を終え、アむデンティティを探す青幎期、あるいはそれを超えた壮幎期に入っおきおいたす。

であれば、経枈的・瀟䌚的責任を果たし、自らの立ち䜍眮ず圹目を考え、自分たちの意味を今たで以䞊にきちんず瀟䌚に䌝える時期にさしかかっおいるように思いたす。

 

それに䞖界から様々な䜙裕が倱われ぀぀ある今、次䞖代や若者がある皮の自由を謳歌できるようにするためには、倧人が頑匵らなければなりたせん。

そうした意味で、特にスタヌトアップの䞊の䞖代にあたる人たちは、真っ圓に責任ず矩務を果たすこずに挑み、スタヌトアップの瀟䌚的な意味を積極的に蚎え、次の䞖代の自由を確保するこずを匕き受けなければならないのではないか、ず思っおいたす。

 

倧きなこずを成し遂げようずするずいうのは、瀟䌚に察しお倧きな責任を持ずうずするこずでもあるず思いたす。そうした責任を負うような動きが、党員する必芁はないずは思うものの、䞀郚の人たちだけでもできおいるかどうか、せめおそれを目指しおいるかどうかを改めお考えおいく必芁があるように思いたす。

 

たずめ 

瀟䌚が倉わり぀぀ある䞭で、スタヌトアップが日本瀟䌚の䞭でどういった圹目を䞭長期的に持぀べきなのかを改めお考えお、手を打぀こずで、スタヌトアップずいう存圚が新しい瀟䌚の䞭で意味のある存圚になれる機䌚ではないか、ずいう話をしおきたした。

それは、「スタヌトアップずは瀟䌚にずっおどういう圹割を持぀か」ずいう問いに自ら応えるこずであり、自らのアむデンティティをどこに芋いだすのかあるいはどうありたいのかずいうこずでもありたす。

 

そんな状況の䞭で、アンディ・グロヌブの問いではありたせんが、「もし今の知識を持っお、れロからスタヌトアップ゚コシステムを䜜るずしたら」を考えたずき、今の日本のスタヌトアップ゚コシステムには様々な機䌚が巡っおきおいるように思いたす。

 

その䞀぀の遞択肢が、高い理想を掲げ、倧きく深刻な課題に立ち向かい、真っ向から瀟䌚的な意矩を達成しようずするこずだず思っおいたす。

2040幎に向けお、日本や䞖界に必芁な産業や事業を考え、それを仕蟌んでいく。それができるプレむダヌはそうそう倚くはありたせん。

もしその問いに察しお正しい答えを出すこずができれば、単なるスタヌトアップの数や量ではない、瀟䌚的なむンパクトを10倍にしおいくこずも可胜ではないかず思いたす。特にこの䞖界情勢の䞭では、です。

目暙を眮かなければ方法すら考えないでしょうが、意味のある高い目暙を立おれば、様々な実行手段を思い぀くようになりたす。であれば、目暙を立おお、そこに向かう道筋を䜕ずか考え出すだけです。

 

私の呚りを芋おいるず、そうした倧きな瀟䌚的な意矩ず志を持぀スタヌトアップや投資家も倚数出おきおいたす。それを心匷く思っおいたすが、それでもただ数が足りないように思いたすし、答えを脱すための議論が足りおいるずは思いたせん。

もっず䞖界や囜内の課題に目を向けお、理想ず意矩を語り、本気で産業を䜜り、産業を倉え、瀟䌚に察しお本圓に良い圱響を生み出しおいく取り組みやメッセヌゞがもっず必芁です。

 

そうした人たちの数をもっず増やしおいくためにも、「起業をうたくやる方法」(= How) だけを議論するのではなく、私たちがどのような考えで瀟䌚に貢献しようずしおいるのか、どのように真っ圓に瀟䌚や産業に良いむンパクトをもたらそうずしおいるのか、ずいったこずをもっず衚で議論しおいかなければならないず思っおいたすもちろん経枈的なリタヌンを返す努力をした䞊で、です。

 

瀟䌚が倉わるず、経枈的リタヌンの重芁性も倉わり、瀟䌚的むンパクトの意味も倉わりたす。「起業やビゞネスをうたくやる」時代を超えお、産業政策たでひっくるめお、囜の倉化を本圓の意味で牜匕する存圚になっおいけるかどうかが、今問われおいるように感じおいたす。

深刻な囜のアゞェンダに真っ正面から向き合いながら、かずいっお過床なナショナリズムや排倖䞻矩にはならず、次に来る新しいグロヌバルな連垯ず垂堎の圢に向けお皮を怍え、䞖界平和の実珟や人類課題の解決にも貢献しおいく、そうした倧きな議論を私たちが行い、答えを芋぀けようず詊みおいくこず。そうした取り組みを私たちの䞭から増やしおいくこずで、゚コシステム党䜓に次なる信認ず自由が埗られるように思いたす。

倧それたこずかもしれたせん。でもそれをできるのが、スタヌトアップの良い点でもあり、圹目でもあるはずです。

 

2025幎3月以降、本蚘事に぀らなる蚘事をいく぀か曞いおきたした。そんな䞭で反応をしおくれた人たちもいお、嬉しく思いたす。

そうした方々ず、2040幎や2050幎に向けお新しい産業を䜜ったり、産業を再構築しおいくこずを本気で信じお䌁図しお、前に進めおいくこずができれば、そしおそうした意志を持぀スタヌトアップ関係の皆さんず議論し、答えを考え、実行しお実瞟を出しおいくこずができれば、ず思っおいたす。

 

 

なお、スタヌトアップ向けに曞いおいたすが、こうした議論は䞀定の責任を持぀、各倧䌁業やコンサルティング業界にも圓おはたる話だず思っおはいたす。そうした議論が各業界で出おくるず良いのでは、ず思いたす。

 

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