🐴 (馬)

Takaaki Umada / 馬田隆明

これから求められるスタートアップと中小企業のエコシステム

Climate Tech スタートアップを支援している中でつくづく感じるのは、ハイグロース・スタートアップ以外の企業群も大事だ、ということです。 たとえばハイグロース・スタートアップが優れた性能を持つ太陽光パネルを作れたとします。それを本当に普及させて…

12/4 に書籍『仮説行動』を出版します

『仮説行動』という本を 2024/12/4 (水) に出すことになりました。 『解像度を上げる』に続き、ビジネスパーソン全般を読者として想定した本で、書名の通り、今回は仮説についての本です。 仮説行動――マップ・ループ・リープで学びを最大化し、大胆な未来を…

ディープテック・スタートアップの立ち上げ方の分岐と変遷

大学発スタートアップやディープテック・スタートアップについての期待が高まっています。ただ、外から想像されているディープテック・スタートアップの立ち上げ方のイメージと、現在試みられているディープテック・スタートアップの立ち上げ方のイメージに…

「スタートアップの前にまずは受託開発をしたほうが良い?」というよくある相談とその回答

この1, 2年、「いずれ急成長型のスタートアップを始めたいと思っているが、最初からスタートアップをするべきか、それとも最初は受託ソフトウェア開発から始めるべきか迷っている」という相談を学生・若手の方々から受けることがかなり増えました。 最近では…

『需要家のファーストペンギン』への支援

シリコンバレーがソフトウェア業界で強い理由の一つは、優れた需要家がいるからだと思っています。 シリコンバレーには大企業からスタートアップまで、ソフトウェア業界の最先端を走る人たちがたくさんいます。そうした人たちは事業上を進める中で、最先端の…

どの摩擦をなめらかにするか

課題解決をしようとしたとき、私たちは根本的な原因ではなく、つい見えやすい課題に目を向けてしまします。その中でも目を向けてしまいがちなのが摩擦です。 その摩擦は優先度の高い摩擦か たとえば、「コンテストへの応募のプロセスがスムーズではない」と…

Non-Profit スタートアップ - 『社会的インパクト』を短期間に急成長させる『非市場領域』でのスタートアップ

クラウドやスマートフォンが登場し、数十年経ちました。それらの普及と、オープンソースなどの貢献のおかげで、ソフトウェアベースのサービスはより安価に開発・配布・運営ができるようになっています。 その結果、ソフトウェア領域ではハイグロース・スター…

新時代のサステナビリティの議論を始めるために

サステナビリティという言葉には『環境に良いこと』という意味を持つ印象がありますが、本来の意味は『持続可能性』です。 狭義のサステナビリティを環境に関する持続可能性として捉えたとき、これからは言葉の原義に近い、広義のサステナビリティを考えてい…

アントレプレナーシップ教育に関わる教職員の方に読んでほしい論文・レポート5選

日本全体でスタートアップに対しての注目が高まるとともに、アントレプレナーシップ『教育』にも注目が集まるようになりました。その結果、様々なバックグラウンドを持つ人たちがアントレプレナーシップ教育に関わり始めています。 アントレプレナーシップ教…

「○○がないからできない」から「○○があればできる」へ: 起業家的リソースフルネス

スタートアップの起業家に特有の考え方を一つ取り上げるとすると、『資源に対する特殊な態度やスキル』が挙げられるように思います。 本記事ではその態度やスキルを『起業家的リソースフルネス』としてまとめて紹介します。 資源の活用 起業家は資源(人、も…

Must ➡ Can ➡ Will で考えるキャリア(スライド)

『Must ➡ Can ➡ Will で考えるキャリア』というスライドを公開しました。 speakerdeck.com これまでのキャリアに関する記事のまとめに近いものになっています。

GX 2040 リーダーズパネル (第3回) で話した内容

2024年8月1日に、GX2040リーダーズパネルに参加しました。話したかった内容のフルバージョンを別途撮影したので公開しておきます。

『希望の語り手』としての Climate Tech スタートアップ

現状 日本でも脅威を伝え始める動きが活性化 人は恐怖で立ちすくむ 人を動かすには希望が必要 気候変動における希望 Climate Tech スタートアップが作る希望 (1) 我慢や負担とは違う、「技術による解決」という選択肢を際立てさせられる (2) 雇用を増やし、…

やるべきことの探し方 - 個人の Will をなるべく避ける分人的アプローチ

キャリアを考えるとき、Will, Can, Must のフレームワークはしばしば使われます。 多くの人はWillから考えようとしますが、そこから考えると迷宮入りして答えを見つけるのに苦労しがちです。個人的には、Will や情熱は徐々に育てていくものだと考えたほうが…

人類や国の課題を1%解く

世界や日本には大きな課題がいくつかあります。そうした大きな課題を大きく解くことができれば、つまり世界や社会の課題に大きく貢献する事業を作ることができれば、金銭的な見返りを得ることができます。 Bill Gates らの Breakthrough Energy Summit に参…

若い起業家の志は低くなったのか?

「起業を志す若者の志が小さくなった」などと言われこともあるようですが、個人的にはこの10年でそこまで変わってないのでは、と感じています。 むしろ、少し前の時期に特殊な環境が揃っていて、志が高くなくても大きな勝負ができていたのでは、というのが個…

日本のスタートアップブームの「終わりの始まり」を食い止めるために

スタートアップブームの「終わりの始まり」は、VC のファンドサイズが小さくなり始めることだと考えています。それを契機に悪循環が始まるからです。 理屈はこうです。 ファンドサイズが小さくなると、スタートアップが調達できる資金も小さくなります。そう…

「ディープテック・スタートアップは時間がかかる」とは限らない

「ディープテック・スタートアップは Exit まで時間がかかる」とよく言われますが、(少なくともアメリカでは)必ずしもそうではない、という点を記事に残しておきます。 ディープテックの一つの領域として、Life Science が挙げられます。その領域での代表…

ディープテック・スタートアップへの誤解

スタートアップ全体への支援から、徐々に特定領域のスタートアップへの支援へと政府の軸足が移りつつある中で、「ディープテック・スタートアップ」への注目が増しているように感じています。そして実際、いわゆるディープテック・スタートアップに対する国…

機会からはじめよ

ハイグロース・スタートアップを目指す起業家や、大企業の新規事業の人たちの多くに共通する、新事業の立ち上げがうまくいかない原因の一つは、「自分のやりたいこと」を重視しすぎてしまうことだと感じています。特に大企業のボトムアップ型の新規事業にお…

アイデンティティを緩く保つ

「文系で技術がありません。どう起業すればよいでしょうか」というのは学生から頻出する質問です。その質問に対する答えにはいろいろありますが(たとえばチームを組めばよいなど)、一方で「そこまで自分を規定しなくとも良いのでは…」とも思います。 文系…

「やりたいこと」を探すよりも「やるべきこと」に目を向けてみる

学生の方から「やりたいことがない」「行動を起こせるほど興味があるものがない」という質問のような相談が出てくることがあります。 そうしたとき、最近は「やりたいことよりも、むしろやるべきことを考えてみてはどうでしょう」「何かできるところから始め…

「未来にとっての過去」を今から作り始める

起業に興味がある若手の方と話していると、「自分には原体験がない」「文系(理系)だから」「スキルがない」といって、行動を始めることを躊躇してしまう人がそれなりの数いることに気づきます。 実際、起業を始める前に「あなたの原体験は何か」といったこ…

埋め込まれたアントレプレナーシップ教育

これまでの小中学校におけるアントレプレナーシップ教育の展開計画では、いくつかの課題がありました。たとえば以下のような課題です。 既存の授業科目とは「別」のコマを用意することが想定されており、学校や教師の負担となっている(ただでさえ、外国語や…

学生にとっての「社会」と「社会課題の解決」

「社会」という言葉はもともと日本語にあった言葉ではなく、society という言葉の翻訳のために、明治時代に新しく作られた造語だそうです。 この society という言葉には意味が大きく2つあり、 狭い範囲の人間関係 (例: 仲間、友人、組、会) 広い範囲の人…

大企業とのカンパニークリエーション - デマンドサイドからのオープンイノベーション

先日取り上げた、スウェーデンの「インパクト・カンパニー」ビルダーである Vargas Holding が、新たに繊維スタートアップの Syre を立ち上げ、2024年3月に資金調達を行って表舞台に出てきました。 Syre はポリエステル繊維の大規模なリサイクルを行い、サー…

成功を測るものさし📏

同じ「起業家」と呼ばれる人たちと話していても、成功の認識は大きく違うと感じています。 富、名声、力を成功と捉えて起業する人もいれば、より良い社会を残すこと、より大きな何かを成し遂げることなどを求めて起業という選択を取る人もいます。 富一つと…

Company Creations by Vargas Holding: Creating a Series of Decacorns and Unicorns 🦄

What is Vargas Holding? Method 1. Look at macro trends and create what should be 2. Vertically integrate 3. Secure sales commitments early 4. Have customers buy the product and also invest 5. Utilize financing techniques 6. Don't take on t…

「インディースタートアップ」とスモールビジネス

受託開発での起業や自己資金での起業を「インディースタートアップ」や「インディービジネス」と呼ぶことについての話題が懇親会で挙がりました。 スタートアップとスモールビジネスはよく比較されますが、「スモールビジネス」というと、小さい=良くないと…

「スタートアップ」の定義が曖昧なことによる弊害と悪影響

国の政策の方針もあって、「スタートアップ」が注目されており、予算等もついて「スタートアップの数」などが公共団体等での KPI に置かれ始めています。 スタートアップの数を増やすことは個人的にも賛同していますが、ただ、気を付けたいのがスタートアッ…